遇人の内懐

Sweets for the Soul
西国のウィンダス連邦から、特命全権大使
のカラババ(Karababa)がやってきた。
だが、歓迎セレモニーが開かれるはずだった
港は、人形同士の意地の張り合いで
一転、修羅場と化してしまう。しかも、
カラババたちは不滅隊の案内を無視、
シャララトへお茶をしばきに出かけてしまった。


アトルガン白門 / サラヒム・センチネル


Abquhbah : まだかなぁ~。
Abquhbah : ……。
Abquhbah : まだまだなのかなぁ~。
Abquhbah : ……ハァ~。
(まだまだまだに、違いないです。)
Abquhbah : いくら、ウィンダスの
特命全権大使が来るからって、ご到着早々
社長と商談する暇なんてないだろうに……
Abquhbah : あっ。
[Your Name]さん、いいところに!
Abquhbah : [Your Name]さんからも
社長に、急がれるよう言ってください。
Abquhbah : このままじゃ、大使のご到着に
間に合わなくなります。ふひー!

Naja Salaheem : アブクーバ!!

Abquhbah : はっ、はいぃぃ!

Naja Salaheem : 後ろもちゃんとなってるかい?
……ちょいと見ておくれよ。

Abquhbah : はっ、はい……
バッチリですっっ!
Abquhbah : さぁ! ナジャ社長っ。
急いで行かないと!!

Naja Salaheem : ……なんでだい?

Abquhbah : そんなの決まってますよっ。
大使がご到着されたときに、せめて
顔だけでも見せておいて
心証をよくしないと……

Naja Salaheem : へぇ~!
Naja Salaheem : あんたも、
ちょっとばかし営業ってヤツが
わかってきたようじゃないか。んん?
Naja Salaheem : あたいは、てっきり
ウィンダスに行ってるイブワム(Ibwam)からの
手紙にあった、カーディアンとやらを
見たいだけか……なんて、思っちまったよぉ?


Abquhbah : ち、ちがいますよっ。
あんなの、我が国のオートマトン
特にメネジン(Mnejing)さまと比べれば、
月とカプルンバァですからっ!

Naja Salaheem : ……めねじんさま?
Naja Salaheem : ああ、あのネジの外れた
アヴゼン人形とやらの片割れかい?
「無能の傀儡師」をお供に連れた……

Abquhbah : わわわわわっ……
シーッ! 不滅隊に聞かれでもしたら
どうするんです?
Abquhbah : メネジンさまとアヴゼンさまは、
前聖皇さまご夫妻のお人形で
あらせられるんですよ?
Abquhbah : それに、無手の傀儡師さまは……
Abquhbah : あっ、待ってください!
置いてかないでほしいですー。

…………………………………………………………………………………………

Rodin-Comidin : そろそろだな。
チャーター船が着くのは……
Rodin-Comidin : はたして、どちらが
優れているのか? それを突きとめるまで
ミンダルシアの土を踏むなと、あの御方に
命じられていたけれど……
Rodin-Comidin : はっ!
ま、まさか……
Rodin-Comidin : 情報が少ないことに
痺れを切らして、御自らいらっしゃるのだとしたら
じ、自分の首はいったい……。
Rodin-Comidin : !
Rodin-Comidin : ようこそ、ようこそ、ようこそ!
はるばる、このような遠地まで
よくぞ御み足を運んでくださりましたぁ。
Rodin-Comidin : このロディンコミディン
首を長ぁく長ぁくして、お待ち申しあげて
おりましたぁ。

??? : デ★ムカエ ゴ★クロウ
ロディン★コミディン。

Rodin-Comidin : ありがたき星の御言葉!
キング・オブ・ハーツ(King of Hearts)様。

King of Hearts : ダ★ガ……

Rodin-Comidin : !?

King of Hearts : ナガ★イ アイサツ★ハ
ジカン★ノ ムダ★ダ。
ソレ★ニ ココ★ハ テキチ★ダゾ?

??? : オーホホホホ!
??? : キング・オブ・ハーツ?
そのくらいで許しておあげなさい。


Rodin-Comidin : シャントっ……
じゃなくて、カラババ(Karababa)さまぁ!

Karababa : 認めたくはありませんことね。
このような粗忽者を任命した
わたくしの過ちを……。

Rodin-Comidin : あ、あちらに
この国の者共がお迎えに。

King of Hearts : フフ★フフフ……
アンナニ★タクサン
ズイブン★ト ヒマナ★コト デス★ナ。

Karababa : あら、仮にもわたくし
一国の特命全権大使として来ておりますのよ?
あたりまえといえば、あたりまえですことね。

Rodin-Comidin : ……!
Rodin-Comidin : シャンっ……
Rodin-Comidin : じゃなくて、カラババ様。
くだんの冒険者があそこに……。


King of Hearts : イッタ★ハズ ダ★ナ?
ココ★ハ テキ★チ ダ★ト。
クチ★ヲ ト★ジロ。

Karababa : ふふん……。
Karababa : いいですこと?
これは情報戦。今はその戦場の只中に
いること、忘れてもらっては困りますわ。

Rodin-Comidin : ……は、はい。

Amnaf : ようこそ、アトルガンへ……。
Amnaf : 聖皇陛下が皇宮でお待ちです。
カラババさま……、こちらへ。

Karababa : ずいぶんと
ものものしい警備ですことね?

Amnaf : 恐れ入ります……。

Karababa : わたくしの警護のためかしら?
Karababa : それとも、まさか
わたくしを警戒なさってのことですかしらね?

Amnaf : 左様なことは決して……。

Mnejing : ……控えよ。

Karababa : あら。
今なにか、おっしゃりまして?

King of Hearts : コイ★ツ
コワレテ★イル ノ★カ?

Mnejing : ……控えよ、と
述べたまで……。

King of Hearts : フフ★フフフ……
ヤハ★リ コショウ★カ。
King of Hearts : ショ★セン タマシイ★ナキ
ニンギョウ ワレ★ワレ カーディアン★トハ
クラブ★ベクモ ナイ★ナ。
King of Hearts : ヨシ★ヨシ……
モ★ウ イチ★ド チャン★ト
アイ★サツ シテ★ミロ?

Mnejing : ……面倒なことだ。
ご免こうむる……。
Mnejing : ……我が国には
我が国の作法がある。
……異邦人ども、口を慎むがよい。

Karababa : ……?

Mnejing : ……ウルグームは、
西へゆくほど民度が低いというが、
まことのようだな……。

King of Hearts : フフ★フフフ……
オウニ★デモ ナッタ★ツモリ カ?
コレ★ハ ゼン★ブヒン コウカン★カモナ。
King of Hearts : ワタシ★ハ
カーディアン★ノ キング★デ アル。
King of Hearts : オ★マエ ノ
カイキュウ★ヲ ホウコク★セヨ。

Mnejing : ……なんと申した?

King of Hearts : ン★ン……?
2★カ? 3★カ? ソレ★トモ
ジャック★カナ? ……フフ★フ。

Mnejing : ……な!?
Mnejing : ……そなたは、わらわを
何と心得……

Amnaf : !!

King of Hearts : ……ン★ン?
ツイ★ニ ホンカク★テキ ニ
コワ★レタ ノカ?

Karababa : ……。

Mnejing : ………………。

…………………………………………………………………………………………

Aphmau : わらわを!?
Aphmau : …………。
Aphmau : どうしよう、どうしよう、
どうしよう、どうしよう、どうしよう?
Aphmau : このままじゃ
また、丞相に怒られちゃう……。
Aphmau : …………。


Ovjang : ……ドウシタ?
イツモ、いッテルダロウ?
なイテタッテ……

Aphmau : 何も、解決しない……?
Aphmau : えぇ、そうね。
わたくしが何とかしなきゃ。
だって……だって……
Aphmau : ……メネジンが、聖皇さまの
「真似事」をしてしまったんだもの。
Aphmau : アヴゼン、おねがい。
なんとかメネジンを起こして
あげてちょうだい。

Ovjang : フゥ、ヤレヤレ……。
ショウガナイゾ、マッタク……!

…………………………………………………………………………………………

Mnejing : …………。

Karababa : オホホホ!
ずいぶんと興味深い趣向ですこと。
Karababa : おたくのカーディアンもどきには、
よくあることですかしら?

Amnaf : いえ、そのようなことは……。

Karababa : 我が国の優秀な
カーディアンには、このような不具合
まず起こりませんわ!

King of Hearts : フフ★フフフ……
カラババ★サマ オ★ヤメ クダ★サイ。
King of Hearts : コノ★ヨウナ
デク★ト クラベラ★レル ノモ
キョウ★ザメ デ★ス。

Mnejing : ……無礼者!

King of Hearts : !?
King of Hearts : キュウ★ニ トツ★ゼン
ドウカ★シマシタ デス★カ?
ワケ★ガ ワ★カリ マ★セーン!
King of Hearts : クレ★イジー ナ
デク デ★ース!!

Mnejing : ……もうよい。下がれ。

King of Hearts : コレ★イジョウ
ドコ★へ サガ★レト イ★ウノ デス★カ?
King of Hearts : サガ★ッテ イ★ッタラ
イズ★レ ウミ★ニ オチ★テ シマイ
マー★ス!

…………………………………………………………………………………………

Aphmau : んもうっ!
Aphmau : でも、なんとか話は
逸らせたかしら……。

Ovjang : ソンナことヨリモ
ムカッぱらガ、タッタゾ。
Ovjang : アノヨウなヒレイ、
ゆるしてハおけヌゾ。あふまうヨ。

Aphmau : ……。
うん。そうかも……。
Aphmau : でも、アヴゼン。
あのお人形と、カラババとやらは
丞相の、大切なお客さまなのよ?

Ovjang : ……ツンツーン!

Aphmau : ……もうっ。

Ovjang : ソレデ、よイノカ?
アノようニ、ばかニサレテ、あふまうハ
くやシクハナイノカ?

Aphmau : ……平気よ。

Ovjang : なにヲがまんシテイル?
きっトめねじんハ、くやシクテ
くやシクテ、ないテルゾ!
Ovjang : あのキングおぶ……
なんたらトカ、イウやつメ!
Ovjang : ドウシテクレヨウ……。
Ovjang : !
Ovjang : イイコト
おもイツイチャッタ♪

Aphmau : 良いこと……?

Ovjang : あふまうヨ。
Ovjang : こしょこしょこしょこしょ……。

…………………………………………………………………………………………

King of Hearts : ヤレ★ヤーレ。
マ★タ デス★カー?
King of Hearts : アト★ルガン デハ
フ★リョウ デク★ニ
アイサツ★サセ マース★カー?

Amnaf : 失礼しました……。
カラババさま、こちらへ……。

Karababa : ……あら?
わたくしの歓迎セレモニーは
まだ続いてるようですことよ?


King of Hearts : ?
King of Hearts : オー★ノー!
クチ★デハ カテ★ナーイ
ナラ★バ コ★ブシ デース★カー?
King of Hearts : カラババ★サマ
コレ★ハ アキラカ★ニ
セイトウ★ボウエイ デス★ネー?
King of Hearts : ダイ★3シュ
ヘイ★ソウ ドンキ★ノ シヨウ★ヲ
キョカ★シテ クダ★サーイ。

Karababa : ……オーホホホホ。
これも余興のひとつのようですわ。
存分に楽しませていただきなさいな。

King of Hearts : ……フフ★フフフ
タイキュウ★リョク ダケ★ハ
タカ★イ ヤツ★ダナ……。


Karababa : あら?
もう、セレモニーは終了ですこと?
Karababa : わたくし、もっと
すごいものを期待しておりましたのに。
虎の子と噂のマーリド兵とか、
巨大なからくり人形とか……。

Amnaf : 恐れ入ります。
Amnaf : 聖皇さまが
お待ちかねですので、皇宮へ……。

Karababa : さて。
それは、どうですかしらね?

Amnaf : ……は?

Karababa : ロディンコミディン!

Rodin-Comidin : は、はいっ
なんでございましょう!?

Karababa : わたくし、何か
甘いものがいただきたいですわ。
案内してくださりますこと?

Rodin-Comidin : よろこんでっ!
さ、さ、こちらによい店がございます。
ただ多少客層に難がございますが……。

Karababa : あらあら
それは楽しめそうですこと。
Karababa : というわけで、わたくし
ちょっと寄り道してから皇宮に参りますわ。

Amnaf : それは……困ります……。

Karababa : ……あらあらまぁまぁ。
一国の大使であるわたくしに
人形をけしかけるなど、本来なら
国際問題に発展しかねぬ事態。
Karababa : その深~い心の傷を
甘いもので癒して、忘れようというのに
何か不都合でもございますかしら?


King of Hearts : ツカレ★タ トキ★ニハ
スィーツ★デース。

Amnaf : ……承知致しました。

Karababa : (このカーディアンは、航海中
体内の星の実が湿気って、少々オツムの
機能が落ちておりますのに……。)
Karababa : (からくり人形とやら、
底が知れましたわね。)
Karababa : オーホホホホホホ!!

…………………………………………………………………………………………

Ovjang : ……。
Ovjang : ……。
Ovjang : ……。
Ovjang : ……!

Aphmau : ……起きた?
アヴゼン。

Ovjang : あふまうヨ……ドウシテ……
ドウシテアノときニ……
Ovjang : ナマ・イッテンジャ・ナイヨ!
ト、めねじんハ、いエナカッタノダ……?

Aphmau : ……ごめんね。
Aphmau : でも……
見て見て! アヴゼン。


Ovjang : ……。

Aphmau : ほらほら♪
Aphmau : マウ、表着に
着替えてみたのよ!

Ovjang : ナニ、おもてぎ?

Aphmau : クスッ。

Ovjang : オオオ!?
そ、それハ、あかふくデハナイカ!

Aphmau : これを着てれば、誰も
マウたちには気づかないんじゃなくって?

Ovjang : デハついニ、れいノけいかくヲ
じっこうスルきニ、ナッタノダナ?

Aphmau : そうよー。
今度こそは、ホントにホント。
Aphmau : アヴゼンにだけは、マウは
嘘をつかないって知ってるものねー?

Ovjang : ウム、ソウダッタナ。

Aphmau : もちろん丞相にだって
ぜーったいに、内緒にするの!
Aphmau : わかるでしょ?

Ovjang : すばらシイ。
Ovjang : ソレデ、ソレデ?
どこヘ、どこヘ?
Ovjang : ヤハリ、しゃらら……フゴッ。

Aphmau : ふわぁ~あ!
Aphmau : なんだか疲れちゃった……。
Aphmau : そろそろ寝間に行こうかなー……。

Ovjang : ……これハ
おもしろク、なってきたゾ。

…………………………………………………………………………………………

Naja Salaheem : まっ。
それなりに、おもしろいものが
見られたじゃないか♪
Naja Salaheem : 東西お人形対決だなんて
そうそうあるもんじゃないしネェ。
Naja Salaheem : さてと、問題は……
Naja Salaheem : どうやってあの大使に
ヒョウタン人形なんかより、我が社の
傭兵の方が優秀だってアピールするかだよ。
Naja Salaheem : なにしろ実際は
ウチの社員ときたら、どいつもこいつも……
Naja Salaheem : ん?
Naja Salaheem : おやおや、これはこれは
[Your Name][階級]。
Naja Salaheem : どうだったかい?
人形相撲は? ちゃ~んと
楽しんだんだろうネェ?

選択肢:人形相撲を楽しみましたか?

>>はい
  Naja Salaheem : ほ~……。
  Naja Salaheem : ウチにはねっ
  道楽者のごく潰しを養ってる余裕なんて
  コレっぽっちもないんだよっ!

>>いいえ
  Naja Salaheem : へ~……。
  Naja Salaheem : ウチにはねっ
  怠け者がひま潰しを楽しんでる
  余裕なんて、コレっぽっちもないんだよっ!

Naja Salaheem : ぼさ~っと、
突っ立ってないで
さっさと仕事をしておいでっ!



Naja Salaheem : ぼさ~っと、
突っ立ってないで
さっさと仕事をしておいでっ!
Naja Salaheem : ウチにはネェ、
怠け者のごく潰しを雇ってる余裕なんて
コレっぽっちもないんだよっ!


アトルガン白門


Rodin-Comidin : シャントっ……
じゃなくて、カラババさまぁ!!
Rodin-Comidin : いったい、どこへ
行かれてしまったのだろう?
茶屋シャララトに御案内しようと、自分が
一張羅を取りに行っていた間に……。


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■関連項目 アトルガンミッション , アトルガン白門
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最終更新:2015年07月01日 22:43
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