「やばいことになってるお」
と、魔法少女・クレアボヤンスは言った。
あにまん市北端、茶羽落谷。その奥地。
老朽化した木小屋の中で丸太椅子に腰かけ、水晶玉の埋め込まれた魔法の杖を弄ぶ。
目元をアイマスクで隠しているのは就寝したいからではなく、千里眼の発動条件を満たすためだ。
通常の視覚との併用は出来ず、また目を瞑っただけでは千里眼は発動しない。
あくまで視界を封じた上で瞼を開くからこそ、クレアボヤンスの千里眼、『どこにいようと見つけられるよ』が発動する。
あにまん市にワープしたクレアボヤンスはまず市内の各地を千里眼で確認し、茶羽落谷に人影が無いことを確認。
じっくりと千里眼で情報収集をするための拠点とすることを決めた。
幸い他の魔法少女に見つかることなく茶羽落谷まで移動できたクレアボヤンスは、改めて千里眼を発動。
あにまん市北端、茶羽落谷。その奥地。
老朽化した木小屋の中で丸太椅子に腰かけ、水晶玉の埋め込まれた魔法の杖を弄ぶ。
目元をアイマスクで隠しているのは就寝したいからではなく、千里眼の発動条件を満たすためだ。
通常の視覚との併用は出来ず、また目を瞑っただけでは千里眼は発動しない。
あくまで視界を封じた上で瞼を開くからこそ、クレアボヤンスの千里眼、『どこにいようと見つけられるよ』が発動する。
あにまん市にワープしたクレアボヤンスはまず市内の各地を千里眼で確認し、茶羽落谷に人影が無いことを確認。
じっくりと千里眼で情報収集をするための拠点とすることを決めた。
幸い他の魔法少女に見つかることなく茶羽落谷まで移動できたクレアボヤンスは、改めて千里眼を発動。
(……まずは、麦たんの場所を特定するお!)
麦たん。クレアボヤンスの推し魔法少女。
殺し屋ハイエンドに飼われていた犬が魔法少女化した存在であり、犬耳と尻尾を生やした可愛らしい外見をしている。
麦たん。クレアボヤンスの推し魔法少女。
殺し屋ハイエンドに飼われていた犬が魔法少女化した存在であり、犬耳と尻尾を生やした可愛らしい外見をしている。
(さて、麦たんはどこにいるかお…………あれ?)
Not Found。
お探しの魔法少女は見つかりませんでした。
お探しの魔法少女は見つかりませんでした。
(そ、そんなはずはないお……麦たんがここに居ることは、魔法王の城で確認済みだお!)
まさか、麦たんの身に何かあったのか。
クレアボヤンスは不安に駆られた。
クレアボヤンスは不安に駆られた。
(じゃ、じゃあ飼い主の方を探すお! 一緒に居るかもしれないお!)
検索:姚 莉鈴/ハイエンド。
少女検索中……。
少女検索中……。
(あ、見えてきたお)
【「墳ッ!」「迎面掌ッ!」「蓋掌ッ!」「邪ッ!」】
(うぐ……グロすぎるお……やっぱり麦たんにこんな飼い主は相応しくないお!)
ハイエンドの自宅を覗くことが日課のクレアボヤンスだったため、多少のグロ体勢はある。
それでもハイエンドの仕事場までは滅多に追跡しないため、彼女の殺しっぷりを見物してしまったクレアボヤンスは検索を中断し、アイマスクを外した。
あらかじめコンビニで買って置いた炭酸水を口に含みながら、クレアボヤンスは今後の方針を考える。
それでもハイエンドの仕事場までは滅多に追跡しないため、彼女の殺しっぷりを見物してしまったクレアボヤンスは検索を中断し、アイマスクを外した。
あらかじめコンビニで買って置いた炭酸水を口に含みながら、クレアボヤンスは今後の方針を考える。
(はっきり言って状況は絶望的お。市内最強ティターニアもあっさり殺し合いに参加してる時点でクレアボヤンスたちの勝ち目はゼロだお。生きて帰りたいなら優勝するしかない……)
けど、クレアボヤンスは弱いお。
そう自虐する。
そう自虐する。
(生き残るなら上手く立ち回るしかないお。強い奴同士をぶつけて、漁夫の利を狙って……)
——麦たんは、どうするのか。
(考えたくないお。推しを殺したくない、けど推しのために死ぬ勇気はクレアボヤンスには無いお)
もう少しここにいよう。
魔法の不調が回復し、麦が何処にいるか分かるまで。
クレアボヤンスは再びアイマスクを被ると、次は誰を検索するのか思案を始めた。
魔法の不調が回復し、麦が何処にいるか分かるまで。
クレアボヤンスは再びアイマスクを被ると、次は誰を検索するのか思案を始めた。