「Se foder(誰も居ねぇじゃん)」
あにまん市に幾つか存在する立ち入り禁止区域の一つ、女鹿ヶ浦。
海岸をのしのしと歩きながら、ジェシカ・ロドリゲス、魔法少女名、バルバロイは悪態をついていた。
海岸をのしのしと歩きながら、ジェシカ・ロドリゲス、魔法少女名、バルバロイは悪態をついていた。
「Alegre(王さまも中々楽しそうなゲームを開いたもんだぜ……! 喧嘩最強を決める大会ってことだな!)」
バルバロイは三度の飯より喧嘩が好きだ。好きすぎて魔法少女になったくらいには喧嘩好きだ。
此度のバトルロワイアルも、彼女は「喧嘩」だと認識していた。
此度のバトルロワイアルも、彼女は「喧嘩」だと認識していた。
「Gato(そういや、あの臆病者のネコサンダーも会場に居やがったな。喧嘩売ったら逃げやがって。魔法少女の風上に置けないぜ)」
まさか全員が全員、ネコサンダーのような臆病者ではないだろう、とバルバロイは自身を安心させる。
バルバロイの心情としても、やる気のない奴とは戦いたくない。
逃げ回る相手を追い回して殴り飛ばしても、それはただの暴力で、喧嘩とはいえないからだ。
バルバロイの心情としても、やる気のない奴とは戦いたくない。
逃げ回る相手を追い回して殴り飛ばしても、それはただの暴力で、喧嘩とはいえないからだ。
「Procurar(さて、喧嘩相手第一号はどこかなっと……お)」
ズン、ズンと音を立て、前方から近づいてくる影がある。
大きさは5mほど。全身を強固な鎧で覆った巨人である。手にはバルバロイよりも大きな棍棒を携えている。
大きさは5mほど。全身を強固な鎧で覆った巨人である。手にはバルバロイよりも大きな棍棒を携えている。
「Vir(面白れぇ)」
エネミーの名は、ゴリアテ。ボス級エネミーとしてはポピュラーな存在である。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
敵を認識したのか、ゴリアテは咆哮を挙げ、バルバロイに迫る。
バルバロイもまた、砂浜を蹴り、ゴリアテに向かっていった。
圧倒的体格差。セオリーならゴリアテの攻撃範囲外から遠距離攻撃で仕留めるか、スピードで撹乱して背面からの攻撃をするべきである。
真正面から挑みかかるのは自殺行為だ。
それを、バルバロイは実行する。
少女を肉塊に変えるべく、棍棒が振り下ろされ。
ぐるり、とゴリアテの巨体が宙を舞った。
魔法少女バルバロイ。カウガール風の衣装に「野蛮」を意味する魔法少女名とは裏腹に、特技は柔術である。
勢いを利用してゴリアテを華麗に投げ飛ばしたバルバロイは、そのままゴリアテの首に両脚を絡めた。
バルバロイもまた、砂浜を蹴り、ゴリアテに向かっていった。
圧倒的体格差。セオリーならゴリアテの攻撃範囲外から遠距離攻撃で仕留めるか、スピードで撹乱して背面からの攻撃をするべきである。
真正面から挑みかかるのは自殺行為だ。
それを、バルバロイは実行する。
少女を肉塊に変えるべく、棍棒が振り下ろされ。
ぐるり、とゴリアテの巨体が宙を舞った。
魔法少女バルバロイ。カウガール風の衣装に「野蛮」を意味する魔法少女名とは裏腹に、特技は柔術である。
勢いを利用してゴリアテを華麗に投げ飛ばしたバルバロイは、そのままゴリアテの首に両脚を絡めた。
「Morra(さようなら)」
ごきり、とゴリアテの首が捩じ切れる。
絶命したゴリアテは粒子へと変換され、それはバルバロイの魔力ソースとして蓄えられる。
筋力増強魔法を使うまでもなく、ボス級エネミーに圧勝。
それは、バルバロイが紛れも無く実力者であることを示していた。
絶命したゴリアテは粒子へと変換され、それはバルバロイの魔力ソースとして蓄えられる。
筋力増強魔法を使うまでもなく、ボス級エネミーに圧勝。
それは、バルバロイが紛れも無く実力者であることを示していた。
「Seguinte(次行ってみよう)」
新たな喧嘩相手を求め、野蛮な魔法少女は再びのしのしと歩き出したのだった。