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  • 龍に至る道

魔法少女を集めてバトロワするスレ@ ウィキ

龍に至る道

最終更新:2024年12月25日 22:20

mahousyouzyobr

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だれでも歓迎! 編集
 美味かったのう、と龍明は思った。
 三日ほど前に食した春巻きのことだ。
 共に集団生活を営む少女の一人が、夕餉に振る舞ってくれた。
 少女の夢は、自分のお店を開くことらしい。
 皆が寝静まった夜、毛布の中でそんなことを言っていた。

「いつか、ここを抜け出して、私は自由の身になるの」

 抜け出す。
 そう言う風に考えている仲間は多かった。
 聞けば、無理やり連れてこられた者が多いのだという。
 親に売られた。罪を犯した。そんな理由で、この場所に連れてこられ、共同生活を強いられている。

 この場所は、地下にあるらしい。
 日の光は射さず、どこまでも硬質な壁と床と天井。蛍光灯だけが光源で、そこで龍明たちは、徹底的な英才教育を受けている。

『次の勇者を見つけ出さなくては』

 と、所長を名乗る男は何度も口にした。

『最初の魔法少女を、もう一度創り出さなくては』

 そのための施設なのだという。
 少女を集め、管理し、教育し、一人の勇者を育て上げる。

 ドラゴンを討伐する者を、創り出す場所。

 大人たちの夢に、少女たちはあまり興味を示さなかった。
 ドラゴンも勇者も魔法少女も、御伽噺としか思えない。
 実際に魔法少女を前にしても、強くて怖いと思うだけで、憧れは持てない。

 一人の勇者を創り出すのだから、残りの少女は余分だ。
 だが、少女たちは次第に仲を深めていった。
 蹴落とすべきライバル、とは思えない。
 何しろ勇者になることに興味を持っていないのだ。

「でも、勇者にならないと、ここから出れないのかな」

 春巻きを振る舞った少女は、そんな風に言って、涙を見せた。

「私、お店を開きたいの。
 美味しい料理を研究して、お客さんに振る舞って……。
 ここから出れないと、その夢が叶わないのなら……」

 龍明ちゃん、と少女は肩を撫でた。

「一緒に脱出しない?」

「そうじゃのう……」

 三日は待て、と龍明は言った。
 この環境でしか為せないことがある。

二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 17:51:48
そういえばブレイズドラゴンとメリィの関係性回収されてないなー

「それって、なぁに?」

「技の開発じゃ」

 近接戦闘の下地として叩き込まれている拳法は、龍明の性に合っていた。
 それまで、我流で振るっていた拳とは、やはり違う。

「三日経てば、儂は真髄を掴む。
 さすれば、脱出も用意であろう」

「確かに龍明ちゃん、引くほど強いもんね……」

「足りぬよ。アレを倒すには、まだまだ足りぬ……」

「うん、所長は強敵だね……」

 龍明は笑った。
 少女も釣られて笑った。

 三日後の朝、実戦訓練があった。
 ランダムに決められた組み合わせで部屋に入り、1時間以内にどちらかが『死亡』しなければ毒ガスが撒かれる、という訓練だった。

 少女は死んだ。
 龍明は生き残った。

 拳から滴る少女の血を嘗めながら、龍明は三日前の春巻きの味を思い出していた。
 あれは、もう二度と食べられないのだろうか。
 それは、何だかもったいないように思えた。


「非常に優秀な個体です」

 と、所長は魔法少女に龍明を紹介した。

「昨日の実験で、誰よりも早く、そして一切の傷を負うことなくクリアしました。
 既に武術教官に匹敵する暴を備えています。何より、情が無い。
 恐らく、選抜され次の勇者になるのは彼女でしょう」

 魔法少女はふぅんと龍明を一瞥する。

「君の脳は餃子の皮で出来ているのかね?」

「何ですって?」

「創り出そうとしているのは勇者なんだろう?
 実験体同士を殺し合わせて、勇者が生まれるかは愚問だね。
 アヘンでも吸いながら考えたのかい?」

「い、いくら貴女でもそれ以上の侮辱は許しませんよ……!
 負荷のかかった状態におかれた個体が、強い魔法を発現することは既にデータで証明が……」

「ああ、もういい。これ以上劣等人種と話すと私まで頭が餃子になってしまう。
 私には、アーリア人の優秀な脳を保護する義務がある。
 これにて失礼させてもらうよ」

 外套を翻し、魔法少女は立ち上がった。
 二人が何を口論しているのか、龍明にはよく分からなかった。

「いいかい所長さん。君のやり方では勇者は生まれない。
 生まれるのは——」

 魔法少女は龍明を一瞥し、微笑する。

「ドラゴンだよ」

 魔法少女は、出て行こうとしている。
 行かないで欲しいと、龍明は思った。

 元々、決めていたことだ。

「所長殿、魔法少女殿」

「む、何だ?」

「チッ……」

 龍明の動きは一瞬だった。
 たった一瞬で、所長の首を手刀で叩き落とす。

 そして、生首を肩に担ぎ、カカカ……と笑った。

「儂はこれより脱獄する。
 邪魔する者は皆殺しよ」

「邪魔して欲しそうな顔するなよ。
 やだよ、何故吾輩がお前みたいなクソガキを相手にする必要がある?
 近所の犬でも追い回して喰ってろ」

「ぬぅ、主にはこの挑発は意味が無かったか……」

次の瞬間、龍明は地を蹴り、魔法少女に蹴りかかっていた。

 魔法少女はその攻撃を紙一重で躱す。

 龍明はその姿を、大きく変貌させていた。
 白いボディースーツに、炎のようなメッシュが入ったポニーテール。

「いつから変身できていたんだい?」

「今しがたよ」

「まったく、だからくだらない実験なんかするなと言ったんだ。
 どうして吾輩がアヘン野郎の尻ぬぐいをしなくちゃあならない」

 そう言いながらも、魔法少女の手から伸びるのは、極小のワイヤーである。
 一方、龍明もまた、全身に魔力を滾らせる。


「本命は吾輩か? 身の程知らずのガキめ」

「カカカ——儂の本命は、最初から一つよ」

 それは、断じて所長などではない。

「儂の目的は——」

◇

 その日、中国の山林地帯にあった研究所は壊滅した。
 多くの実験体が野に放たれ、関わっていた大人たちは全て死体で発見された。
 王龍明、当時齢九歳。
 この事件は、後に魔法少女ブレイズドラゴンとして積み上げる屍の、先触れに過ぎなかった。

二次元好きの匿名さん24/05/19(日) 18:44:18
ドラゴン=黒龍なら黒龍そのものと数十年の付き合いのトートアリアに従っていたのは…

◇

 ハニーハントの一撃は、零落した神さえも屠る威力を持っている。
 即死級の一撃。
 事実、ブレイズドラゴンは命脈を絶たれた。
 紛れもなく致命傷。

(ぬぅ、なんという一撃……)

 死ぬ。
 ブレイズドラゴンは、自らが死ぬことを理解する。

(見事じゃチェーンソーの少女よ。見事儂を殺してのけた)

 変身しなくても勝てるという評価を改める。

(主もまた強者じゃった……)

 思った以上に楽しめた死合いであった。
 ブレイズドラゴンは少女たちに感謝し。


(よし、死ぬまでにやりたいこと全部やるか)

 終活を始めることにした。

 受けた攻撃は——致命傷である。
 だが、気を回復に回せば直ちに死ぬことはないだろう。
 後、数分、否、限界を超えることが出来れば1時間程度は生存可能なはずだ。

 その一時間の間に、この場の魔法少女を皆殺しにし、その後会場中を疾走してティターニアを探す。
 残りの余命で出来るか?
 否、やるのだ。

(頑張れ儂)

◇

「浅い——っ!」

 と、ハニーハントは気づいていた。
 マンションで振るった時とは、感触が違った。
 理由は幾つか考えられる。
 ブレイズドラゴンの裸身は美しく鍛え上げられており、えっちというより芸術品のようだと感じてしまったこと。
 詳細は分からないが、明らかに毒のようなもので攻撃を受け、服を脱いだのはその解毒のためだったと推察——ならば脱衣はえっちではなく、医療行為なのでは? と迷ってしまったこと。
 以上の理由から、ハニーハントの魔法は、致命傷を与えても、即死までは届かなかった。

好機を逃した、とハニーハントは理解した。

 えっちであれば神様だって殺してみせる……ハニーハントの魔法は、「対格上性能」において参加者でも随一だ。

 ブレイズドラゴンを真にえっちだと思うことが出来れば、彼我の戦力差、ブレイズドラゴンのドラゴンをベースとしたフィジカル、隔絶した戦闘経験——それら全てを無視して、ブレイズドラゴンをバラバラにすることが出来た。

 だが、ハニーハントは真面目が過ぎた。
 ブレイズドラゴンの鍛え上げられた半裸に対し、「えっち」ではなく「ビューティフォー……」と尊敬さえ覚えてしまった。

 また、「解毒のために服を脱ぐ」という行為を「えっち」ではなく「治療」だと考えられる良識も、今回は足を引っ張ってしまった。

 結果として、ブレイズドラゴンを即死させるには至らなかった。

 致命傷、ではある。

 遠からず、ブレイズドラゴンは死ぬ。

 ハニーハントとブレイズドラゴンの戦力差を考えれば、それは紛れもなく下剋上であり、ジャイアントキリングであり、偉業である。

 だが、ハニーハントは勇者志望ではない。

 女王のために刃を振るう兵士であり、ブレイズドラゴンは彼女にとって、排除すべき強敵Aに過ぎない。

 クィーンを生存させるための障害は、まだまだ多い。

 ここで死ぬわけにはいかない。

「——っ!」

 ハニーハントは幸運だった。

 追撃するか、撤退するか。
 咄嗟の二択で、正解を引き当てた。
 冷静な判断によるものではない。無我夢中の中で、偶然にも選んだ一手。

 全力で、後ろに下がる。
 魔法少女の脚力を生かし、反動でアスファルトに罅が入るほどのバックステップ。

 ハニーハントが咄嗟に選んだのは、撤退だった。
 致命傷は与えている。もはやこの勝負はハニーハントの勝ちであり、トドメの一撃で幕を下ろせる。
 そんな風に考えることだって出来た。

 そして、そんな風に考えていれば

 轟ッ!

 ハニーハントが今この瞬間まで立っていた場所が、——爆散した。
 地雷でも埋められていたかのように、アスファルトが粉々に砕け散り、コンクリートが混じった土煙が、高く立ち上る。

 衝撃波じみた爆風がハニーハントを直撃する。
 熱と風に翻弄されながら、ハニーハントは、視界が一気に開けたことに気づいた。

 割れたホッケーマスクが、風に煽られて飛んでいく。

 素顔(変身態ではあるが)を晒したハニーハントは、数メートルほど吹き飛ばされ、ショーウィンドウのガラスに叩き込まれた。

 ガラス片と共にブティックの床に転がり、ハニーハントは苦痛に呻く。

 技を当てられた、わけではない。

 ブレイズドラゴンが放ったのは踵落としだ。

 それを咄嗟に躱したハニーハントは——その余波で、仮面を割られ、吹き飛ばされ、ダメージに苦しめられている。

 致命傷を、与えたはずである。

 だが、心臓に銃弾を浴びた羆は、数分間の活動を可能とする。

 そして、その状態であっても、人間が素手で羆に勝つことはできない。

 致命傷を与えた——それは、ハニーハントの生存を、何ら約束しない。

「化物め……!」

 ハニーハントは毒づき、この地で新たに獲得した魔法——自らの分身体を生み出す魔法を使い、ブレイズドラゴンにけしかけた。

 勝つための魔法ではない。
 少しでも逃げる確率を上げるための魔法である。

 ブレイズドラゴンが死亡するまでハニーハントが生存している——そんな『奇跡』を掴むための手段である。

 雀蜂に群がる蜜蜂のように、分身体はブレイズドラゴンに向かっていく。

「邪魔じゃ」

 ブレイズドラゴンは、がばりと口を開いた。

 そして、『気を吐く』。

 威勢のいい言葉を吐いたり、やる気のある姿を見せること。

 それは、人間の話であり、ブレイズドラゴンにとっての『気を吐く』とは。

 ——口内から発射される、気を媒介とした火炎放射である。

「っ、あああああああああああああああああ!!」

 ハニーハントは、チェーンソーを投げ捨てた。
 少しでも身軽になるために、少しでも遠くに逃れるために。

 ブレイズドラゴンに群がっていた分身体は、一瞬で火達磨になる。

 三階建てのブティックは炎に包まれ、火柱と化す。

「カッカッカ……」

 ブレイズドラゴンは高らかに笑った。

 龍は、依然健在である。

「嘘だろ……」

 ナイトメア★メリィの脳裏に、「絶望」の文字が過った。

 ブレイズドラゴンに弱点は無い——故に、その強者としての自負が、弱点である。
 メリィの策は、実のところ失敗していた。

 マギカロックを使った拘束は、首ごと切断という荒業で突破されてしまい。
 その後の毒攻撃(恐らくプアの魔法によるものと推測できるが)も、ハニーハントの一撃も、メリィの関与するところではない。

 メリィはあくまでインフルエンサーであり、情報強者であり——軍師や、策士ではない。
 軽犯罪は犯していても、荒事の経験など、殆どない。

 へけっ、と強がる余裕は、もう無かった。

 殺される、とメリィは気づく。
 相手はゲームの参加者であり、傭兵であり、米国とも協力関係を結ぶ強者であり——こちらに殺意を抱いている。
 このまま順当に行けば、メリィは死ぬ。

 猫耳の魔法少女のように、バーストハートのように。
 ——魔法少女部部長・アルセーヌのように。

◇

 いつの日のことだったか。
 部室で、メリィはSNSを更新していた。
 今季の覇権と目されているアニメのコスプレを撮り、自身のホームページにアップ。
 寄せられる賞賛の声で自尊心を見たし、「イナゴ乙」「にわか乙」と現れたアンチとレスバを開始する。
 魔法少女として強化されたフィジカルは、人知を超えた高速タイピングを実現させ、意気もつかせぬ怒涛の長文レスをアンチにぶつけ圧倒的物量と速度の波状攻撃で相手を叩きのめす。

「メリィが本気出したらお前のアカウントハッキングすることだって出来るんだからな、へけっ!」

 額に青筋を浮かべながら、メリィはリズミカルにキーボードを叩く。


「やめておきたまえ」

 と、その肩を叩いたのは、魔法少女部部長・アルセーヌであった。

「貴重な青春を、空虚な喧嘩で浪費するなんて、もったいないと思わないかい?」

「どいて部長、そいつ殺せないっ!」

「落ち着きなよ、怒りで我を忘れるのは君の悪い癖だ」

 メリィは渋々キーボードから指を話す。

「で、何の用なのだ? メリィは聖戦で忙しいのだ、へけっ」

「用というほどのことではないんだけれど、メリィに依頼したいことがあってね」

「依頼?」



「うん、風の噂で面白い話を耳にしてね。
 とある聖遺物の話なんだ」

「聖遺物? ロンギヌスとか聖骸布みたいな奴のことなのだ?」

 部長・アルセーヌはそういうオカルトめいた話が好きだ。
 本当に好きなのか、あるいは「怪盗系魔法少女」というロールプレイングに過ぎないのか、メリィには分からない。
 特に、そこを探ろうとも思わなかった。

「ああ、とある聖遺物が——魔法少女に埋め込まれた、という噂さ」

「埋め込まれた? 改造手術でもされたってこと?」

 思っていたよりきな臭い話に、メリィは眉を顰めた。
 ハッキングなど軽犯罪はいくつも冒しているメリィだが、組織的な巨悪と戦ったこともなく、戦う気も無い。

 魔法少女に聖遺物を埋め込む——どう解釈しても猟奇的で、メリィの立ち入れる領域では無いように感じた。

「もしかして、部長はそれを盗もうとしているのだ?」

「……手に入るなら、それに越したことはないかな」

「危ない橋は渡りたくないのだ」

「大丈夫、ちょっと調べてくれるだけでいいからさ」

 魔法少女に埋め込まれた聖遺物。
 その後。1時間程かけてネットの海をダイブしたメリィは

「調べた結果……よくわかりませんでした。いかかでしたか?」

 と結果をアルセーヌに伝え、再びレスバへと戻って行った。

 何てことのない日常。
 魔法少女部の、活動の一ページ。

 今はもう居ない部長との、思い出。

◇

 メリィの足は、自然と其処へ向かって行った。
 勝算があるわけではない。
 確信も無ければ、考察すら無い。

 ただ、死ぬまで無為に過ごすことは御免だと、そういう思いで足を動かす。
 ブレイズドラゴンへ向かうわけではない。
 メリィの攻撃では、ブレイズドラゴンに痛みを与えることすら出来ないだろう。

 ハニーハントや、クリックベイトと合流するわけではない。
 今更メリィが加勢したところで、結果は変わらない。
 預けられる策も無ければ、支援できる情報も無い。

 ふらふらと、メリィは歩みを進める。
 美少女然とした体躯には傷一つ無いが、心はとっくに折れている。

 導かれるように、メリィは其処へと足を進め、辿り着いた。

 少女が、死んでいる。

 バーストハート。本名、桐生ヨシネ。一子相伝の拳法を身につけた、無頼の魔法少女。

 死亡時に変身を強制解除されたためか、その死体は粒子化することなく、残っていた。

 ——死んでいる。

 素人が見ても、一目で死んでいると分かる。
 何しろ、上半身と下半身が千切れかかっている。
 まき散らされた血と臓物は放射状に広がり、噎せ返るような臭いを漂わせていた。

 普段のメリィなら悲鳴を挙げるような惨状。

 メリィは——その場に跪いた。

「助けてください……」

 平和に生きていた少女が、突如殺し合いに放り込まれた。
 恐怖を懸命に押し殺し、自身が魔法少女の中でも突出して弱いことから目を背け、自身の魔法に縋り、必死に余裕を保とうとしていた。

 たった六時間で、超然としていた部長が死んだと知ったとき、メリィは叫びそうになった。しかし、仲間の前でそういう素振りは見せず、さも自分がこのゲームのキーパーソンであるかのように振る舞い、懸命に自らのキャラクター性を保ってきた。

 ブレイズドラゴンに全てを壊され、メリィも守っていた虚飾は剥がされた。
 死の恐怖に怯える、どこまでもちっぽけな、14歳の少年が、そこにはいた。


 メリィは、神に縋った。

「助けて、助けてバーストハート……部長……」

 もしかしたら、とっくに気が触れていたのかもしれない。
 今は亡き部長の言葉を断片的にリフレインさせながら、メリィは懸命に、バーストハートの遺体に祈る。

 自分の行動にどんな意味があるのか。メリィ本人ですら、まるで理解できていない。
 ただ、涙を流しながら、一心に祈る。

「助けてください……誰か、助けて……」

 救いの手は、来ない。
 ブレイズドラゴンを御せる魔法少女は、この周囲には存在しない。
 どれだけメリィが祈っても、死体は何も返さない。

「このままじゃ……僕も……みんな、殺されちゃう……」

 既に、二人死んでいる。
 動く様子を見せないプアも、炎に包まれたハニーハントも、時間の問題だろう。
 姿を消したクリックベイトも、メリィも、ブレイズドラゴンの手にかかれば、いつでも命の火を吹き消されてしまう。

 ——今この瞬間にも、ブレイズドラゴンが僅かにでもその気になれば、メリィは死ぬ。問答無用で、碌に抵抗も出来ずに死ぬ。

「誰か守って……ブレイズドラゴンから、僕らを……」

 ——上腕に、痛みが走った。

 掴んでいる。
 バーストハートの腕が、メリィを掴んでいる。

「ひっ——」

 恐怖でメリィはのけ反ろうとし、しかし腕を掴まれているため、腰を抜かすことしかできなかった。

 虚空を見つめていた死相が、両目を見開き、メリィを凝視している。

「し、死んだはずじゃ……」

 バーストハートは、確かに死んだはずである。例え不死身の魔法少女といえど、変身を解除されてしまえば、死ぬしかない。
 ブレイズドラゴンの技は、そういう技であった。
 理不尽を、更なる理不尽で蹂躙する、そういう奥義であった。
 故に、バーストハートの死は、揺らぐことは無い。

 が、現に今、バーストハートはメリィの腕を掴み、強い意思が籠った瞳で、メリィを見据えている。

 そして、死体であったはずの口が、ゆっくりと動いた。

「——今、『ドラゴン』って言った?」

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