(投稿者:マーク)
1944/11/16 バストン大陸北部
「はっ!!」
掛け声とともにレヴィアタンを振り下ろし目の前のウォーリアの頭を叩き潰す、
「せいや!!」
そのまま激しく演舞のように振り回し飛び掛るGたちを弾き飛ばし牽制し、息を整えるがそこに上空から急降下してきた
フライの大群が襲い掛かる
(回避・・・いや、間に合わない・・・)
フライの大群を見つめながら冷静に分析するティア
(なら・・・・)
背中から黒い翼のようなエネルギー体が発生しそれは一瞬でティアを包み込み黒い球体になる
かまわずG達は殺到する、瞬間球体の表面から数え切れないほどのとげが出現し突っ込んできたGを串刺しにする
一度加速のついた群れは簡単にはとまれない、先頭が事態に気がついてとまろうとしても後続に押されなす術も無く串刺しにされてゆく
「インヴィディア・・・・形態解除」
そうつぶやくと同時に一瞬にして球体にへばりついてたG達亡骸ごとが吹き飛ばされる
ティアの身体には不似合いなほど大きく、禍々しい片翼、それはまさに悪魔のもつそれであった
「形態変化、デスサイズ」
Gが飛び掛る暇も与えず再びその片翼「インヴィディア」が彼女の持つ戟にまとわりつき刃を形成する。瞬く間に戟は死神の鎌となる
「バラッバラにしてあげる!!」
ティアは巨大な刃を持つそれを軽々と振るう、それは意思を持つかのように刃が枝分かれし生き残っていたGの命を刈り取ってゆく
そこでようやく一息つき高台にあがると腰に下げていた双眼鏡であたりを見回す
彼女の相棒はどうやらアタリを引き当てたらしい、周りには雑魚はおらず人型をしたGと交戦中のようだ
彼は一瞬こちらをみるとうんざりした顔で睨み返してくる、
今回の二体のターゲットのうちの一匹は今、彼が相手にしている、ならばもう一匹は・・・・
ボコリ
突如自身の足元がかすかに隆起し、なにかのあごが飛び出す
とっさに横に飛ぶと巨大なGが悠然と姿を現した
青い甲殻に長大な身体を持ち「ドラゴン級」と称されるG
センチピード
そいつは挨拶代わりにその口からどす黒い、瘴気の塊を息吹のようにティアにむけて噴射する
「くっ」
ティアはそれを避けながら緊急用の防瘴マスクをつける、直撃を受けなくてもあんな高濃度の瘴気を撒かれてはメードといえどただではすまない
レヴィアタンを叩きつけ、槍状に変化させた翼を突き刺すがその傷は異常なまでの早さであっという間に治癒してゆく
(この異常な再生力は間違いなくスポーン・・・・・ターゲットのうちの一匹・・・・!!)
「ふん、無様だなティア」
その声と共にセンチピードの頭部が切り落とされ、ティアの隣に青年が降り立つ
ショーテルについた体液を振り払い油断なく剣を構える
「うるさいキザ坊は黙ってて」
ティアもレヴィアタンを片手で、翼を身体の左側を覆い盾のように構える
「・・・・オレがキザ坊だと・・・胸なし女が・・・」
そういいながらブレスをかわしまぎれこんだワモンを縦に切り裂く
「ダレが胸なし女よ!?・・・この早○男!!」
尾による攻撃を飛び上がってかわすとすかさず悪口を返す
罵倒の嵐、無論戦いながら、それも無意識にお互いの隙を補うようにしているのだから恐ろしい
痺れを切らしたのかセンチピードは瘴気ブレスを最大出力で吐き、二人を分断すると、ティアの退路を断つようにその長い身体でとぐろを巻くようにティアだけを囲んだ
(誘導された!?)
気づいたときにはすでに自身の周囲はセンチピードの巨大な身体に覆われた
観念しろとでも言っているのか瘴気の混ざった涎をたらしながらギチギチと顎をならす、それに呼応し各所の連結部分から顎を打ち鳴らす音と共に涎のような液体がダラダラと滴り落ちる
「ふふふ・・・」
この絶望的な状況のなかティアは笑っていた、ちょうどいい“アレ”を試せる
「インヴィディア形態変化・・・・・・」
センチピードは突っ立ったティアをその顎で捕らえんと襲い掛かる、それと同時にとぐろを狭め逃げ場をなくす
「“蛇竜(ニーズホッグ)”・・・・・」
その言葉が響いたとたん一瞬でセンチピードの頭部が“喰いちぎられた”同時に身体もなにか鋭利なもので切り裂かれ体液が噴出す
センチピードは苦悶の声を上げながらとぐろを解き後退する、回復不能と判断された頭部を担うターマイトが群体から捨てられ、それを新たな頭部となったターマイトが喰らう
ティアはその場から一歩も動かなかった、アベルはというと生きていたらしい彼のターゲットと交戦中
ティアの背後には一匹の巨大な黒蛇竜が控えていた、凶悪な牙と細長い爪を持ち右翼しか持たぬ竜、下半身に脚はなくその長い尾で自身の主を守護するかのように囲っていた
「ニーズホッグ」、「インヴィディア」がほぼ実体化するほどの高密度エネルギー体であるが故にできるいわば奥の手、欠点と言えばエネルギー消費が激しいことか
だが試したかったのは“これ”ではない、ティアはレヴィアタンをまっすぐ、センチピードに向ける
センチピードは怒り狂ったようにティアめがけ突進する
(ちょうどいい・・・)
「“嫉妬竜(リヴァイアサン)”」
その瞬間、蛇竜の姿が崩れ高密度エネルギーはレヴィアタンを軸にしティアの左手を纏うように集まってゆき、先ほどの倍はあるだろう凶悪な竜の頭部となる
「・・・・・目を開けロ、せっかく“外”に出してあげたんだから」
イラつくように命令するとそのエネルギー体はまるで意思を持つかのようにカッと目を見開き、続いてガバッと口を開く、同時にそこに莫大なエネルギーが集まり始めた
センチピードは本能で危険を察知したのか突進をやめようとするがもう遅い
「“大咆哮(タイダルウェイブ)”」
この刹那、
グオォォォォォォォォォォン
すさまじい閃光とおたけびのような轟音と共に巨竜から吐き出されたエネルギーはセンチピードとその後ろにいた群れを一瞬で焼き払い、その灰すら焼き尽くした
「はは・・・・やった」
いつぞやのように急に力が抜けへたれこみそうになる身体に鞭打ち、ティアはGの焼け跡に向かう、あれだけの高エネルギーが宿主を焼いたにも関わらず、
目的の永核はクレーターに無傷で転がっていた。そのまま倒れそうになるのを誰かに受け止められる
「・・・ろ・・う!!・・・・・・・ちゃ・・・・やが・・・・・」
そのまま疲れでティアは眠り込んでしまった・・・・
最終更新:2009年03月24日 18:37