idea

(投稿者:Cet)



くたばってしまえよ

走り続けて
戦い続けて
苦しみ続けて

くたばってしまえよ

歩き続けて
這いつくばって
血反吐垂らして

くたばっちまえよ
くたばっちまえよ
何よりも先に
くたばっちまえば


■■■
■■■



 ジークフリートはバルムンクを振り下ろした。
「■■■」
 それが・の肩口から深く食い込んだ。
 袈裟切りに刃が振り抜かれた。
「■■■!」
 分離した上半身が崩れ落ちる。その間際振り回されるようにした・の鍵爪が、ジークフリートの頭部に振り下ろされる。
 乾いた金属音と共にジークフリートはそれをバルムンクの刀身で受け、更に刃をくるりと回転させて返した。
 瞬間・の頭部が上半身もろとも兜割りにされる。
「■■■」
 二つに割られた上半身が地面に落下した。間もなく、直立していた二本の足がくず折れる。
「■■■」
 半分に割れた顔面に埋め込まれたそれぞれの眼球が、何かを求めるかのように動き回っていた。
 ジークフリートはそれを見下ろしていた。
「■■■」
 目玉が動かなくなった。ジークフリートが剣を鞘に納める。
 そして視線を上げる。周囲には夥しい数のワモンがその骸を晒していた。一万は下らないだろう。どころか、二万、あるいは三万という数だ。
 ジークフリートはその瘴気に満ちた、死骸だらけの戦場で、空を見上げた。朝焼けが東の空に伺える。薄雲がその光を受けて、何とも言えない色を醸し出していた。
 散発的な砲声が聞こえていた。



 速く速くと鼓動が急かした
 俺はその声に従った
 ひどく速く遠ざかっていく声に追いつこうとしたのだ


 その声が聞こえなくなっていた
 だから代わりに叫んでいた
 呼び続けていた。


 何を呼んでいたのだろう
 それはもう分からなかった
 分からなかった


 ただ少しだけ救われた気がしたのだ
 燃えていく空が見えた、とても綺麗な光だった


 何かを叫んでいた
 だけどそれも何を叫んでいるのかが聞こえなかった


最終更新:2009年06月07日 22:48
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。