Prologue : ランナウト

(投稿者:Cet)



枯葉が落ちる
時は秋
秋は収穫の季節だ
楼蘭ではそれをトキと呼ぶ

いつの間にか日は傾いて
一人で土手の道を歩いていた
いつの間にか、誰もいなくなって
俺は一人で、誰かのことも忘れていた

世界中から忘れられても
俺だけは俺のことを覚えていられた

でも

俺が皆のことを忘れてしまったら
そうしたら、きっと俺は消えてしまうだろう


俺は走り出していた
頭の中で同じ歌を何度も繰り返している
どこまで行っても、同じことなのに
俺は走り出していた

今があればそれでいいのに
今走っていなければならないのは、何故だろう


走っていた
走り出していた



俺は誰かを失ってしまっていたんだ
だけど、それを取り戻す為に走り始める


最終更新:2009年11月15日 20:54
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