シュベツォフ Sv-5

(投稿者:迅鯨)

概要

ヴォ連空軍が1941年に制式採用した戦術戦闘機。開発はシュベツォフ設計局による。
小ぶりの主翼を装備し低高度の格闘戦に特化した極端な機体である。低高度域での機動性に限って言えば世界トップクラスである。
航続距離は極端に短いがこれは前線近くの飛行場から飛び立ち、味方地上軍の防空支援を主目的に開発されたためでありさほど問題とはされていない。
前線の未整備な滑走路からでも飛び立てるように大型の車輪をつけてるのは本機に限らず同国製機に共通する特徴。また冬季には橇に付け替えるため取り外しも容易になっている。
貴重な金属資源節約の観点から同機は重量増による性能低下を覚悟で木金混合構造を採用しており後部胴体は木製、尾翼は羽布張りとなっている。
一部を除けば全体としてそれほど高性能というわけではないが、「必要な時期に、必要な性能を備えた機体を、必要な数だけ揃えられる」ということが優秀な兵器の条件だとするならばSv-5はヴォ連空軍にとって時局に合致した優秀な機体であると言える。

主要諸元:
制式名称 Shvetsov Sv-5 Швецов Шв-5
機体種別 戦術戦闘機
機体形式 単発低翼単葉・引込脚
機体構造 木金混合構造
乗員 1名
全長 8.60m
全幅 9.20m
全高 2.46m
主翼面積 14.60㎡
発動機 サトゥルン VS105F 液冷V型12気筒1350馬力
プロペラ 可変ピッチ定速3翅
全備重量 2850kg
最高速度 605km/h(高度4100m)
航続距離 620km
実用上昇限度 10100m
武装 主翼12.7mm機銃×2、機首23mm機関砲×1
爆装 100kg爆弾×1 82mm対地ロケット弾×4 60㎜空対空ロケット弾×6
生産機数 約13000機
製作会社 Shvetsov OKB (Швецов ОКБ)

派生型

I-301(И-301) 1940年に初飛行した原型機
Sv-5K      45㎜機関砲を装備したモデル。試作のみ。
Sv-5T      軸内砲を撤去し後部座席を増設し胴体を延長した練習機型。小型の機体に無理やり後部座席をつけたため居住性は劣悪。
Sv-5TR      T型をベースに偵察機材を搭載した高速偵察機型。評価は芳しくなく少量生産に留まる。
Sv-5M      VS-107Aエンジン(1,650hp)搭載の現行生産モデル。
Sv-5PD     二段過給機付きのVS-107PDに換装し与圧室を装備した高高度戦闘機型。試作のみ
Sv-5MS     M型をベースに設計を一部見直し全金属機となったハイエンドモデル。
Sv-5RD      機体後部に補助ロケットエンジンを搭載した試作型。試験中に墜落。
Sv-5V      機内容積増量のため全面的に設計を改められた試作長距離戦闘機型。後のSv-9である。


関連項目





最終更新:2008年09月21日 02:39
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。