―二年前、アルトメリア大陸のある市街地
人の残骸や蟲の残骸で景色が変わった町の広場で、少女は蟲に包囲されていた。
少女にとって家族同然だった優男は既に少女を置いて逃げ、今頃はラジオでジャズでも聴いている事だろう。
少女は優男に言いつけられた通りに、救援用の通信機なしに広場を死守しようと奮闘していた。
同じく撤退していた兵士達の中には、彼女を助けようと奮闘したが、つい数秒前に全滅した。
今では蟲の晩餐として消化されたのだ。
「きりが無い………!」
長柄の斧で
ワモンを切り刻みながら、少女は指示への疑問を隠せずに居た。
既に何匹倒したか分からず、指示からとうの昔に1時間が経っている。
退路は既に無く、全方向からG達が迫り来る。
弾薬は歩兵達が遺して逝った物を回収し、それを最低限撃つようにしてなんとか補ってきた。
何度も長柄武器を振ったせいでもう刃の部分は壊れてもおかしくは無く、それを振った手が壊れつつある。
「まだまだぁ!」
少女は腕の痛みや疲労感に耐え、広場の中央に立つ。
少女は自分に言い聞かせていた。
直ぐに救援が来ると。必ず自分を助けに来ると言い聞かせていた。
しかし、来るのは少女も巻き込みかねない砲撃と爆撃。
そして通りに埋め尽くされたGの群れ。
少女を捕食しようと殺到する蟲の群れ。
また一つ蟲が頭を粉々にされる。
されど十の蟲がまだ沸いて出る。
それらを叩き潰してもまだまだ蟲が出る。
それらの蟲の死体が山になろうかと言う時、周囲の蟲すらも畏怖し始める何かが近づいていた。
少女が立っていた場所が轟音を上げていた。
その轟音は次第に大きくなり、少女の周囲に位置していたGは少女が居る場所を中心に有る程度距離を空け始めている。
そして、広場の石畳は崩れ、大穴を空けてその穴を作った主が少女の前に現れた。
それは2対の鎌や頑丈そうな顎を持ち、竜を連想させるような尾を持ちながらも、蟷螂のような足を持っていた。
そして、その正真正銘の化け物は、他のGよりもおぞましい何かを隠し持っていた。
To be Interval2"Devastator"……
最終更新:2008年09月20日 01:44