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  • 岸辺露伴は動かない-雛見沢- その①

自分用SSまとめ

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その①

最終更新:2011年06月11日 17:25

meteor089

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管理者のみ編集可

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その①

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1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 21:33:58.73 ID:R7cyGXHd0

世の中には知らないほうが幸せなこともある
誰にだって不幸は訪れるものだから

世の中には知らないほうが幸せなことが多い
私は普通の人より不幸なのだから

世の中には知らないほうが幸せなことしかない
私は世界一不幸な少女なのだから

              Frederica Bernkastel

君は知らないほうが幸せだ
なぜなら、結果はすでに記されているのだから

               Rohan Kishibe

2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 21:34:44.96 ID:R7cyGXHd0

  2007年12月


        • M県S市杜王町----


1Kのアパートの一室。一人暮らしだろうか?
そこは若い男の一人暮らしにしては片付いた小奇麗な部屋だった。

「ふぁーあ、もう4時か・・・昼寝にしては寝すぎちゃったかな」
むくりとベットの上で体を起こし、背伸びをした男は、時計をみて呟く。

まぁ、待ち合わせの時間まではまだあるし、軽くネットでもしようか。
そんなことを考え、その男はベットから出るとパソコンの置いてある机に向かった。
すると、机の上に置いた彼の携帯電話のランプが点滅していた。

おっと、誰かからメールか電話かな?
そう思い、彼は携帯電話を開いてみた。

不在着信有り
岸辺露伴

4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 21:35:45.27 ID:R7cyGXHd0

彼は広瀬康一、23歳会社員。
10年近く前、この杜王町で起きていた連続殺人事件を解決したスタンド使いの一人だ。
だが、そんな彼もいまや成人し大学を卒業。平凡な社会人としての生活を送っていた。
岸辺露伴というのは彼の友人であり、この話の主人公である。
そう、こんなに出だしから目立っている彼、広瀬康一は主人公でもなんでもないのだ。

康一と露伴は先の連続殺人事件の時からの友人だ。
といっても、露伴が勝手に康一を気に入っただけなのだが、康一もこの付き合いの長い友人を悪くは思っていなかった。
康一が社会人になってからは、月に1,2度は二人きりで飲みに出かけるほどの仲である。
最近では露伴が破産した際に、康一のアパートに住み込むという事件もあったのだが、今回はそこには触れないでおこう。

この日の待ち合わせというのも、2週間ぶりに飲みに行こうという露伴からの誘いであった。

5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 21:36:31.36 ID:R7cyGXHd0

露伴先生のことだから、急用ができたから待ち合わせを遅らせたいとかって電話なんだろうな。
まぁ、どうせ漫画のネタを思いついたからもう少し取材したいなんていう理由なんだろうけど。
あの人は約束は絶対に守る変なプライドがあるからな。今日飲みにいく事に変更はないだろう。
今回は奢ってくれるって言ってたし、絶対にドタキャンはさせないぞ。
まぁ、あんまり遅くなりそうなら、もう少し寝直そうかな?
そんなことを考えながら康一は着信履歴の露伴の番号に電話をかけるのだった。


とおるるるる とおるるるるる ぶっ
露伴『もしもーし?康一君かい?』
康一「あ、もしもし、露伴先生ですか?」
露伴『他の誰かに聞こえるのかい?君は僕の携帯にかけたんじゃあないのか?』
康一「もう、意地悪しないでくださいよ。ちょっと昼寝してて電話気づきませんでしたよ。
   何の用ですか?・・・っていうか電波悪いですか?変な音がしますよ?」
露伴『あぁ、今ね、新幹線に乗ってるんだよ。
   新幹線の中でも携帯って使えるんだな、便利なもんだ。』

15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 22:02:03.03 ID:R7cyGXHd0

康一「新幹線って、露伴先生どこにいるんですか?今日飲みにいくんですよね?」
露伴『先生はやめてくれって言ってるだろ?露伴でいいよ、露伴で。』
康一「はぁ・・・、で?どこにいるんですか?飲みに行くんですよね?」
露伴『あぁ、そうそう、それなんだが、中止にしてほしいんだよ。
   今度飲みに行くときは奢るから、今回は勘弁してくれないかい?』
康一「えーッ!今回奢ってくれるって約束だったじゃないですかぁ?
   僕が彼女と別れたんでクリスマス前にフられた男の気持ちを取材させてくれって言ってましたよね?」
露伴『いやー、次の読み切り用にどうしても取材したいことができちゃってさ。
   描くって決めたらすぐに取材するのが僕のポリシーだから、いま新幹線に乗ってるってわけさ。』
康一「人に思い出したくないことを取材するのにドタキャンなんてひどいですよぉー!」
露伴『はは、ごめんごめん。読み切り描き終わったら、一番に康一君に読ませるからさ。
   それと2回飲みにいくの奢るよ。それでいいだろう?』
康一「前みたいに漫画にヘブンズドアー仕掛けといて読んだ途端にっていうのはやめてくださいよー?」
露伴『しないよ、しない。今回はいいネタが思いついてるからおもしろい漫画が描けると思うんだ。
   期待して待っててくれよ。』
康一「へー、露伴先生が自分で描く前から言うなんて珍しいですね。どんな漫画描くんですか?
   取材に行く場所も気になりますよ。おみやげ、忘れないでくださいよ?」
露伴『おいおい、2回の奢りに加えて、おみやげまで要求するのかい?
   ヤレヤレだぜって言うやつかな。
   まぁ、わかったよ。でも、おみやげなんてなさそうな場所なんだよなー。
   雛見沢っていう場所なんだけど、康一君聞いたことあるかい?』

19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 22:18:36.89 ID:R7cyGXHd0

康一「名前くらいなら聞いたことがありますよ。
   なんだか数年前まで封鎖されていた村だとか、テレビでやってた気がします。」
露伴『康一君、社会人ならもっと勉強したほうがいいと思うよ?
   今から24年前、昭和58年の6月末に雛見沢村の沼から火山性ガスが発生して村が一晩で全滅。
   そのまま平成17年まで村は政府に封鎖されてたってわけさ。』
康一「24年前って言ったら、僕まだ生まれてませんよ!
   そんな事件があったなんて知らなかったです。でもそんな怖い話取材するんですか?」
露伴『怖い話だから取材するのさ。今回は大災害に関する漫画を描こうと思ってね。
   その他にも妖怪伝説のために雪国関係の取材がしたくてね。雛見沢って白川郷から近いんだぜ?
   まさに取材するのに打ってつけの場所ってわけさ。』
康一「あー、白川郷の近くなんですかぁ。僕も行きたかったなー。
   どうせなら連れてってくれればよかったのに。」

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 22:49:33.40 ID:R7cyGXHd0

露伴『おいおい、漫画家の取材ってのは観光じゃあないんだぜ?
   それに1週間くらいは泊まりで取材する予定だから、康一君は会社があるだろう?』
康一「一週間ですか?露伴先生にしては長いですね。
   このまえは海外に取材に行くって言ってたのに3日で帰ってきたじゃないですか。」
露伴『あれは、取材するものがひとつしかなかったからね。観光じゃあないって言ってるだろ?
   今回はさ、大災害に雪国に、もうひとつ面白そうな話があるんだよ。
   そいつはちょっと聞き込みとか取材が大変そうなんで1週間行く事にしたのさ。』
康一「へぇ、もったいぶらないでくださいよ。なんなんですか?その面白そうなことって?」
露伴『インターネットの風説でしかないけどね。
   34号文書とか、竜宮礼奈説とかって検索すれば出てくるよ。
   まぁ、漫画家の僕としては「オヤシロさまの祟り」って言い方が一番そそられるけどねぇ。』

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 22:57:44.20 ID:YPpwzICE0

康一「オヤシロさまの・・・祟り・・・ですか?」
露伴『そう、祟りさ。もし僕が取材から帰ってこなかったら』
ブツッ

ツーツー
康一『あれ?もしもし?露伴先生?電波悪いのかな?』
康一は携帯電話の履歴から再び露伴に電話をかけてみる。
しかし、彼の電話が露伴に繋がることはなかった。

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 22:58:31.10 ID:YPpwzICE0









岸辺露伴は動かない-雛見沢-









32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/18(火) 23:09:45.15 ID:kyb8+LnM0
        • 東海道新幹線客室内----


露伴『そう、祟りさ。もし僕が取材から帰ってこなかったら祟りってことに・・・
   ん・・・?トンネルに入ったのか。まぁ用件は済んだしいいか。』
それに、おもしろいタイミングで切れてくれたしな。
そんなことを考えながら露伴は携帯電話をポケットにしまった。

さてと、名古屋までは後どれくらいだろう?
名古屋からは行けるところまで電車で行って、今日はビジネスホテルにでも泊まるかな。
とりあえず電車に乗ってる間にもう少し「オヤシロさまの祟り」について考えておくか。
まだどこを取材するかきっちりとは決めてないしなぁ。

今後の予定を考えながら、露伴は新品のメモ帳を取り出した。
基本的に露伴は取材をしてもメモはとらない。話を聞いたときには漫画に必要なことは記憶されるからだ。
露伴はなんでもかんでもメモを取るやつが嫌いだったし、馬鹿なんだと思っていた。
だが、そんな露伴も今回の件にはメモが必要だと考えたらしい。まずは自分の知る情報を記していった。

露伴が思ったことをそのままメモに記していると、車内のアナウンスが名古屋への到着を告げる。

時間はまだ17時過ぎだったが、露伴は急激な眠気に襲われていた。
それもそのはず、昨日の夜にインターネットで雛見沢の話を見つけてから、露伴は一睡もしていないのである。
露伴は今日は名古屋のビジネスホテルに泊まることを決め、明日はレンタカーで岐阜に向かおうと計画するのだった。

56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/19(水) 00:01:31.76 ID:+QGfPvLE0

■TIPS
        • 露伴のメモ----
雛見沢に関する情報

現時点でインターネットの情報をまとめた上での、
推測ではない客観的事実はこのくらいかな

  • 雛見沢の住人が一晩で全滅した
  この件に関する不審な情報はいまのところ見ていない。
  おそらく親族に遺体などは引き渡されたであろうから、住人が全員死亡したのは間違いないだろう。

  • 雛見沢大災害の前日に少女Aにより雛見沢の学校占拠事件が起きている
  少女Aの名前は竜宮礼奈と噂されている。事実かはわからない。
  学校占拠事件は実在のもののようだ。
  この事件の発端として34号文書というものが存在すると噂されている。
  そんなものが実在するのかはまったく不明だ。
  だが、34号文書の内容に関しては妙に多くの情報が流れてる。ちょっと気になるかな。

58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/19(水) 00:02:56.35 ID:+QGfPvLE0

  • 雛見沢が20年以上も封鎖されていた
  ガス発生源の沼はコンクリートで埋め立てられているらしい。
  地質学的に意味がないという説があるらしい。
  それが本当かはわからないが、なんとなく正しそうに思える。
  そもそも埋め立てられた時期と封鎖の解除の時期があわなくないか?
  そう考えると、封鎖期間が不自然に長いって言うのも同意できるな。

  • 雛見沢で「オヤシロさまの祟り」と称される事件があった
  1979年にダム工事の現場監督が殺害される。
  1980年にダム賛成派の筆頭だった夫婦が事故で死亡。
  1981年にオヤシロさまを祀る神社の神主が急死(死因は病死)、妻が後を追って自殺したが死体が見つからない?
  と、3年連続で人が死んでいるらしい。
  しかもこれが毎年オヤシロさまを祀る「綿流し」という祭りの日に起きるらしい。
  たしかにこりゃあ祟りっぽいな。

59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/12/19(水) 00:04:27.48 ID:+QGfPvLE0

こっから下は事実かは怪しい内容
  • 34号文書
 鷹野三四(実在するかすら不明)という人物が書き残したスクラップ帳らしい。
 結論から言うと、鷹野三四が大災害の発生を予見している内容になっている。
 まぁ、この予見っていうのは火山性ガスが発生してないって話だからちょっと怪しいな。
 だが、この文章が実在するかすらわかっていないのに、この文書に関する情報は多い。
 かつそれらの情報に一定の統合性がある。内容は宇宙人とかの話でメチャメチャだが。
 実物を見つけるのは無理だろうが、調べてみる価値はあるかもしれない。

  • 以下は、34文書が正しいとした上での学校占拠事件の真相
 竜宮礼奈はこのスクラップ帳を見て犯行を決意。
 そして県警に対し、大災害を防ぐための調査を要求したということだ。
 まぁ、宇宙人がどうのこうのっていうのを信じるわけじゃあないが、
 次の日に大災害が起きているのは興味深い。


ここまで書いて思ったんだが、アホの仗助の友人に宇宙人を名乗るやつがいたよな?
ミキタカとか言ってたっけ。あいつもスタンド使いだったと思う。
オヤシロさまってのはスタンドかなんかなのかもしれないな。
宇宙人とか言われてるのも大災害も全部スタンドの可能性を考慮しとこう。

そういえば最近、承太郎からレクイエムとかいうスタンドの話を聞いたっけ。
そいつなら村ひとつを飲み込むくらいのスタンドパワーがあってもおかしくない。
でも、スタンドだったら承太郎に漫画のネタにするなって言われるんだろうなぁ。
承太郎には気づかれないようにしよう。


83 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 00:38:24.10 ID:+QGfPvLE0

        • ××県鹿骨市興宮----

康一が露伴からの不審な電話を受けた日から3日後。
白川郷の取材を終えた露伴の姿は、鹿骨市の図書館の中にあった。
鹿骨市というのは、雛見沢を含むかなり広大な面積の市である。
ここ興宮も鹿骨市に含まれており、鹿骨市の中心部ではないもののそこそこ栄えた街だ。
そしてなにより、雛見沢地区として封鎖された地域に隣接した街なのだ。
露伴はすでに興宮にホテルを取り、ここを拠点に雛見沢に関する取材をするつもりでいた。

84 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 00:41:50.28 ID:+QGfPvLE0

露伴がなぜ図書館に来ているのかというと、実に簡単な理由である。
雛見沢の歴史・風土を調べる場所として、雛見沢に最も近い街の図書館を選んだのだ。

露伴は初めて来た図書館のはずなのに、てきぱきと資料を集め、必要な情報をメモ帳にまとめていく。
露伴のことを何も知らない人がみれば、まるで民俗学の学者か何かにでも見えるだろうか。

そんなとき、二人の男性が露伴のいる郷土資料のコーナーに入ってきた。
この二人の男性がどうにも不自然な組み合わせなのだ。
一人は体格のいい初老の男性。
もう一人は80は過ぎただろうか?まさにおじいさんと呼ぶに相応しい男性だった。

95 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 00:58:58.93 ID:+QGfPvLE0

露伴は二人が入ってきたとき違和感を覚えたが、取材の邪魔をしなければいいと思い調べ物を再開した。
しかし、露伴の希望が叶うことはなかった。なんとその二人は雛見沢に関する本を必死に読み調べ始めたのだ。
露伴は世の中気に入らないことだらけだと思ったが、すぐに新しい違和感に気がついた。

その違和感とは、この二人の調べる様子であった。
最初は昔を懐かしみに来た父とその介護をする息子かと思った。
しかし、彼らの様子は過去を懐かしむ様子などまったくない。
まるで刑事が過去の犯罪者リストを洗うかのような鋭い眼差しで本を読み続けているのである。

97 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:02:42.45 ID:+QGfPvLE0

この二人はおかしい。もちろん雛見沢を調べる人間なんていくらでもいる。
この図書館にだって、年にどれだけのオカルトマニアが雛見沢を調べにくるだろうか。
しかし、彼らは違う。年齢からしてもただのオカルトマニアとは思えない。
なにより、彼らの眼光の鋭さが言っている。彼らは自分以上に雛見沢の何かを知っている。
そしてそこに残る秘密を解き明かそうとしているのだということを。

露伴は意を決して話しかけようと考えた。
初老の男性はなんとも言えない迫力を持っていたが、同時に誠実さを感じさせている。
露伴はこの初老の男性に話しかけることにした。

104 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:09:13.78 ID:+QGfPvLE0

露伴「あー、すみません。ちょっといいですか?
   僕、こういうものなんですが、地元の方ですか?」

そう言って露伴は名刺を差し出した。

男性「あ・・・いえ、私は地元の人間ではありませんよ。
   漫画家さん・・・ですか?」
露伴「えぇ、漫画の取材で来てましてね。
   お話、聞きたいんですけど、隣いいですか?」
男性「いや、先ほども言いましたが私は地元の人間ではありません。
   取材なさるなら、他を当たったほうがいいと思いますが?」
露伴「いえね、地元の人じゃあなくてもいいんですよ。
   雛見沢・・・ご存知ですよね?」

112 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:17:08.99 ID:XyW8PcGB0

男性「ぇ・・・えぇ・・・名前くらいは・・・」
露伴「名前くらい?そんなことないだろ。
   さっきからアンタの手元にある本、雛見沢に関する本ばっかりじゃないか。」
男性「いや、これはなんというか・・・
   お恥ずかしい話だが、私、オカルトマニアってやつでして・・・」
露伴「違うな。あんたは違う。
   さっきから怪しいんだよ、アンタら二人・・・」

   119 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:20:35.74 ID:XyW8PcGB0

露伴「いい歳した男が二人そろってオカルト研究か?
   そんなわけないね。あんたらの目が物語ってるよ。
   アンタらはただのオカルトマニアじゃない。雛見沢の何かを知っている。」
男性「・・・失礼な人だな。何も知らないし、あなたみたいな人に話す話はないですよ。」

露伴と男性の間に険悪なムードが漂い始めていた。
その時、もう一人の年老いた男性が二人に近づき、声をかけた。

老人「おんやぁ?雑談ですか?
   楽しそうですねぇ。赤坂さんはお若い人と仲がよくてうらやましい。」
赤坂「大石さん・・・、この方は取材をしているそうでしてね。
   僕は地元の人間じゃないので断っただけですよ。」
大石「そうですか、そうですか。そちらのお若いの、お名前はなんて言うんですかぁ?」
赤坂「大石さんッ!」

124 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:25:40.50 ID:XyW8PcGB0

露伴「岸辺露伴だ・・・」
大石「岸辺さん・・・ですか。下の名前変わってますねぇ。
   はて、どこかで聞いたことがあるような気もするんですが・・・」
露伴「・・・漫画家をしているんでね。
   芸能人ほどじゃあないが、名前は売れてるほうだと思うよ。」
大石「漫画家さんですかぁ。有名な方にお会いするのなんて光栄ですねぇ。
   あー、ちなみに私、ここらへんの出身なんですけど、どうです?取材してみませんか?」
赤坂「ちょ、大石さんッ!ちょっとこっちに・・・」

125 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:27:05.97 ID:XyW8PcGB0

赤坂「大石さん、だめですよ。あの漫画家、雛見沢について調べてるらしいんです。
   どうせオカルトマニアとかと一緒で興味で調べてるだけなんです。
   何も話さないほうがいいですよ。」
大石「赤坂さん、私もあなたももういい年だ。
   このままじゃ私が死ぬまでに大災害の真実を暴くっていうのも怪しくなってきました。
   私達ふたりの力じゃどうにもならないんですよ。」
赤坂「だからってあんな男を仲間にするなんて、僕は賛成できませんよ。
   というか、聞こえてたんですか?彼が雛見沢を調べてること。」
大石「おやおや、赤坂さんは大分相性が悪いみたいですねぇ。
   私はね、あの男から感じるものがあるんですよ。あの男なら必ず真実を暴いてくれる。
   そんな気がしてしょうがないんですよ。」

129 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:31:06.65 ID:XyW8PcGB0

赤坂「・・・」
大石「私達の次の世代に仕事を任せるっていう意味もありますよ。
   でもね、それ以上に、あの男なら今すぐにでも真実を見せてくれるような、そんな気がするんです。
   それに、昔にあの男に似てる人物に会ったことがあるような気がするんですよ。」
赤坂「・・・わかりました。大石さんがそこまでおっしゃるなら話してみましょうか。」
大石「んっふっふっ。すみませんねぇ、いつも折れてもらっちゃって。
   赤坂さんはお年寄りにお優しいですからなぁ。」

133 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:35:36.67 ID:XyW8PcGB0

赤坂と呼ばれた男は大石とやらをひっぱって何やらヒソヒソ話をしているようだった。
どうせ僕の悪口でも言ってるんだろう。大石ってやつからは何か聞けそうだったのにな。
まぁ、幸い図書館で人気もない。天国への扉(ヘブンズドアー)で読んじまうか。
露伴がそんなことを考えているうちに、二人の話し合いは終わったようだった。

二人が露伴に近づく。そして赤坂が話しかけた。
赤坂「あなたに私達の知るすべてをお教えしようと思います。
   ですが、ここではさすがに人目に触れる。私達の宿にいきましょうか。」

露伴はてっきり断られるものだと思っていたので拍子抜けだった。
うまく行き過ぎて何だか釈然としないものを感じながら露伴は彼らと共に図書館から出ることにした。


140 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:41:06.30 ID:XyW8PcGB0


■TIPS
        • 露伴のメモ----
オヤシロ様の祟りについて調べる上で、
オヤシロ様信仰というのがいつからあるのか調べてみた
その上で雛見沢についてのおおまかな歴史を調べられたので書いておく
ただ、オカルトファンが多いせいか雛見沢に関する本は少ないようだった
図書館の検索システムで検索すると残っている本もあったため、
近年処分、または閲覧不可になったようだ
図書館の職員に食いついてみるかな・・・

146 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:43:45.11 ID:XyW8PcGB0

雛見沢は昔から隔離された地域だったらしい
それがどれほど昔なのかは分からないが、明治以前からの風習のようだ
これにはオヤシロ様信仰が関わっているようである

オヤシロ様信仰に関する資料には矛盾なども見られるのだが、
村から出て行ってはいけない、村によそ者を入れてはいけない
という点についてはほとんどの資料に出てくる
そのため、この信仰がかなりの昔からあり、村は隔離された地域となっていたようだ
ただ、自分たちを仙人だと考えていた為にこのような考えを持ったという資料が多い
いけ好かない連中だったんだろうな

147 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:45:18.92 ID:XyW8PcGB0

その雛見沢の信仰のなかに、雛見沢の住人は鬼の末裔であるというものがあるらしい
近代になるにつれて、この信仰により雛見沢は別の意味で隔離された地域となったらしい
わかりやすい言葉で言えば差別部落だ
まぁ、自分達を仙人だとか勘違いしてれば当然だよな
自業自得ってやつさ

151 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:46:51.51 ID:XyW8PcGB0

このくらいまでしか雛見沢に関する資料ではわからなかった
あとは僕の知る知識だと近年にダム建設に反対する運動などに繋がっていくようだ
そしてそのダム建設の現場監督がオヤシロ様の祟りにあって死ぬ
オヤシロ様の祟りってやつは昔からの言い伝えに背いた者
つまり村から出て行った者などに起こるってことになってるらしい
だが、雛見沢の敵が死ぬっていう祟りは近年のようだ

一応僕の中では過去の祟りと、近年の祟りは別に考えておこう
近年の祟りはこのあとに書くが、スタンドの類の可能性があると考えられるしね

153 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:48:12.69 ID:XyW8PcGB0

オヤシロ様信仰と歴史を調べる上で見つけたことを書いておこう
村の中において権力をもった家が3つほどあったらしい
その3つの家による合議制で村の重要な事項を決定していたようだ
その家とは、公由家、古手家、園崎家の3つの家らしい
この3家の中での多少の力関係などもあったようである
その名残に、近代に入ってからは公由家から村長を出すしきたりになっていたらしい

158 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:52:11.68 ID:XyW8PcGB0

まぁ、そんなことはどうでもいいんだが
この3家の中で最もオヤシロ様の祟りに関係があるのは古手家だ

古手家は古手神社を継ぐ一族であり、
その古手神社こそが唯一のオヤシロ様を祀る神社なのだ
ちなみに3年目の祟りで神主が死んだという神社でもある
古手家の女子には奇妙な力があるとの資料があった

159 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/19(水) 01:52:49.88 ID:XyW8PcGB0

この力がスタンドだとすれば、この家系にスタンド使いが多いのだろうか?
スタンド使いが祟りを起こし、3年目には自分自身が死んだ?
妻の方がスタンド使いで夫を殺し、逃亡したと考えるのが妥当か?
いや、スタンド使いかどうかもまだわからないし決め付けるのはダメだな
とりあえず、この古手神社には行ってみることにしよう


21 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 19:49:45.65 ID:rAp5ChG90

露伴「えーっと、お二人が泊まっている宿っていうのはどこなんですか?」

二人が自分に話を聞かせてくれるとわかって露伴は敬語で喋るようになった。
赤坂はつくづく嫌なやつだと思ったが、大石ならこのくらい飄々とかわすのだろうと思うと、
自分は50過ぎになっても大石に勝てないのだなと痛感するのだった。

23 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 19:50:54.93 ID:rAp5ChG90

大石「興宮警察署ってわかりますかぁ?その近くなんですが。」
露伴「いえ、ここらへんに来たのは初めてなんで、ちょっと知らないですね。」
大石「ここからですとちょっと歩くんですが、タクシー呼びますか?
   それともそこらの警官に連れてってもらうってのもいいかもしれませんねぇ。」
露伴「冗談じゃない。僕は犯罪なんて犯してないんだ。
   警察に厄介になることはないですよ。
   もしかしてお二人、警察に厄介になるほど訳ありなんですか?
   興宮署にいったら、僕のお手柄だったり?」

24 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 19:51:35.17 ID:rAp5ChG90

大石「・・・む・・んっふっふっふっ・・あっはっはっはっ。
   いやぁー、岸辺さんはおもしろいことを言いますねぇ。」
露伴「そんなおもしろいジョークのつもりじゃなかったんだが、
   やっぱり老人とは笑いのセンスが違うのか?」

さっぱりわからない露伴はうっかりと敬語をやめ聞き返した。
赤坂はそれがおもしろかったらしく顔を背けて苦笑しているようだ。

87 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:31:56.17 ID:rAp5ChG90

大石「あっはっはっ・・・ぃゃぁ、すみませんねぇ。
   露伴さんには自己紹介がまだでしたよね。
   こちら、警視庁の赤坂さん。部署とかは一般の方には秘密なんですって。
   警視庁さんってのもいじわるですよねぇー。」
露伴「へぇ・・・確かにいい体格だと思ってましたが・・・。
   で、大石さんは興宮警察署に勤めていらっしゃった刑事さんってところですか?
   それで僕が警視庁の捜査官と大石さんを警察に突き出すなんて言うからおもしろくて笑った、と。」
大石「おやおや、よくわかりましたねぇ。
   よければどうしてそう推理されたか聞かせてもらえませんか?」

89 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:35:57.33 ID:rAp5ChG90

露伴「推理なんてほどたいしたことじゃあないですよ。
   大石さんは部署は一般の方には秘密と言いましたよね?
   普通の人が一般の方って言い方をしますか?自分も含まれるのに。
   ここから大石さんが、赤坂さんにとっての一般の方に含まれない可能性が高いと考えました。
   警察関係者なら、興宮署の出身だったほうがジョークとしてはおもしろい。
   さらに言うなら、そうすると大石さんの警官に連れて行ってもらうという発言にも矛盾がありませんからね。
   ただそれだけですよ。別に確信も何もあったもんじゃないです。」
大石「なるほどなるほど、こりゃぁとんだ名探偵がいたもんですねぇ。
   ね?赤坂さん」
大石がなぜか嬉しそうな顔で赤坂に話をふったとき、
赤坂は偶然通りかかったタクシーを止めたところだった。

93 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:39:38.39 ID:rAp5ChG90

赤坂「さぁ、自分が助手席に乗りますので、お二人は後ろにどうぞ。」
大石「おんやぁ?まだ機嫌が悪いんですかぁ?
   仲良くしないといけませんよ。仲良く。
   私達は仲間なんですからねぇ。」
露伴「ちょっとまってください大石さん。
   私は取材してるだけで警察の方の仲間にされても困りますよ。」

露伴は苦笑しながら答えたが、大石は聞く耳も持たずタクシーに乗り込んだ。
露伴が赤坂のほうを見ると、赤坂はもう一度後ろを薦める仕草をしてから助手席に乗り込んだ。
どうにもできなくなった露伴が大石の隣に座るとタクシーはすぐに扉を閉めて走り出した。

99 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:45:45.54 ID:rAp5ChG90

車内に入って露伴はどうしたらいいものかと悩んでいた。
車内では運転手がいるため雛見沢に関することを喋るのを彼らは嫌うだろう。
だが、先ほどまで饒舌だった大石は車に乗ったとたんにパタリと喋るのをやめてしまったのだ。

露伴が何を話そうか悩んでいると赤坂が口を開いた。

赤坂「大石さんは、自分で運転してる車以外に乗るのは苦手なんですよ。」

102 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:48:53.30 ID:rAp5ChG90

大石「・・・赤坂さん・・・、あんまり老いぼれの過去を掘り起こさないでくださいよぉ?」
赤坂「何を言うんですか。僕らはこれから彼に全てを話すのでしょう?
   僕らの過去も含めて・・・。」
大石「おやおや、以外に仲良しじゃぁないですか。
   それじゃあ、お若い二人のお話をおいぼれは盗み聞きさせてもらいますかなぁ。」
赤坂「大石さんは・・・過去に部下を亡くされています。
   今から24年前、現役時代の大石さんが目をかけていた部下の方で、僕も知っている誠実な方でした。
   いつも大石さんの乗る車はその方が運転されていました。
   ある日、その車が行方不明になってしまったんです。
   勤務時間中にその運転手の方と一緒に・・・
   偶然にも大石さんは体調を崩してお休みをとられたときだったようで・・・
   それ以来、大石さんは人の運転する車がお嫌いなようでして。
   タクシーを使うと言って僕に目配せしたときは少し驚きました。」

103 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:50:24.05 ID:rAp5ChG90

露伴「・・・そうですか。
   するとお二人は・・・」
露伴がそう言いかけると、
大石は笑顔で露伴の肩を叩き、よくあるジェスチャーでシーッっとやった。
露伴が気づいたことを聞けばタクシーの運転手に不審がられると思ったのだろう。
笑顔は、運転手に聞かれてもいい内容を上手く話すから聞いていろ、ということだろうか。

104 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:51:50.45 ID:rAp5ChG90

赤坂「そのころにですね・・・。
   露伴さんは知ってますかね?雛見沢大災害。
   大石さんはその時の興宮署の刑事さんなんですよ。
   警察のほうも色々と大変だったようで、
   大石さんはなんで自分が定年を迎えるはずの翌年に起こらなかったんだ!
   なーんてぼやいてたそうですよ。」
大石「赤坂さん!
   そんな不謹慎なこと思っちゃぁいませんよ。
   岸辺さんが誤解されるようなこと言わないでください。」
露伴「ははは。赤坂さんもご冗談がお上手なようだ。
   僕はその当時4歳でして、ちょっと当時のことは知らないんですよね。
   最近、雛見沢の封鎖が解除されたってニュースで見たくらいですよ。」
大石「なるほどなるほど。そうですよねぇ、あれから24年も経っています。
   ここ興宮も変わってしまいましたしねぇ。ほら、あれが私達のホテルですよ。
   昔はあんな大きなホテルなかったんですがねぇ。
   雛見沢の封鎖が解除されてから、もの珍しさに来る人も増えたんですかねぇ。」

105 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:55:37.69 ID:rAp5ChG90

そんな話をしているうちにタクシーはホテルのロータリーへと入っていた。
タクシーが到着するとすぐに赤坂はフロントに鍵を受け取りにいき、
露伴は大石がゆっくりと車を降りるのを待っていた。
タクシー代は自分が出すと言ったのだが大石に断られてしまった。
露伴は一応、恩を売っておこうと考えたが、大石に一蹴されてしまう。
あとで高給取りの赤坂さんからもらうんで、私が払っときますよ。とのことだ。
あいつの財布から出るならそれもいいか、と露伴は考えるのだった。

その後、赤坂の元へ行き、二人の部屋に案内してもらう。


しかし、予想以上に大きい獲物が食いついた。
エレベーターの中で露伴はそう思い、嫌らしい笑みを浮かべるのだった。

106 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:57:08.37 ID:rAp5ChG90

大石達の部屋に入ると露伴が我先にと口を開いた。

露伴「先に聞きたいことがあります。
   なぜ私に話すつもりになったんですか?
   それとも、上手く嘘を教えて私を雛見沢から遠ざけようって魂胆ですかね?」
大石「おやおや、落ち着いてくださいよぉ。
   私達、そんなに悪者に見えますかぁ?」

露伴「・・・(赤坂はまだしも、あんたは悪役にしか見えない)」

108 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 20:58:20.18 ID:rAp5ChG90

大石「そんな怖い顔しないでくださいよぉ。お年寄りは労わるものだって言われませんでしたか?
   まぁ、座って座って。お茶でも飲みながらお話しましょうよ。
   長くなると・・・思いますよ?」

そう言うと大石は部屋の奥の椅子へと向かった。
赤坂もそれに続き、ホテルの備え付けのポットでお茶を煎れ始めた。

露伴は自分の思い通りに話が進まないのが気に食わなかったが、とりあえず椅子に座ることにした。

110 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:01:01.38 ID:rAp5ChG90

大石「何で話す気になったか?ですか。
   あなたに話すことを決めたのは私です。赤坂さんは反対していました。
   なので、私がお答えしましょう。
   といっても、たいした理由はないんですよねぇ。
   あなたが真実を暴いてくれそうだから、としか言いようがないんですよ。」
露伴「そんな理由では・・・あなた達の話を信用できませんよ。」
大石「まぁまぁ、最後まで聞いてくださいよ。
   それと、敬語じゃなくていいですよぉ?あなた、人のこと尊敬してないでしょ。
   そういう人はわかるんですよ、仕事柄ねぇ。
   ですので、無理に使わなくて結構ですよ。」
露伴「なんだか嫌味な言い方だが、お言葉に甘えるとするよ。
   それで?僕を信用させる何があるって言うんだい?」

113 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:08:24.25 ID:rAp5ChG90

大石「さっきのタクシーの中の会話でご存知かと思いますが、私は元警察官です。
   興宮署で刑事をしてました。まぁずっと興宮署に勤めていたものですから、
   雛見沢は所轄でしてね。大災害よりもずぅーっと前から知ってるんですよ。」
露伴「赤坂・・・さんは、警視庁なんだろ?雛見沢出身でもないらしいし。」
赤坂「私は入庁以来、警視庁に所属していますが、大災害の数年前に一度雛見沢を訪れています。
   それが今でも私が雛見沢大災害の真相を追っている理由にもなっているのですが、
   それはこのあとお話することになるでしょう。」

114 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:13:38.37 ID:rAp5ChG90

露伴「アンタ達が警察関係者で雛見沢とも縁があるってのはわかったよ。
   警察関係者しか知らない情報が聞けるかもしれないっていうのはわかった。
   だけど、僕を選んだ理由がないじゃないか。
   だったら、あんた達の話を信用することはできないじゃあないかい?
   (まぁ、それでも天国への扉(ヘブンズドアー)で裏をとりゃいいんだけどな)」
大石「そうですなぁ。あなたを選んだ理由をはっきりと言うことはできませんなぁ。
   私の直感としか言いようがないですからねぇ。
   でも、私達が知る全てをあなたに教えるつもりだということなら、証明できますよぉ?
   赤坂さん、アレ、持って来てますよね?」
赤坂「持ってきていますが・・・いいんですか?いきなり見せてしまっても。」
大石「いいですよぉ。どうせ私らの仲間になるんですからねぇ。んっふっふっふっ。」

大石が嫌な笑い方をすると赤坂は諦めたのか、自分のカバンから何かを取り出すのだった。

116 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:17:14.75 ID:rAp5ChG90

赤坂は取り出したそれを露伴に差し出す。
露伴は受け取るが最初はただの古びたノートにしか見えなかった。
露伴「中を見ても・・・いいんだろう?」
大石「えぇえぇ、いくらでも見てください。お仲間になるなら、写してもらっても構いませんよ。」

そう言って大石は赤坂に目配せをする。

赤坂「それはインターネット等で俗に、『34号文書』と呼ばれているものです。
   雛見沢について取材してらっしゃるのでしたら、ご存知でしょう?」
露伴「知っているが・・・これが本物・・・?
   たしかにノートの劣化を考えると大災害の頃のノートとも考えられるが・・・」

119 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:22:30.85 ID:rAp5ChG90

赤坂「それは雛見沢分校篭城事件の際に、犯人の少女Aから押収されたものです。
   押収された直後の大災害のゴタゴタで行方がわからなくなっていたものを、大石さんの後輩が発見してくださいました。
   我々が入手していることに関しては合法とは言えませんが・・・。」
大石「まぁまぁ、お堅いことは気にしちゃあいけませんよ。
   まぁ、岸辺さんには調べられないかもしれませんが、
   警察の記録を調べればちゃーんと本物だと証明できる代物ですよ、それは。」

露伴は親の仇であるかのように、そのノートを睨み付けながらページをめくる。
一見すれば狂気の科学者にしか見えないような構図だ。

124 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 21:31:24.27 ID:rAp5ChG90

大石「それが本物だって信じてもらえるのに時間がかかるようでしたら、お待ちしますよぉ?
   インターネットで調べ物がしたいなら、パソコンもお貸ししますし・・・」

大石がそう言いかけたとき、露伴がスッと大石の顔の前に手を出し遮った。
漫画家にしては綺麗でタコ一つない、柔らかそうな手だった。どこかの殺人鬼なら興奮するかもしれない。

露伴「いや・・・いい。信じよう。」
大石「おやおや、はやいですねぇ。いいんですかぁ?偽者かもしれませんよぉ?」
露伴「ここまで来て偽者を見せる必要性がない。
   僕がネットで言われる34号文書の内容を知っているなら、
   中身を見て偽者と気づいてしまうかもしれない。
   また、ネットの内容と完全に同じ偽者なら、僕はそんなものに価値を見出さない。
   そんなものをアンタ達が見せるはずがない。だから、本物だと信じるよ。
   これはどんなネット上の情報よりも詳細に書かれている。そしてネットの内容と矛盾がない。」
大石「んっふっふっ。やっぱり名探偵さんですねぇ。
   疑り深いところも、頭の回転が速いところも、名探偵さんです。
   推理小説みたいな漫画描いてるんですか?
   まぁ、詳しい話に入りましょうか。」



露伴はこのとき既に後悔していた。
こいつはただの取材にしては大きすぎる魚がかかったな、と。



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