【元ネタ】史実、ファウスト伝説、ゲーテ著「ファウスト」
【CLASS】
キャスター
【マスター】
【真名】ヨハン・ゲオルク・ファウスト
【性別】男性
【身長・体重】178cm・73kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具A
【クラス別スキル】
道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成できる。
キャスターは高名な錬金術師であり、あらゆる魔導器を作成可能。
陣地作成:C+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
工房より規模は小さいものの、極めて能率的な実験室を構築する。
【固有スキル】
探究:A
常に上を目指し星さえ掴もうとする無限の欲望と飽くなき好奇心。
学問に傾けば叡智を湛える賢者となり、享楽に傾けば数多の愉悦を貪る俗悪となる。
しかし尽きない欲望は充足を追求する程、却って永遠の欲求不満と言うべき空虚感を際立たせる。
悪魔憑き:A+
契約悪魔による「願いを叶える」という加護、あるいは霊障。
キャスターは無条件で幸運判定をパスし、特定の条件なくしては解決し得ない難題の解をも導く。
欲望を具現化する幼稚であるが故に強力な因果の補正だが、必然使い方を誤ると使用者どころか周囲の人間すら破滅させる。
欲望の制御ができない人物には使いこなせない高等スキル。
基本的に
キャスターに僅かでも関わった人間は大惨事が約束される。
黄金律(凶):B
人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命ではなく、信仰による金銭欲の充足を他者に与える
精神汚染。
キャスターの称する「無尽蔵の財貨」を信じた者に手形を与え、その者の財産の使用権を獲得する。
隣人を誑かす程度の嘘は時に、払底した国庫より湧き上がる泡銭をも作り出す。
召喚術:A-
過去、あるいは未来から霊体を喚起する魔術。
キャスターは通常の
使い魔は呼び出せないものの、悪魔や英雄と言った高級霊を自在に現世に召喚できる。
正確には自身の「劇場」から投影した贋作であり、そのものに迫る能力はない……が、その特性上、「壊れた幻想」によって召喚物に自爆特攻させる戦法が成立する。
なお、契約悪魔の現界はこのスキルに依存しない。
【宝具】
『魔宴交響楽団(ヴァルプルギス・ナハト)』
ランク:A 種別:対心宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:-
悪魔達の饗宴と博士が夢見た古典的神話世界が融合した舞台装置。
この舞台に誘われた対象は様々な役者や建物が乱雑に配置された情景に閉じ込められる。
この空間は対象の自己実現願望を写し出す心象鏡像であり、空想力豊かで大欲を抱くほどに舞台はより拡張され、毒々しく彩色されていく。
抵抗判定に失敗すれば対象の時間感覚は消失し、次第に酩酊と共に自我を肥大化させ、刷り込まれた偽りの人生を本物と思い込んでしまう。
この舞台は対象が抵抗判定に成功した時点で崩壊し、効果継続ターンに応じてダメージを与える。
都合の良い夢に耽溺した愚か者を死の微睡みに捉え、絶頂に至った瞬間に舞台から突き落とす悪魔の固有結界。
『時よ止まれ、汝は美しい(フェアヴァイレ・ドホ)』
ランク:C 種別:対魔宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1人
天上の序曲において天主が語った問答の答え。あるいは博士が到達した人生の意義。
発動と共に一条の光が地上へ降り注ぎ、レンジ内の一名を状態異常から解放し、強化状態を固定化する。
ここでいう異常とは魔術や契約あるいは既に発動してしまった呪い、精神的な汚染状態、先祖や伝聞によって受け継いだ宿業などを指す。
この奇蹟とは即ち、人が内に抱え込んだ「弱さ」と呼ぶものを昇華する、教会の聖人級の御業に匹敵する悪魔祓い。
しかし能力の殆どを契約悪魔に依存する
キャスターは、発動と共にサーヴァントとしての力を喪失してしまう。
【Weapon】
『光り輝く灼熱の鍵』
さるトロイア戦争の召喚を求められた
キャスターに契約悪魔が与えた礼装。
虚数魔術を行使する錫杖であり、地母神に連なる「香炉」へと触れることで英霊召喚さえも可能とする。
もっともこれは悪魔の言葉であり、それが全くのデタラメであるという可能性は否定できない。
【解説】
16世紀ドイツの神学博士(ドクトル)の一人であり、魔術史においては卓越した錬金術師として
ホムンクルス技術を数世代進めた人物。
年老いてなお膨れ上がる名誉欲と惰性で研究を積み重ねる様を自我を非常に強く鋳造した
ホムンクルスに「つまらない」と切り捨てられ実験中に爆殺される。
生前、マルティン・ルターから悪魔の力を得たと非難されていたことから、その最期は多くの文学に取り込まれ、ファウスト伝説が生まれた。
人生に満足できない野心家が一時の成功の為に魂と倫理を手放すという構図はファウストの死後200年後、ゲーテによって真に昇華されることとなる。
伝説において学問の限界と肉体の限界に絶望し自殺を図ろうする博士の前に悪魔は契約を持ち掛ける。
「この世の全ての快楽を以て、その魂を満たしてみせよう。それが叶えば死後に魂を貰い受ける」
悪魔の導きで青春の恋愛、宮廷の権力、美の追求と様々な人生を体験するも全て最後は悲劇に終わった。
百の年月の果てに己の憂愁を振り払った博士は万人の為の理想国家の建設に立ち向かう。
盲いた博士にもはや我欲の情動も悪魔の助力も必要なく、人々が互いに助け合う美しい国を思い浮かべながら絶賛と共に息絶えた。
悪魔は契約に従い博士を連れ去ろうとするが、遂に己の大欲を昇華した魂はかつて愛した女に導かれて天高く昇っていくのだった。
最終更新:2023年11月03日 23:00