フライング・ダッチマン

【元ネタ】伝承、『さまよえるオランダ人』
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】フライング・ダッチマン
【性別】男性
【身長・体重】193cm・67kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力E 耐久EX 敏捷E 魔力A 幸運D 宝具A-
【クラス別スキル】
対魔力(偽):EX
 『暴風艦獄』により、神霊レベルの魔術行使にすら耐え得るがダメージを無効化している訳ではないため物凄く痛い。
 しかしどのような責苦を受けようとも瀬戸際で正常な精神状態を保つライダーは強靭な精神力の持ち主なのか、精神的死すら神に許されなかった故なのかは定かでない。

騎乗:-
 騎乗スキルは『航海』スキルにより失われている。

【固有スキル】
荒天の船幽霊:B+
 海賊船ではなく幽霊船という特性上、神出鬼没のライダーは相手が『暴風艦獄』の勢力圏内に入るまで気付かれない。
 嵐の中においてのみ、同ランクの気配遮断の効力を得る。
 また、たとえ『暴風艦獄』の勢力圏内に入っても暴風雨や大波により五感が狂わされるため正確な座標の特定は困難。

航海:A++
 船の操舵技術。海のみに特化しているため、馬や戦車は乗りこなせない。
 ライダーの場合、長すぎる船上での生活により気象・地形ステータスの影響を無視して操舵が可能。

風除けの加護(偽):A
 『暴風艦獄』による暴風雨の中を自在に行動する、神より与えられた加護。
 正確にはライダー自身を宝具の「目」と定義し、彼を暴風雨の牢獄に幽閉する神罰。

単独行動:A+
 マスター不在でも行動できる能力。

【宝具】
『暴風艦獄(フライング・ダッチマン)』
 ランク:A- 種別:対軍宝具 レンジ:0~40 最大捕捉:400人
 現世と煉獄を彷徨うライダーの心象風景を帆船として結晶化した、固有結界の亜種たる神罰の牢獄。
 乗船した者の罪を絶えず浄化し続ける、海中にあっても消えぬ煉獄の炎と共に浮上し暴風によって新たな罪人を招き入れる。
 「最後の審判の日まで彷徨ってでも上陸する」というライダーの決意の涜神が概念として宿るこの宝具は破壊する事ができず、
 真名を同じくするライダーもまた、いかなる苦痛をもってしてもその霊核が破壊される事は叶わない。

『泡沫なる喜望の岬(カプ・デア・グーテン・ホフヌング)』
 ランク:E 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 海を彷徨い続ける呪いを解く試練である、7年に一度だけ許されるライダーの上陸行為。
 一度の聖杯戦争につき一度だけ『暴風艦獄』の機能を停止し、陸上に足を踏み入れる事を可能とする。
 解呪に必要とされる「乙女の愛」を求めてライダーは上陸するが、この宝具の本体はその呪いが解ける条件にこそある。
 その真の条件とは「他者による献身」―――かつてのライダーが嵐の海に置き忘れた、同胞たる船員を顧みる精神。
 全てを擲ってでも彼に恭順する覚悟やその行いこそが、帆船の牢獄を破壊する神の鉄槌となる。

【解説】
 近代のイギリス及び英語圏の伝承に登場する幽霊船、もしくはその船長たるオランダ人。
 航海の難所、喜望峰付近にて風を呪った為に、永久に海上を彷徨う事となった罪人。
 嵐の海にて現れるとされるそれは、キングジョージ五世を始め多くの船乗りが目撃したという。

 その船ないし彼にまつわる伝承は数多く存在し、北海においても同様の伝承が存在する。
 最も有名な伝承の一つとしては、オランダ人船長ヘンドリック・ファン・デル・デッケンのものが挙げられる。
 彼は船長として豪腕であったが同時に非情であった為、彼と彼の船についての出来事を正確に知る者は誰もいないとされた。
 船長はある時、長き船旅の末に喜望峰のテーブル湾にて風雨を凌ごうとした矢先に激しい向かい風に遭い、思わず彼はその風を罵った。
 日没後に船が「今夜中に湾に入るのか」と船長に尋ねると、彼は「最後の審判の日まで彷徨おうとも上陸する」と答えた。
 風はおろか神さえ冒涜した彼はその発言通り、最後の審判の日になるまで船と共に海を彷徨い続けるようになり、荒天の時のみ海上に姿を表すようになったとされる。
 この他にも、巨万の富を運んでいた、疫病が発生した、略奪・殺人が罷り通った、目にした者は不運な最期を迎える、等といった様々な伝承が存在する。

 これらの伝承はリヒャルト・ワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」の題材とされるに至った。
 同作品における船長は神罰によって現世と煉獄の間を彷徨い続け、贖罪の対価たる「乙女の愛」を求めて7年に一度だけ上陸できる者として登場する。
 ノルウェーの港に現れた彼は、同じくその港に避難してきたダラントにそのいきさつを述べ、財宝を送りある約束を交わした。
 その約束とは、ダラントの娘ゼンタを船長に引き合わせることであった。が、娘のゼンタは一足先に船長と出会い、一目惚れしてしまう。
 彼の不幸な境遇に同情を示す彼女は、自身に恋慕するエリックそっちのけで船長に思いを募らせた。
 そして父の手筈通りに船長に会うや否やゼンタは彼に貞節を誓い、父娘と船長はそれぞれの念願が叶うことに喜んだ。
 だが元来の恋人エリックはこれを良しとせず、後日再び海より現れる船長と会おうとしたゼンタに対しその「浮気」を責め立てる。
 その始終を船上より見届けた船長は「自分は裏切られたのだ」と失望し、港を離れるのであった。
 だがゼンタは船長への愛を固く誓い、それを高らかに叫びながら高台から海へと身を投げる。
 その瞬間、船長を乗せた幽霊船は「死」を得て沈没。ゼンタの純愛を得たオランダ人は彼女と共に光に包まれながら昇天したのであった。
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最終更新:2023年11月03日 22:58