ベヒモス

【元ネタ】旧約聖書
【CLASS】バーサーカー
【マスター】
【真名】ベヒモス
【性別】雄
【身長・体重】2.5m・3.5t ※身長及び体重は通常(四足歩行)時のもの。特性上、貯蓄魔力量に応じて体積を増大させる。
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力A+ 耐久EX 敏捷E 魔力B 幸運D 宝具A
【クラス別スキル】
狂化:C(A)
 敏捷と幸運を除いたパラメーターをランクアップするが、 言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。
 ベヒモスは野生的な行動原理がA相当の狂気に判定されるものの、人々の想念を汲み取った「殻」を被ることで例外的に制御が可能。
 もっとも、本質的に彼が人間の価値観を理解することは難しいため、意思疎通ができるとは限らない。

【固有スキル】
選ばれし者の贄:A++
 核が破壊され、現界不可になった時自動発動する、命の遺産の派生スキル。
 余剰魔力の範囲内で、ベヒモスに勝利した者に必要な物を作り出し、勝利者を依代に顕界させ続ける。
 本来はベヒモスが特定条件下で勝利した際に発動するスキルだが、
 絶命をもって聖杯への贄とする聖杯戦争という術式においてはベヒモスが敗北した際も発動する。
 ランクA++ともなればその恩寵は既に余人の抱えきれるものではなく、むしろ破滅を招く一種の呪いとなる。

無辜の怪物:A
 本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相をねじ曲げられたものの深度を指す。
 ベヒモスは原典における描写から「暴食の悪魔」として認識された事により矮小化。
 その結果、代行体たる『第五の日差し』を得てサーヴァントの枠に収まっている。

怪力:A+
 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

動物会話:A
 言葉を持たない動物との意思疎通が可能。
 価値観が自然界そのものなので、意図せずとも向こうから寄ってくる。
 陸生動物であれば、人間を除いた自分より格下の動物に命令を下すことが可能。

【宝具】
『第五の日差し(クリエーション・オブ・アニマルズ)』
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 象頭人身にして金属の如き骨を持った強靭なる肉体そのもの。
 中世において悪魔と貶められたが故に得た獣人形態であるが、霊基規模が巨大すぎるベヒモスはこの姿がなければサーヴァント足り得ない。
 「本来のベヒモス」から見れば生命視点を矮小翻訳するコミュニケーション用宝具とも言える。
 ヨブ記にて神の傑作と称えられる獣の代行体は最高級の耐久力・回復力を持ち、加えて神性のないあらゆる攻撃を減衰・無効化する。
 これを討つにはベヒモスを「本体」である大地そのものから切り離した上で、伝承防御を貫通しうる手段を用意するしか方法はない。

『見えざる砂漠(デンダイン)』
ランク:E 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0~40 最大捕捉:制限なし
 周囲から一定量のエネルギーを呑み干し、魔力の補給を断絶させるドレイン能力。
 この貪食性が発揮される間、ベヒモス以外の魔力の供給は不可能となる。
 厳密には英雄の象徴としての宝具ではなく、人々の想念を被ることで悪性精霊へ型落ちした陸の化身が抱く無尽の食欲が具現化したモノ。
 そもそもベヒモスはこの特性を攻撃と認識しておらず、事実、生存に魔力を必要としない動物に対して全くの無害。
 植物は一時的に枯れるものの、大地に還元されたマナによってすぐさま四季の転輪の如く繁茂する良くも悪くも精霊種らしい能力。

【解説】
 旧約聖書にて登場する神が天地創造の5日目に造りだした陸の怪獣。海棲生物たるレヴィアタンの対となる陸の獣の王。
 青銅や鉄の如く堅牢な骨格を有し、あらゆる草木を食糧として山々に与えられ、その茂みや沼に潜むとされる。
 その名前はヘブライ語で動物を意味する『ベハマー』の複数形が由来とも言われ、
 あまりの大きさのために、一頭しか存在していないにもかかわらず、複数形で数えられたとする説もある。
 川の氾濫にも怯まない四つ足の獣であり、カバや象をもとにした怪物だとも言われる。
 最強の生物レヴィアタンに対して完璧な獣とされ、神の傑作と呼ばれており世界の終末にはレヴィアタンと戦わさせられ残った体が選ばれしものに振舞われるという。
 中世ヨーロッパにおいては悪魔とされ、象、あるいは象頭人身として描かれる事が多く、悪魔としては暴飲暴食を司り、貪欲を象徴する。
 しかし七つの大罪が一つ「嫉妬」を担う悪魔へと至ったレヴィアタンとは違い、大罪に対応する悪魔としての格は与えられなかった。

【キーワード】
 「コモンウェルス」
 イングランドの哲学者トマス・ホッブズは著書として「ベヒーモス」を記している。
 彼は個々人が持つ生存の為の暴力性を預かり、秩序を提供する存在としての国家(コモンウェルス)を「リヴァイアサン」と表現した一方で、
 その国家を為す中核である国王を排斥したクロムウェル親子らの長期議会などがもたらした社会状況、
 すなわち個々人の暴力性が管理されない混沌とした状態を「ベヒーモス」と表現している。
 人間の価値を理解せず、自身の存続の為に周囲の魔力を蚕食するベヒモスは本質的には中立でありながら、混沌とさえも定義しうる。
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最終更新:2023年11月03日 22:55