ペンタグラムエキスパンション(ストーリー8)

そんなこんなで一晩が経ち、降りしきる雨も今は落ち着いた。シレモンを出発し反乱軍を討伐するため遺跡カリアインに向けての隊が編成された。 のだが…

「ちょっと… これだけの人数しかいないのかい? 反乱軍ってのはもっと数がいるって聞いてたと思うけど大丈夫なのかい?」
…人数は大隊を予想していたのだが小隊ほどの人数しかいない
これから反乱軍の待つカリアイン遺跡に向かうつもりなのだが、相手におびき出されるこの不利な状況でこの人数は、ギィもすこし心許ないようだ

「これはこれは… たった4人しか人材をよこさなかったルアルネの傭兵団の奴が何か言っているな…」
謁見時のあの問題発言をしたギィに嫌味を放つライツァー将。そりゃあ、人手不足で人材派遣してくれといったのにあの人数… 実質戦闘が得意なのはギィとギャシャールだけで、後の二人戦いでは役に立たない…
自分達の救援を無下に扱ったルアルネに対して良い印象は持てないのだろう… 自分達に難癖をつけてくるギィに向かって棘のある言い方をする。

「はん。レナド大将軍がお認めになったんだから、その事はもう良いんじゃないかい? けつの穴の小さい男だねあんた。」

「け…けつの…だと…! よくも、そんな下品な煽り文句が言えるな… 貴様らのその品性の低さに驚きを隠せん…!」
図々しい態度の上、その羞恥を感じさせるセイフを聞いて思わず顔を赤くするライツァーは負けじとギィに言い返す。それにしても複数形なのはやめて欲しい…

「男だったらそんな些細な事いつまでも気にするなっての…。上に立つものとして度量が足りないんじゃないかい?」
「じゃじゃ馬女が… せいぜい死なない程度に働け。お前のような人間は戦場で真っ先に死ぬタイプだからな。」
本来なら隊の指揮に行かなければならないが、そんなものをそっちのけで言い争いを始めた二人。ある意味、小規模なルアルネとハニャンの戦争だ…

「ライツァー将、おやめください 。ギィーラ殿… 気を悪くしないでいただきたい…」
上に立つものとして、あまりにも無様な言い争いにレフティスが慌ててギィとライツァーに割って入る

「ふん、いいさ。 それにしても、レフティス参謀は良く人間が出来てるねぁ。兄とは大違いだよ」
「この俺を愚弄してるのか!? 許さんぞ…!!」

「兄さん! 素が出てますって… ギィ殿もいい加減してください!」
必死にけんかを止めるレフティスとそれをそっちのけで言い合う二人。大丈夫なのか?

しかし、本当にこれだけで大丈夫なのか?数万居ると言われる反乱軍に対して100人とちょっとしかいない… とは言え、100人とちょっとと言っておきながら、鎧を着けた人間がこれだけの人数いると圧巻なのだが…
それに…

「レフティス! そこをどけ!! この女にはどちらが上か今一度わからせる必要がある!」
「っへ! 望むところだ あん時の続き… しようじゃないか!」

ああ… もう! 反乱軍そっちのけのこの二人… だめだ 早く何とかしないと…


あれから3時間後…、現在の場所はデタム平原… ダラス荒原を越えた先にある遺跡、カリアインへ進軍している。 言い争っていた二人も機嫌が悪そうだが特にこれ以上争う様子はない。
シレモンを出て、国王軍はヒッキー達を含めて馬に乗ってカリアインへ進行している。

あの時、シレモンでギィとライツァー将の喧嘩がヒートアップする中、レフティスの静止も聞き入れずに今にも武器を取り出しそうになったその時… 
まさかのレナド大将軍がその場に現れたのだ。

「…」
「…」

誰も信じられなかっただろう。本来が公務のため部屋にいるはずの王が目の前にいるのだ… 時が止まったように皆は固まっていた

アレだけ言い合っていた二人も流石にレナド大将軍の前では、一時休戦をするしかない… っていうか… あの狙い澄ましたかのようなタイミングで出てくるのは度肝を抜かる。 あれには誰だって戦意を喪失するはずだ。

「やっぱり、言葉に重みがあったよね…『ライツァー… 貴公に城を離れてもらいカリアインにて、おそらくは反乱軍の待ち伏せを迎え撃ってもらう事になる 多くの部下を失うかもしれん危険な任務… しかし、その様は何だ?』」

「アレ聞いて青い顔になってあのライツァー将が跪いた時には、どれ程あの人が怖い人間なのかよく分かった。」
謁見のとき恐ろしい強さを見せたあの「撃将」が、子供の不始末を謝る親の様に必死になって頭を下げたのだ… 

「ギィもかなり顔引きつってたよね それに『ルアルネの方… ギィーラ=ジルオスよ。 ハニャン連邦の中には他勢力を快く思わない者達も多い。彼らに対して、他勢力の印象がより悪くなる行動・発言は極力控えてもらいたい』って、レナド大将軍の発言を聞いて…」
「あんなに必死になって頭下げる謝るギィの姿を見るなんて、もう金輪際ないかも…」

若さに不釣合いな威厳を持つレナド大将軍の前に、頭に血の上った二人も借りてきた猫の様におとなしくなる。 
ギィは最初の謁見であの人を怒らせたみたいだが、その将軍の逆鱗に触れた自分が無事でいるこ事を未だに不思議に感じる。

「ええっと、本当に大丈夫なのかなぁ… 反乱軍で凄い数の人たちで構成されてるんだよね…」
とりあえずヒッキーは話題を変え今の雰囲気も変えようと、うつむきながら不安そうにギャシャールに話しかける。いくらなんでも、このままカリアインへ行くのは無謀のような気がすると…

「心配する事ないよ。 ところで、ヒッキーは酔いは大丈夫なの?」
確かに今更こんなこと自分が心配してもしょうがない。ギャシャールはヒッキーにいつもの酔いがないことに疑問を覚える。

「酔い止めをもらったから大丈夫。 ニーダさんは飲むのが少し遅かったせいか微妙に効き目が弱いみたい…」
指差す先には馬に乗ったニーダがいる。 あきらかに気分が悪そうにして青い顔をしている。

「いや、ニーダはどうでも良い。 ところで、カリアインはどれくらいの距離になるの?」
「森や川などの障害物の存在を考えますと大体四日は掛かります… 」
二人の喧嘩を止めるのに体力を使ったのか妙にぐったりしているレフティス。それでもギャシャールの質問に律儀に答えてくれる。 
この人… 天然だけど人一倍、皆に気を使っているんだろうな…

「おいおい!そんなに城を空けてて大丈夫なのかい? その間に敵に攻め込まれたら大変な事になるじゃないか!?」
ヒッキーがそんな事を思っていると、レフティスの声が聞こえたのか驚いたように先頭のギィが大声を出す。

「やかましい女だな… そんな事は貴様が心配するところではない。 言われたとおりの事だけをしておけ、どうせ戦う事しかできんのだろうが…」
「…今なんて言った?」
先ほどの事もあり、気が治まらないライツァー将はギィにまたまた棘のある言い方をする。 それをギィは少し怒りを感じさせる声で言葉を返す… 

「どうやら、その耳は飾りのようだな。 ニーダ殿の様に知恵の働かん貴様が物事を考えるだけ「無駄」だという意味で言ったんだ。 品性の欠片もなさそうな先ほどのセイフが良い証拠だ。」
「まだ言ってんのか! ホントにケツの穴小さい男だねあんた!!」
「き… 貴様…! ホントに女か!!」
燻ぶった炎が再燃し、また口喧嘩を始める。 勘弁してほしい…


「とりあえず、大丈夫です。 まあ、心配ではありますが…」
付き合いきれないレフティスは、もうそれを止めようとせず 律儀にも ライツァー将と言い争いに夢中のギィに一応は返答しておく。

「鎧男! すかし武者! 右野郎!!」
「きさまは子供か!  ええい… ルアルネの連中は皆こうなのか…!? 」

性懲りもなく喧嘩する二人。とりあえずは、レナド大将軍の影響で手の出し合うような喧嘩にはならないだろうが…
なんかもう… 「またか…」っと 今にも後ろからついて来ている兵士達のため息が聞こえてきそうだ。

そんなこんなで日も暮れ始める頃、ライツァー将の指示の元に適当な場所を選び野営する事になった。
言い争いで疲れきったライツァー将は兵士が建てたテントにさっさと入っていく。

ヒッキー達も小型のテントが割り当てられ、ギィがさっさとそれを組み立てる。
「あれ?ニーダさんは?」
「なんか、食事を手伝いに行くってさ… 張り切ってエプロンまでしてた。」
「まあ、数少ない活躍する機会だからね。張り切るのはしょうがないさ。」
ひどい言い様… ギィはニーダに恨みでもあるのか? 今までのことを考えると、ニーダに対して怒鳴っているか殴っている記憶しかヒッキーにはない。

(っていうか、今のところハニャンで一番印象が良いのはニーダさんじゃないかな…)
これから来る国の危機などをレナド大将軍に進言し、食事作りなどの雑務をこなしてくれるんだ… ハニャンの兵士にはありがたいだろう。

「そういえばギィさんは料理したりするんですか?」
「ああぁ! 何だって!?」

「ひ…」
「そんなに凄い剣幕で睨まなくても… ヒッキーが萎縮してるって… 料理が苦手なの?」

何が気に障ったかヒッキーには分からなかったが、もしかして料理が下手なのか?

「うっさいね! 料理くらい作れるわ! ルアルネ丼とか…」
「ルアルネ丼? 地方料理みたいなものかな… 食べてみたいかも」
「どんな料理なんですか?」

「…!!」
「ど、どうしたんですか!?」
突然、青ざめると膝が折れて四つんばいになるギィ。

「なんでもない… ただ私にとっての… うっ!!」
あの豪傑のギィがここまでオーバーなリアクションをするなんてルアルネ丼って何なんだ一体?地方料理はその地方でしか食べない食材、本来なら下手物と呼ばれる食材が使われている事が多いと聞いたけど…

「自分で話しておいてその反応って… まあ、何があったか知らないけど、今後一切この話はしないほうが良さそうだね。」
「ああ… おねがいするよ…」


「ところでギャシャールは料理したりするの?」
とにかくこの雰囲気を変えようと必死になるヒッキーは今度はギャシャールに料理の質問をする。その言葉に少し難しそうな顔をして答えくれる。

「おにぎり位しか作れない。基本は食堂でララモ定食とかを食べてたから… 炊事は基本、人任せ。 それに料理って難しいし苦手なんだ…」

「なんだ、そうなのかい。 で、ヒッキーは? 人に聞いといて自分は話さないなんてないよねぇ?」

「ええと、ヴァイラ教にいたときは炊事は自分でしてたから、ある程度は… ヴァイラ鍋って言って基本的には沼地が多いから底の泥を攫って蛭とか蛙とかをとったり… あと、木の上のいもむs
「ストップやめろ! だめゼッタイ!!」

とりあえずこれ以上はやばいと感じたのか言い終わる前に全力でギィに止められる。

「ちょww おまww テラ下手物食いwwww って… まさか、ヴァイラにさらわれたギーコードもそんなものを食わされて…」
「ヒッキー、この読み物がR指定になりそうだからもう良いよ… あと、ご飯は永遠に作らなくても良いから。」
聞かなきゃ良かったとうな垂れるギィとギャシャール。驚愕の事実に打ちのめされた彼女達はお互いの顔を見合うと大きなため息をつく。


「きちんと料理すれば結構おいしいのに…」

「僕…数年ぶりの戦慄を感じた。」
「このことは、ニーダにも伝えておくよ! いいね!」

初めてヒッキーのことを脅威に感じた二人であった。


夜が明け再びカリアインへと進行する国王軍とヒッキー達。空は相変わらず薄暗い雲に覆われ、曇り空から雨がぱらつく事もある。

「ウェェェェェェハハハハハハ!! 今日は絶好調ニダ!! 昨日の酔いが嘘の様ニダ! これも酔い止めの効果ニダ!! もう、酔いなんて怖くないニダ!!!!!!!
そんな天気などそっちのけでテンションの高すぎるニーダは、乗り物酔いがこない事を良いことに大声で叫ぶ。

「静かにするように言った方がいいかな?」
「まあ、良いじゃ何かい。距離離れてりゃあ大してイラつかないしね。 隣にいる兵士の人がかわいそうだけど。」
その兵士は特にはそんな素振りは見せてないが内心は相当、イラついているんだろうな…
ニーダが高笑いをする後方から薄暗い空を飛んでくる鳥が姿を現した。

「鷹が降りて… って何なんだあの大きさ?」
「人の数倍はあるんだけど…」

「アレは王城からの急使として使われる鷹です。あれによって離れた場所に手紙を飛ばしたりして情報の伝達を図っているのです。」
「鷹ってレベルじゃネーヨ。」
兵士の一人が鷹の運んできた手紙を手に取り、ライツァー将に手渡す。


「…反乱軍に特には動きはないそうだ。」
「それじゃあ、このまま前進してもかまわないんだね。この道を回り右なんて大変だからね。」
「ああ、獣は前進しか知らんというからな。」

「…!」
「…!」


「…また言い合ってる。」
飽きる事無くまた喧嘩を始めた二人を遠くから見つめるヒッキーは、呆れたようにポツリとつぶやく。
喧嘩すればするほど体力が消費されていくのに、あの二人といったら全く気にしていない。 それにしても、ギィもライツァー将もお互いに自分を隠さずに感情をぶつけ合っているのか、妙に活き活きとしている様に思える。

「あの二人はほっといて… カリアインまで、あと距離はどれくらいになるの?」
はなっから止める気の無いギャシャールは、隣を歩くレフティスに二人をそっちのけで質問する。
レフティスもあの二人の喧嘩を止めるのを諦め、何事も無いかのように答えた。
「特に障害も無ければあと2日ほどで着きます。」

二日間… お城のほうが少し心配だ。 反乱軍の動きがないとは言え、城を離れるのは正直気分のいいものではない。レフティスもそうだがヒッキーもその事が不安である。
「反乱軍はこちらの説得に応じてくれますかね?」

「…説得ではなく、討伐です。 相手が投降の意を表しても我々は彼らに刃を向けなくてはならない なぜなら、それは君主であるレナド大将軍の意思であるからです。」
ヒッキーの言葉に頭を振り、話し合いではなく争いに行く事をレフティスは伝える。 自分の君主の命令であるがやはり、この国の住人同士が争い合うのはつらい事なんだろうな…

「私はまだまだ未熟ですね… ライツァー将も思うところがあるのに、与えられた責務を忠実にこなそうとしておられる。 私は… 迷ってばかりだ…」
「それでいいんじゃない? 自分の掲げた理想としなくちゃいけない現実に板ばさみにされて苦しむのは誰でもあるよ… 自分の行動に矛盾を感じて、焦燥感に苛まれる」。 
遠い目になるギャシャールは突然、そんな事を話出す。普段は自分から話したりしないのにめずらしいなぁ… ララモ党にいた時にレフティスのような葛藤がやっぱりあったのだろうか? それでそんなレフティスを放っとけなくなったのか…

「僕の友達でこんなことを教えてくれた。 自分のその矛盾した行為に怯んで自分を見失うなって…」

(「自分」を殺し「自分」を亡き者にしろ。自分の名も亡き者にしろ 「名も亡き者」での、その非情な任務をこなすためには現世での全ての楔を絶ち、「自分」を捨てなければいけない。世間的に今までのお前は「死んだ」事になる。存在しなくなった事になる。) 
(でも… 自分を押し殺しても、自分だけは失うな… それこそ、「あいつ等」みたいな虚空の操り人形になってしまう。 これから先の平和の実現にはお前が必要だギャシャール。 だから…)

「ギャシャール殿?」
ララモ党のときの回想にひたるギャシャールにレフティスは心配そうに声をかける。

「どうかなさいましたか?」
「え? ああ… ちょっと考え事を。」
いつもとは違い、ばつの悪そうにそう答えるギャシャール

「それにしても友達ですか… よい事を教えてくださる方がいるんですね。私にはそんな人はいませんでした… 私の周りは階級に気を配るものばかりで、対等に話せる人はほとんどいません」
「…」

今になって考えれば、彼女にとってその「友達」というのが自分の心の支えだったのかもしれない。そう言う人物のいないレフティスの辛さは凄まじいものなのだろう。

「ねぇ… カリアインまでまだまだ掛かるんだよね? 暇だし、それまで話し相手になってくれる?」
「ええ、私などでよければ。」
少し放っておけないと感じたギャシャールは、そういうとレフティスと他愛もない会話を始める。


(なにあれ…!? 無愛想なギャシャールが仲良くお話してるニダ! ウリも…!!)
ニーダの心の中で変な対抗意識が生まれたのは言うまでも無い… おもむろにヒッキーにちかづくと彼に向かって会話をしようと提案する。

「ヒッキー!ウリたちは親友ニダよね!? 何かお話をするニダ!!」
「ニーダさん… そんなに対抗心を燃やさなくても…」
そのニーダのあまりにも必死な姿にヒッキーは冷や汗をたらしながら、苦笑いを浮かべる

「…寂しいニダ。 だから話をするニダ。 ヒッキーはヴァイラ教にいる前はどこに住んでたニダ?」
「え?」
会話というとニーダのことだから、一方的に喋られるものだと思っていたが、そうではなくヒッキーに対しての質問であった。
ニーダはニーダなりにヒッキーについて、親友としていろいろ知りたい事がある様子だ。

「生まれ故郷ニダ。 ウリはコンヴァニアのレ… じゃ、じゃなくて、ムルアが出身地ニダ。 美しさ気品の集う夢世(ゆめよ)のような芸術で溢れかえる聖域ニダ!ウリのようなエリートにふさわしい場所ニダ!ウェェェェェハハハハハハハ!!!」
「あ… あははは… 僕は… その… 分かりません」
「へ、分からない? 記憶喪失ニダ!?」

「いいえ。そんな大げさな事じゃないんです。 ちょっと昔の記憶があいまいな… ニーダさんだってあるでしょう? そんな感じです… だからそんな大げさにしなくても大丈夫です。」

「ヒッキーがそういうなら… ところでなんで、ヴァイラ教なんかに入ったニダ? 故郷の場所が知りたかったからニダか?」
「…いいえ。 僕には母がいたんです。 その母が病気でなくなってしまって… ヴァイラなら生き返らせることが出来るって噂で聞いて…」
そうだ… そして、ヴァイラ教の信徒になった自分は腐臭と欺瞞の漂うあの森で暮らす事になったのだ…

(ん?昔の記憶があいまいなのに、お母さんの記憶はあったニダか… 不思議ニダ… まあ、それは置いといて それよりも…!)

「ヴァイラ教は人を生き返らせるニダ…!? それって凄いニダ! どういう原理かめちゃくちゃ興味がそそられるニダ!!!」
ヒッキーの先ほどのセイフに多少の疑問を抱くも、自分の強い知識欲が優先され、ずいずいとヒッキーにその事について言及する

「…嘘だったんです。 普通に考えて、そんなこと出来る筈が無いんだ…。 僕以外にも沢山の人が信徒になったけど、皆アヒャって… ヴァイラ教に洗脳されました。」
ヴァイラ教の出来事を悲しそうにそう語る。 沢山の一途の希望を持った人たちは残らずその本来の目的など忘れさせられてヴァイラ教の駒にされてしまった。

「御免ニダ… 思い出したくなかった嫌な事だったのに、ウリのせいでフラッシュバックしたみたいニダね。 これ以上の詮索はやめるニダ…」
「そ… そんなにしょげないでください。 別に気にしてませんから…」
炎が燃え上がる様な先ほどの勢いから一転して、ヒッキーを傷付けたと感じたニーダは自己嫌悪を始める。ぶつぶつとお詫びの言葉や至らなかった自分に対しての罵声を延々と話始める。
そんなニーダを放っておけず丸一日かけてヒッキーは彼を慰める羽目になった…
最終更新:2009年05月03日 01:13
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