赤目と黒面(後編)◆GOn9rNo1ts



◇ ◇ ◇



「楽しい、とても楽しい話をしよう……
俺は失敗を誤魔化さない男だ、あのツンツン頭を逃したのは明らかに俺の失敗……
このままでは命の恩人Aに顔向けできない、彼女が許しても俺が俺を許せねえ……
だがこいつはどういうことだ!俺は見事名誉挽回のチャンスを得た!神は俺を見捨てなかったらしい!
俺はてめえをぶっ壊してケイイチに対するほんのわずかの贖罪にしようと思う!
そうすりゃ少しは俺の気も晴れるし命の恩人に顔立てできるってもんだ!
それに、ケイイチも俺がぶっ壊しまくるのを見て少しは浮かばれるはずだ!何しろ壊すって事は最高のエンターテイメントだからな!
どうせてめえは放っておいたら命の恩人たちの障害になるだろ?てめえを壊せば彼女たちも喜ぶに違いねえ。
俺は嬉しい、ケイイチも嬉しい、命の恩人Aも嬉しい!なんて楽しい話なんだ!
さあ、楽しい話をするために……さっさとぶっ壊れろ!」
「黙れ」


短く返答しながらも、内心では焦りが芽生え始める。
金髪一人ならば何とかなるだろうが、攻撃の間隙を縫うように無視できない一撃を放ってくる怪物が邪魔だ。
現に、自分は後退を続けるばかり。せっかく殺せそうだった赤目の男から見る見るうちに遠ざかっていく。


頭のネジをまとめて何処かに置いてきたような男は、何故か剣の腹でこちらを攻撃している。
相手を殺したくないなどと考えている輩かもしれないが、こちらとやりあえる力がある以上まともに食らうのは避けたい。
金髪の剣に対して黒鍵を、石頭には拳で対応しているが、2対1では押されるばかり。
ならば、選ぶべき選択は。


(最初の不意打ちがあんなお粗末なものだったところから見るに、恐らく遠距離攻撃には疎いはず。
ならば一度距離を取っても問題はない、それなりの得物で対応する!)


こちらに振り下ろされる剣の腹を短剣でずらしながら、力強く後ろにバックステップ。
見る見るうちに遠ざかっていく金髪と怪物。追いつくよりもこちらの方が速いと確信。
黒鍵で集団と戦うには不利。使うべきは二つの攻撃を同時に受け止められる大戦槍か。
デイパックに手を伸ばし。

「おっさん、そっち行ったぞ」


「本来なら不意打ちなどと言うことは好みではないのだが……
盟友との約束もあるのでな、時間が惜しい。まあ許せ」


背筋が凍る。
後ろから聞こえた、威厳を滲ませる声。
素早く身体をひねり、背の高い大木から姿を現した大男と向き直る。
こちらに対する伏兵。いや、もしかするとここぞと言うときに使うための切り札か。
その男がこちらに姿を見せたと言うことは。


(ここで完全に決めるつもりか!)


あまりにも大きな掌に握られている剣が確実にこちらの首を狙い振るわれる。
それを受けた黒鍵が遂に耐えきれなくなり、砕け散った。
これで、得物は無し。新たなものを取り出す暇など存在しない。



「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


後ろから追いついてきた金髪が奇声を上げながら、こちらに向かう。


「ごろすけさん、すてみタックル!」


それに追随するように、石の化け物が少女の指示に従い、その身を飛ばす。


「獲ったぞ」


短く言い放ち、巨漢が剣を構え。




逃げ場、無し。







(と、普通は考えるだろうな)


ゼロは迷うことなく、己の能力を行使した。



◇ ◇ ◇



これで終わりだ。


そう確信していた。


避けきれるはずがないと。


三方向から仕掛けられる攻撃。


『獲った』と沙都子も叫びたかった。




仮面の男は包囲網の外側、こちらに一番程近い場所に、当たり前のように存在していた。


「えっ……?」


止まる思考。走る仮面。男達は間に合わない。



(どういう……ことですの)


「残念だったな、詰み(チェックメイト)だ」


そして、少女の口から。



「……い…………いやあああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」



悲鳴が飛んだ。



止めどなくこぼれ出る血。




ゼロはこの地でまた一つ罪を重ねた。



◇ ◇ ◇



比喩表現でも何でもなく、真紅に染まった瞳。



吸血鬼を連想させる尖った八重歯が力強く獰猛な笑みを形作る。



胸からポタポタと零れる生命の証を気にもせず。




「僕の友達になにしてるんだい?」




満身創痍の『吸血鬼』は、ただ、そこにいた。



結論から言うと、クリスは襲い来る魔の手から北条沙都子を守りきった。
しかし、普段の彼ならばその光景は絶対にあり得ない。
彼は、間違っても善人ではない。それどころか極悪人に近い人間だ。
クリスもそれをとうの昔に理解しているし、そのことに何の感情も持たない。
例え、それが何十年間付き合ってきた仲間だったとしても。
例え、それが抗う力を持たぬ無垢な赤ん坊だとしても。
クリスは、「ごめんね」と笑いながらあっさりと彼らを見捨てるだろう。
ヒューイの命令一つで他人を殺し、場合によっては仲間だろうと平然と見殺す。
それが、クリストファー・シャルドレードという男……だったはずだ。

どうしてそんな彼が出会って一日も経っていない少女を守ったのか。
それは彼にしか、いや、もしかしたら本人にも分からないのかも知れない。


いつものように、ただの気紛れなのか。

己を助けに戻ってきてくれた沙都子に何か感じる物があったからなのか。

もしかしたら、朦朧とした頭の中で沙都子の金髪が己の雇い主の少女と重なったのかも知れない。

あるいは、「友達を助けるのに理由はいらない」と微笑みながら語ったかも知れない。



気付けば、地面を蹴飛ばしながら少女と仮面の男の間に強引に潜り込んでいた。
正に魔王の手が少女に届く一瞬先に、その身体はなんとか目標地点に到達。
結果として、彼は少女を救った。それは間違いようのない事実。
そして、何かを救うとは、裏返せば何かを救わないと言うことだ。

誰かが得れば、誰かが失う。
誰かが喜べば、誰かが悲しむ。
誰かが生きれば、誰かが死ぬ。


「クリスさん!?」


めぐるましく動き続ける状況に流石に困惑を示しながら、少女は叫び、そして見た。
自分の目の前にある大きな背中から生え出た、真っ黒な腕。
もしもこれがマジックショーだったらどんなによかっただろうか。
奇術師が平然と胸から手を引っ込め、相手の胸に傷跡一つ残っていないような貫通マジックだったとしたら。
彼女は目を輝かせながら拍手喝采でそれを迎えたに違いない。


しかし、仮面の男は決してマジシャンではなく、そしてここは殺戮の舞台だった。




「……い…………いやあああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」




届けられるのは拍手と歓声ではなく歪んだ叫び声。
この状況に、無力な少女はただ己の気持ちを表すことしかできない。

「吸血鬼は心臓に杭を打たれたら死ぬんだったっけ」
「ばッ……馬鹿な……!?」

ゼロが、魔王が始めて本当の驚愕を仮面の下に貼り付け、気付かず声を漏らす。
赤目の男はそれを聞きながら、折れているはずの腕を平然と前に突き出す。
胸を貫かれ、通常ならば果てしない苦しみが全身を蝕んでいるはずだ。
なのに赤目はまるで何事もなかったかのように、友達と握手するように真っ直ぐに腕を伸ばす。

(意外と僕って頑丈だったんだなあ。自分でもびっくりだよ。
全然痛くないや。さっき頭を打っちゃったからどこかおかしくなってるのかもね。
まあ……元々僕はどこか壊れちゃってるんだけど)

クリス、そしてラミアと称される他のホムンクルスたち。
彼らは度重なる実験によって身体を弄くられ、痛みを与えられ、どこか壊れていた。
自分のことを「もの」としか考えられない、不自然な存在。
クリスはそのことを一番気にしており、それ故に自然を愛す。
どこまでも歪んだ矛盾を自覚し、それを誇りにさえ感じている。
その狂気と幾度もの実験によってか、はたまた本当に頭を打ったからなのか、今の彼は例え胸を貫かれようが、止まらない。
自分と同じく不自然な存在を排除するために、ただ動く。
まるで、命令されたことを淡々とこなすロボットのように。
まるで、大切な人を守るために命をかける『人間』のように。
死に体の吸血鬼が魔王に挑む。
その腕に握られているのはグロック17。
最後の一発が、暗く閉塞した空間から輝ける外へとその身を飛ばし。


「それじゃ魔王は、どこを撃たれたら死ぬのかな?」


パン!


渇いた破裂音が森に木霊した。



◇ ◇ ◇



全身の力が抜けていくのを感じる。
フワフワとした奇妙な浮遊感が心地よく、思わずそのまま目を閉じそうになる。
不思議なものだ。以前死にかけたときは迫る来る死に恐怖し、必死になって生きようとしたくせに。
今、自分は不自然なほど満足して、死に向かおうとしている。


「…………スさん!……クリスさん!クリスさん!」


しかしその目は飛び込んできた聞き覚えのある声によって再び見開かれた。
この世界で行動を共にしてきた、年端もいかぬ少女の声。
喉を枯らしながら、倒れているこちらの名前を必死に呼び続けている。


(友達の言葉を無視しちゃ駄目だよね)


あまり働かない頭を無理矢理動かしながら、目の前の状況を確認。
あの仮面の男の姿はない。逃げてしまったのだろうか。
どこまでも上手くいかない自分にすこし嫌になりながら、口を開く。
漏れ出た声は、予想以上に弱々しい物だった。


「さ…とこ……」
「待っててください、きっと何か方法があるはずです!
あなた方、何か持っておりませんの!?」


彼女は協力してくれた仲間に必死になって懇願の目を向ける。
きっとあるはずだ、と。無いはずがないのだ、と。
しかし、世界は彼女を中心に回っているわけではなかった。
男達は無言。雰囲気はどこまでも重く。

それが、現実だった。

「まだです、きっとなにか、なにかあるは……」


「もう、いいんだ」


どこまでも爽やかな声が涙声となりつつある沙都子を遮る。
男は口元からも血を流しながら、平然と言い放つ。

「ありがとう、沙都子。君の気持ちは嬉しいけど、僕のことは僕が一番よく分かってる。
君と過ごした時間は凄く短かったけど、楽しかったよ」
「なんで……なんで、そんなこというんですの……?」

冷たい風が背中を通り抜けてかのような錯覚が少女を襲う。
まるで、もう会えないと言っているような物言い。
赤目は相変わらず、冗談を言っている気配は微塵も感じられない。
出会ったあの時のように、これが彼なりの質の悪いジョークならばどれだけ良かったことだろう。
今なら、デリカシーの無い彼の行動もその言葉も全てを許せるような気になってくる。
ただ、死なないで欲しい。生きていて欲しい。それだけで十分だ、と。



だが、認めなければいけなかった。



彼はもう、助からない。



「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい…………」
「沙都子が…謝る事じゃ…ない。どっちにしろ…君が来なかったら僕は死んでたん……だから」
「でも、わたしがもっともっとしっかりした作戦を立てれば、誰も……死なずに……」
「君は……出来る限りのことをした。力が足りなかった、のは、僕の……方……」


クリスの口から漏れ出る言葉が、息苦しそうに、途切れ途切れの小さな声になっていく。
口と胸から流れ出る血は物理法則に従い地面に落ち、二度と身体に返ってきたりはしない。
彼は不老だが、不死者ではない。血を流せば沙都子と同じように死んでしまう、か弱き人間。
もうすぐ、時が来てしまう。
彼と、永遠に離ればなれになってしまう。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ……」

ポン、と。

温かみを失いつつある五指が、頭に乗せられた。
黄色い髪がふわりと撫でられる。何度も何度も。
北条悟史が、園崎詩音にやったように。優しく優しく。
何人も殺してきた血に染まった手で、一人の幼子を救うために。


「……クリス、さん?」
「こういう、こと…されるのって………嫌……かな?」


何も言わずに頭をブンブンと振る沙都子を見つめ、何故か安堵の気持ちが芽生えてくる。
クリス自身も、自分が何故こんな事をしているのか理解できていなかった。
彼は泣いている子供をこうやって慰めた経験など、一切無い。
しかし、友達に悲しんで欲しくないと、そう思ったら自然と手が動いていた。


(僕も、少しは自然な人間らしくなれたのかな……)


そんなことを思いながら、もはやなにも言わずに泣き始めた少女を撫で続ける。
同時に、無理矢理に視線を上に上げ、目の前の男達にいつもの調子で問いかけた。
そういえば昔、同じような状況があった気がする、と思いながら。



「やあ、僕と……友達に、なって、くれる?」


「普段ならここは三十分、俺の壊滅的な頭で考えて考え抜いてそして断ってやるところだが……
お前は時間がなさそうだしな。いいだろう、イエスと答えてやる」


「……我が臣下となるのなら、考えてやっても良いぞ」


彼らも言いたいこと、聞きたいことはあった。
しかし、お互いそれぞれの思いは胸に秘めたまま。
二人の男は赤目の友となった。


「ありがとう…それじゃ……早速、友達に頼み事しちゃうかな。
……沙都子とアルルゥを、よろしく頼むよ」


新たな友達に抽象的な頼みを託しながら、赤目は笑う。


「アルルゥに、ちゃんと……言わな、きゃ……駄目だよ?」


想像以上に残酷な言葉を目の前の少女に叩きつけながら、極悪人は微笑む。


(ああ、そうだ。最後に一つ言うのを忘れていたよ)



「……さと…こ……ともだ…ちに…なって…くれ……て…………あり……が……と…………」



もはや焦点の定まっていない目で、それでも彼女がいるはずの方向を向き最後の言葉を発し。
朝と夜の境界線、橙色の光が天から差し込む夕暮れ時。
クリストファー・シャルドレードはあまりにもあっけなく逝った。



【クリストファー・シャルドレード@BACCANO!   死亡】
【残り25人】




【E-2 /一日目 夕方】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康、L3、深い悲しみ
[装備]:レッドのニョロ@ポケットモンスターSPECIAL、
[道具]:支給品一式×2<沙都子、翠星石>、グラン・メテオ@ポケットモンスターSPECIAL、
     翠星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン、翠星石の亡骸首輪つき、
     雛苺のローザミスティカ@ローゼンメイデン
     カビゴンのモンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、ゴローニャのモンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL
[思考・状況]
1:クリスさん…………
2:絶対にアルルゥをハクオロに会わせる。
3:真紅にローザミスティカを届ける。水銀燈には渡さない。
4:部活メンバーに会いたい。
5:レヴィと再び会い、ローザミスティカ入手の経緯を聞く。
※参戦時期は具体的には不定。ただし、詩音を『ねーねー』と呼ぶほどに和解しています。『皆殺し編』の救出以降ではありません。
※名簿は確認したようです。
※雛見沢症候群の進度は具体的には不明。L5まで進行した場合、極度の疑心暗鬼と曲解傾向、事実を間違って認識し続ける、などの症状が現れます。
 説得による鎮静は難しいですが不可能ではありません。治療薬があれば鎮静は可能ですが、この場にあるかどうかは不明です。
※真紅、蒼星石、水銀燈に関しては名前しか知りません。
※アルルゥの名を仗助から聞きましたが、アルルゥの家族の詳細についてはまだ把握していません(エルルゥ=姉のみ把握しました)
※レヴィに対して良い印象を持っていません。
 またレヴィがドールを壊して、ローザミスティカを奪ったのではないかと疑い、それが蒼星石のものではないかと考えています。
※ゼロと情報交換しましたが、どこまで教えられたかは不明です。

【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]気絶中、ダメージ(小)
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
1:ハクオロに会いたい
2:沙都子は信用。クリスは怖い(でもちょっと信用)。レヴィは謝るまで許さない。
3:エルルゥに別れを告げる。
※ここが危険な場所である事はなんとなく理解しましたがまだ正確な事態は掴めていません。
※不明支給品(0~1) <アルルゥ>はひらりマントでした
※放送の内容を理解しました。エルルゥ達の死も認識しています。




【チーム名:○同盟ライダー組】
1:主催者の打倒。
2:F-3駅からG-6駅に向かい、映画館、消防署、モールを訪れ21時までにB-4民家へ向かう。禁止エリアの場合H-4、G-4へ。
2:サカキミュウツー、片目の男(カズマ)、赤髪の男(クレア)、リヴィオ、ラッド、電気の少女(美琴)を警戒。
クレアという女性、佐山、小鳥遊、アルルゥ、ヴァッシュを信用。アーチャーはやや信用。
  ハクオロも一応信用。 真紅は情報不足で保留。


【ライダー(征服王イスカンダル)@Fate/Zero】
[状態]:魔力消費(中)、疲労(大)、腹部にダメージ(大)、全身に傷(小~中)および火傷(小) 腕に○印
[装備]:包帯、象剣ファンクフリード@ONE PIECE、
[道具]:基本支給品一式×3 、スモーカー大佐の十手@ONE PIECE
     イリアス英語版、各作品世界の地図、ウシウシの実・野牛(モデル・バイソン)@ワンピース、
     探知機、エレンディラのスーツケース(残弾90%)@トライガン・マキシマム
     ヤマハV-MAX@Fate/zero
[思考・状況]  
 0:…………
 1:アーチャーより先にバトルロワイアルで自らの軍勢で優勝。
 2:首輪を外すための手段を模索する。
 3:有望な強者がいたら部下に勧誘する。
4:北条沙都子とアルルゥを守る。
【備考】
※四次元ポケット@ドラえもんは図書館の中に放置されています。
※原作ギルガメッシュ戦後よりの参戦です。
※臣下を引きつれ優勝しギラーミンと戦い勝利しようと考えています。
  本当にライダーと臣下達のみ残った場合ギラーミンがそれを認めるかは不明です。
※レッド・レナ・チョッパー・グラハムの力を見極め改めて臣下にしようとしています。
※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。
※自分は既に受肉させられているのではと考えています。
※ブケファラス召喚には制限でいつもより魔力を消費します
※アルルゥの存在を知りました。
※現在の魔力残量では『王の軍勢』をあと一度しか発動できません
※別世界から呼ばれたということを信じました。
※会場のループを知りました。


グラハム・スペクター@BACCANO!】
[状態]:疲労(中) ダメージ(中) 青いツナギ姿(いくらか傷) 腕に○印  
[装備]:無毀なる湖光@Fate/Zero 包帯 小型レンチ
[道具]:支給品一式、(一食分、水1/10消費。うち磁石は破損)、スペアポケット@ドラえもん、かぁいい服
海楼石の網@ONEPIECE
[思考・状況]
1:悲しい……悲しい話だ……
2:北条沙都子とアルルゥは守り抜く。
3:ウソップを殺した者を壊す。
4:イスカンダルに敵意。
5:殺し合い自体壊す
6:ラッドの兄貴と合流、交渉。兄貴がギラーミンを決定的に壊す!
7:イスカンダルの勧誘は断固拒否。
※レッドたちがクレアを信用していることを知りません。
※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。
※疲労により倒れましたが、気絶したのか意識がまだあるのかはわかりません。
※ライダーからの伝聞により劇場での顛末を知りました。
※クリストファー・シャルドレードのデイパックを誰が受け取るかは次の書き手さんにお任せします
中身……大きめの首輪<ドラえもん>、基本支給品一式<エルルゥ>、マスケット銃用の弾丸50発
    アミウダケ@ワンピース 、サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL
    庭師の如雨露@ローゼンメイデン、グロック17@BLACK LAGOON(残弾0/17、予備弾薬15)、悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に

※林の何処かにアルルゥのデイパック(破損)が落ちています。
中身……支給品一式×2<アルルゥ、仗助>
    不明支給品(0~1)<仗助> 、ひらりマント、トウカの刀@うたわれるもの

※近くにアウレオルスの暗器銃(装弾0%)が落ちています




中級階級の庶民が居住していただろう一軒の民家。
家族総出で旅行にでも出かけたかのように無人となっているそこに、不法侵入者が一人。
何処かにあるであろう金庫を探すわけでもなく、金目になるものを盗むわけでもなく。
泥酔しているかのように、ふらついた足取りでたどり着いた先は、憩いの場であるリビング。
テレビを最も見やすい位置に置かれている安物のソファーに倒れ込む。


「3回も短時間で使うとこうなる、か。
良いデータが取れたと喜ぶべきか、ここは」


古い鳩時計が規則的な音を立て、こちらの眠気を誘う。
放送まであと二時間もない、今眠るのは流石に不味い。
頭を活性化させる意味合いも込めて、ついさっきの出来事を脳内で反芻。


あの時、赤目の銃弾が届く瞬間、反射的に瞬間移動を選択したのは正しかったと判断できる。
制限による使用の副作用について考えている暇など微塵もなく、ただ必死に何処かに跳んだ。
その結果、何処かのエリアの家の前に跳躍し、ここで休息を取っていると言う訳だ。
ワンサイドゲームとならないように瞬間移動は厳しく制限されていると考えられる。
爆発から逃れるために使用した一回目では少し疲労がたまっただけだった。
二度目の瞬間移動では立ち眩みのような頭痛が生じたが、無視できるレベルではあった。


「しかし、三回目ではまともに動くことが出来ないほどの疲労が蓄積した」


全身が倦怠感で苛まれ、一日中身体を酷使したような有様だった。
足は疲労でガタガタ震え、頭痛は以前とは比較にならないほど酷い。
とても戦闘、それどころか移動すら満足に行えない状態。
黒の騎士団には決してみせられない醜態がそこにはあった。


(損害は黒鍵3本、こちらの能力を少なくとも三人には知られた。
対する成果は中々に出来る男一人……割に合わんな)


北条沙都子とアルルゥは金髪と大男と共に行動するだろう。
まともに彼らとぶつかれば、こちらの損害も計り知れない。
更に、大男は「盟友との約束」と言っていた。


(殺し合いに反抗する者達が徐々に集まりつつある、ということか)


厄介なことになる前になんとか片を付けたいが、今の状態で出て行っても返り討ちに遭うだけだ。
焦る気持ちとは反対に身体は休息を欲しがり、休むことを余儀なくされる。
放送までは休もう。それが妥協点だと一人で決める。

するべきことは沢山ある。
湖城の○も出来る限り早めに何とかしなければいけないだろう。
こちらから逃れた水銀燈が他のものに情報を漏らす可能性も、無いとは言い切れない。
これからしなければいけないことを高速で脳内でまとめ、あまりの多さに嘆息する。


「……何がいけなかったんだろうな」


それっきりすることが無くなり、思わず独り言を呟く。
それは今回の戦闘でのことか。
それとも、ナナリーをむざむざ死なせてしまった事への後悔か。


「どこで間違った?」


憤りと悲しみをこめて、答えのない問題をここにはいない誰かに問いかける。
その問いは、この会場でナナリーを血眼になって探さなかったことに対してか。
あの時、悪魔に魂を売ってしまったことか。
そもそも、ブリタニアの王子として生まれてきたことから間違っていたのかも知れない。


「…………間違っているのは俺じゃない、世界の方だ」


自然と口をついて出る、自問自答の答えの部分。
世界そのものを見下し、相手取る傲慢な物言い。
しかし、今はただの強がりにしか聞こえなかった。




【E-3 民家/一日目 夕方】
【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】
【状態】: 疲労(超極大)、 悲しみ、焦り≪ルルーシュ≫
【装備】:大戦槍@ワンピース
【道具】:基本支給品一式×4、MH5×4@ワンピース、治療器具一式 防刃ベスト@現実 電伝虫@ONE PIECE×2、
     破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero  忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん、和道一文字@ONE PIECE、シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの、
     謎の鍵、レナの鉈@ひぐらしのなく頃に、首輪×2(サカキ、土御門) 、ナナリーの遺体(首輪あり)
【思考・状況】
0:放送まで休息をとる。
1:殺し合いに優勝し、ナナリーを生き返らせる。
2: 『○』に関しては……
3: ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。
4:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。
5:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。
6: C.Cの状態で他者に近づき、戦闘になればゼロへ戻る。
7:3人と接触し休息時間を稼ぎつつ情報を全部引き出す。その後は殺す。
8:ナナリーの遺体を守り抜く。その為に氷の類を捜索。
9:図書館あたりまでの施設を探索し、首輪を集めて古城跡へ戻る。
10:ネモはどこに?
11:ナナリーを守れなかった奴を見つけたら殺す。
【備考】
※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。
※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。
※会場がループしていると確認。半ば確信しています
※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。
※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。
※C.Cとの交代は問題なく行えます。
※起動している首輪を嵌めている者はデイパックには入れないという推測を立てています。
※北条沙都子達と情報交換しました。




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最終更新:2015年06月29日 00:29