一人の夜◆/1LLBq1Ub2
「ここは……一体?」
桜田ジュンが目にした光景は信じられないの一言で表せる物であった。
家の中に引きこもり、インチキらしいネットの物品を漁りギリギリに
クーリングオフするという暗い生活を送っていたはずが、
突然わけのわからない世界へ飛ばされて、殺し合いを始めろ
などと言われたのだ、そんなこと出来るはずが無い。
しかしだからといって主催者を倒すような度胸も無く
近くにあった誰も住んでいないような民家へと誰にも見つからないようにこっそり入り込んでいた。
「何なんだよ、いったい?」
怒りと恐怖から近くにあったモノに当たろうとしたが、
音が出て誰かに気づかれてしまうのではと思いやめる。
眼鏡をかけた小学生がギラーミン……とかいってたな?
とりあえずアイツが言ってたことは真っ赤な嘘かも知れない
でもあのときの人が殺された様子はニセモノなんかじゃない……
「くそっ、」
自分もひょっとしたら今すぐにでも殺されてしまうのではないかという恐怖、
人が死んでしまったのに何も出来なかった怒りそして無力感
そんなことばかり考えて窓から外を眺めていた。
(……そういえばディパックの中って何が入ってるんだ?
たいして確認もしなかったけど)
早速横に置いてあったディパックを開けてみる
中にはコンパス、懐中電灯、筆記用具、水と食料、時計
そして……名簿?
(しめた、これなら誰か知ってる人がいるかどうかわかる)
そう思い名簿に書かれた名前を探す
……はぁ
名簿を見たジュンは愕然とした、信頼できる人物など一人もいやしなかったのだから
唯一聞いた事あるのは最近家に来たあの人形、真紅という人形のみ、
いやひょっとしたらそれさえ同じ名前の別人かもしれない。
他に名簿から判ることと言えば
園崎という苗字から親子での参加者がいること
名前に“D”の付く二人が何かしらの関係があるかもしれない事
それくらいであった、
それどころか名前を読むことすら出来ない参加者もいた
(み、みずぎん……これなんて読むんだ?)
もし桜田ジュンがこれより未来から来ていたら読むことの出来る相手
他にも信頼できる相手が出来ていたのだが……
結局名簿からの情報は信頼できる人がいないという情報が手に入っただけであった。
他にも何か無いかと気持ちを切り替えてディパックを漁ってみる
すると出てきたものは
……カギ?こんなもの一体何に使うんだ?
見たところ近くに鍵穴など近くにはない、ぱっと見た感じ簡単に複製できなさそうな
不思議な装飾のカギが出てきた。
(どこかに入るのに使うのか?)
今は使い物にならないだけ……か
そう考えてカギを他の道具の所に置いて次の道具を
探す、すると出てきたのは巻物だった。
巻物の表面には“仮”と書かれておりジュンのよく知る
インチキ商品からの胡散臭さが立ち込めていた。
一緒について来た説明書きによると
これを口にくわえると
“忍法カベ抜けの術、バッタの術、ネズミ変身の術”が使えるようになると
書かれており親切にも術の簡単な説明書きもされていた。
こんな非現実的な説明書きはネット通販でよく見てる
お腹を震えさせてダイエットするマシン、
磁器の力で肩こりを治すペンダント、
きっとそんなものだろう、ジュンは説明書きを見て確信した。
今の自分が非日常の世界に飛ばされてしまっているのにも関わらず
普段の思考が抜けずに考えていた。
気を取り直して次の道具を探し出す。
するとテニスボールサイズの球状の物体が出てきた
???
思わず首をかしげる、どうやらこれにも説明書きは無いらしい。
ボールはその一つひとつにスイッチらしきボタンがあったがそれ以外判らない、
上の部分が赤く下の部分が白いボールであり手にとるとそれはしっくりとくる持ちやすさで
キャッチボールをするには丁度いいサイズといえた。
もっとも今のジュンにボールを投げる意志は無いが……
ふぅっと小さな溜息をつきその場に座ろうとする、これで一体どうしろというのだ?
仮に殺し合いに参加するにしてもこんなものじゃ人を殺せるわけが無い
もっとも人を殺すことが出来る武器があってもそんなことするともりはないのだが
そんなことを考えて腰が床に付いた瞬間
カチッ
持っていたボールのスイッチの部分が床に当たってしまった
ボゥン!
ボールが開き中から出てきたのは、
紫の皮膚、長い尻尾、丸く大きく開いた目それは……
「猿???」
(ちょっと待て、何だこれは?このボールにタネがあるのか?
なんでこんなものに限って説明書きが無いんだよ)
ディパックに最後まで残された地図の間に挟まれた説明書きに気づくことなく
敵意無くこっちを見ているポケモンを前にジュンは一人嘆いていた。
【 G-8線路沿いの空き屋/1日目 深夜 】
【桜田ジュン@ローゼンメイデン】
[状態]:健康、精神的疲労
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 謎のカギ 忍術免許皆伝の巻物仮免@
ドラえもん
エーたろう(エイパム)@ポケットモンスターSPECIAL
[思考・状況]
1.とりあえず現状をなんとかする
2.殺し合いには乗らないしそんな度胸もない
3.み……みずぎんなんとか?
【備考】
※原作序章終了後から来ています、真紅の事を信用していません
※ディパックの中身は地図とそこに挟まれた説明書以外は確認しました。
※モンスターボールの制限は同じエリアに他の参加者がいない場合のみ
時間の制限がなくなります。
※『忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん』
ハテノハテ星雲にあるアミューズメントパーク・ドリーマーズランド
における忍者の星における忍者の免許皆伝のための実地試験の
忍術が少し使えるようになる巻物。使える術は次の3つ
その名の通り壁をすり抜ける事が出来る
しかし厚すぎる壁は越えられない
・バッタの術
バッタのように高く飛ぶことが出来る
だいたい一般家庭における屋根裏までが限度
・ネズミ変化の術
少しの間、小さなネズミの姿になることが出来る
ある程度時間がたつと元の姿に戻ります。
※『エーたろう(エイパム)@ポケットモンスターSPECIAL』
ゴールドの相棒のポケモン手足より尻尾のが器用
特にジュンに警戒している様子はありません
登場時期は3章終了後
どちらかといえばジュンと遊びたがっています。
※エテボーズへの進化の可能性は不明です。
『謎のカギ』
詳細不明、何のカギでどこに使うのかは後続の書き手におまかせします。
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最終更新:2012年11月27日 00:03