夢見る黄金地球儀
創元推理文庫
海堂 尊
★×4
ほんとこの人は見てきたように書くな、と思う本。
「
チーム・バチスタの栄光」読後で、「
ナイチンゲールの沈黙」は未読の状態で読みました。
お医者さんなんだから「バチスタ」は見てきて書いてるんだろうけど、
例の白鳥理論はフィクションなのにあの説得力だったりして
やっぱり事実のように書く才能はすごいんだろうなと思うわけで。
今回は毛色が違って、町工場の話。
主人公はやっぱり田口的。
妙に主人公のこと大好きな女子が出てきたりして、やっぱりシリーズ化の目論見が見え隠れする?雰囲気。
この人はほんとにキャラ造形がうまいなー。
オヤジさんとか、こういう人いるよなーってかんじで。
「奥さんはPCを見れるけど見たはずない」っていう緩い密室状態がまたいい。
ガチガチじゃないのがゆるいキャラとかゆるい語り口にも合ってて、
でも機械とか理論は硬派なんだよなあ。
最後の大出世もアメリカンドリーム的でいいです。
あれ、これだとシリーズ化してもしがない町工場じゃなくなっちゃうか。
大失敗してまた町工場に戻ってる第2作とか読みたいなー。
でなければいきなりアシモフの「ファウンデーション」ばりに宇宙を目指すとか。
最終更新:2011年02月16日 15:59