「…………何を考えているんだ、こいつは」
某所。新聞を読んでいた
クロウは、イラストで示されていた連続殺人事件の発生場所を見て唸っていた。
理由は簡単。場所をある順番で結ぶと、見慣れたあのマークが浮かんでくるからだ。
(何のつもりだ……)
ジングウ以外でここまで頭痛を覚えたのは久しぶりだった。そうでなくてもUHラボと
ノルン・ノアへの対処があるというのに、全く頭が痛い。
「犯人は……うちの連中の誰かで間違いないな。しかし、ここまで徹底しているとなると……」
思い当たるのは何人かいた。しかし、確定までには至らない。
「……誰かから聞きだすか」
この男の場合、それが一番重要な情報源だった。しかし、誰にする?
(トキコか? ……いや、肝心な部分を知らん事があるな。ならばリオトか、新入りか……そういえばあの新入り、あれからどうした?)
リオトが引き込んだという「新入り」に一瞬思考が飛び、慌てて元に戻す。
(……そうだな、
エドワードに聞いて見るか。意外と顔が広いからな)
新聞を畳んでゴミ箱に投げ込み、クロウはベンチから立ち上がってその場を去った。
「……随分と派手にやっていますね、彼は」
東の平原。
アカノミの枝の上で新聞を読んでいた(堂々と駅前で買って来たのだ)
ヴァイスは、連続殺人事件の記事に目を落として呟いた。
「14人、ですか。時間も場所もバラバラ……でもないですね。このラインだと……やっぱりですか」
浮かんだのは、あのマーク。ヴァイスにとっても因縁浅からぬ、あのマーク。
そしてヴァイスは、その犯人についても既に突き止めていた。以前偶然から入手した
バードウォッチャーを操り(AIがあれば機械にも有効なのだ)、暇つぶしに飛ばしていた所目撃したのだ。
だからと言って、どうするわけでもなかったが。
あの「正義の味方」がこの事実を知れば、真っ先に狙いそうな気がする。自分には関係ないし、興味もないが。
(ま、いいでしょう。ワタシには関わりのないことです)
新聞を投げ捨て、身体を起こす。次の瞬間枝が派手に揺れ、脚本家の姿はそこから消えていた。
鴉と脚本家と事件
(片や重く見て)
(片や興味も持たず)
(しかし、そんなものである)
最終更新:2011年08月26日 14:06