わたしのわるいひと 6話
仕事終わりにもらい物のアフアジュースを飲んでいたら、ヨーに蔑むような目で見られた。
おいしいのに……。
「ご主人様。いくら食い意地が張ってるからって食うものは選んでください」
「好き嫌いはよくないよ。ヨー」
「そういう問題じゃありません」
そう言ってヨーは身を震わせた。何か嫌な思い出でもあるんだろうか……。
「大丈夫だよ。ヨー。ほら」
そこに一枚書類が落ちていたのは偶然だった。
「あっ」
どべしゃー。
あーあ。転んじゃった。
顔も髪も白い液体だらけだ。
べとべとする……。
「ニュクスータオル取ってく……」
「誤解されそうなんでやめてください!」
「全くあなたはドジにもほどがありますよ!」
ざああー。
シャワーの出る音がする。
「ひゃっ、冷たいよ、ヨー!」
「ああ、これは申し訳ありません」
私はヨーにバスタブに放り込まれた。
一人で洗えるって言ったのに……。
ヨーはぶくぶくあわ立った手で私の髪をかき回す。水をかけられてかさの減っていた髪がまた量を取り戻した。
「うー」
自分の髪を思うままにされる違和感にうめくと、
「ほら、おとなしくする」
ヨーが頭をわしわしする。
「やーん」
「やーんじゃありません」
きゅきゅと蛇口をひねって、ふたたびシャワーが出る。
泡が体を流れ落ちていく。やっとまともにヨーの顔が見えた。
ニヤニヤしている。
……嫌な予感がする。
「体も洗いましょうねー」
「ちょっ! 体は……」
ヨーは床に膝をつくと、袖が濡れるのもかまわず私のしっぽを捕まえた。
「きゅん!」
同時にびりびりした感触が体を走る。
「しっぽ、しっぽだめえ!」
「ここもちゃんと洗わなきゃだめですよ」
そこ、汚れてないのに……。
ヨーはボディーソープを手に取ると、しっぽに塗りたくった。
「ひゃっ、だめ、だめえ」
ぬるぬるするよお……。
しっぽの根本から先っぽまで、ずりゅずりゅとしごかれて、脳みそがびりびりしてる。
力が抜けちゃって、私はバスタブのへりをつかんだ。
「ふあ、あ、あっく」
私……敏感になってる。
はずかしいよ……。
「きゃあっ」
ヨーがしっぽからおなかへ手を滑らせてきた。
おなかからわき腹へ、ヨーの手が這っていく。
「ひゃあ、くすぐったいよお……」
「我慢して」
そのままヨーは手のひらを全身へと広げていく。
その手が胸に達したとき、先端をきゅっとつままれた。
「きゃ!」
ヨーは手を離すと。私を覗き込みながら言った。
「そんなに触ってほしかったんですか?」
「うぅ……」
触ってほしかった。
なんだろう。私、どんどんえっちになってきてるよ。
ちょっと、怖い。
「こっちはどうですかね」
「やあっ。そっちはぁ!」
ヨーの手が私の足の間に伸びる。
「ああ、ぬるぬるしてますね」
目の前のヨーの指がにぱーっと私のいやらしい液を見せた。
恥ずかしいよお……。
「ちゃんと洗いましょうね」
「やあ、そんなとこぉ!」
私の制止も聞かずに、私の奴隷はくちくちとそこをこすり上げはじめる。
「あ、あっあ、ひゃあああん!」
ひだひだの部分も、しっぽの付け根も、丁寧に洗われる。
股から水じゃないものがだらだらあふれてくるのがわかる。
「ふぇっ、あ、ああ」
頭からしっぽの先まで走る快感で泣きそうになっちゃう。それにもかまわず、ヨーの指はより深いところにもぐりこもうとする。
「なか、なかだめだよぉ!」
「奥まで洗わないと駄目です」
そう言いきって、ヨーは指を中に突っ込む。
「うふ、ふぅ……」
指を二本根本まで入れると、ヨーは中をかき回しはじめた。
「うわぁ…っく、あっあ……」
耳がびくん、びくんと跳ね上がる。もうここまで来ると、反抗する気も失せている。
「気持ちいいですか?」
「あ……きもちいい、きもちいいよお……」
ヨーは微笑むと、私の中のある一点を刺激しはじめた。
「ここ好きですよね」
「ひう! あ、ああっ……あっあ、ああ……」
ふわふわして、それでいてびりびりして、どうしていいかわからなくなる。頭の中までぐちゃぐちゃにかき回されているみたい。
おなかの方から、なにかせり上がってくるものを感じる。
「ヨー、いっちゃう、いっちゃうよお!」
「いっていいですよ」
「だめ、ヨーも、ヨーもきもちいいのがいいよお……」
ヨーがぴたりと手を止めた。
ヨーは私をバスタブから抱えあげると、床に下ろした。責めから解放されて一時的にほっとする。
「またいでください」
私はヨーの言うとおりに、膝立ちでヨーの腰をまたいだ。
「自分で入れられますか?」
目的語を目で示される。
「そ、そうしてほしいの?」
「そうしていただけると嬉しいですね」
嬉しいのか……。
「うぅ……」
ヨーの先っぽが私の足の間に触れる。それだけでどきどきしてくる。
私、ものすごくえっちなことしてる。
ゆっくりと腰を下ろすと、熱くて硬いものがのめりこんでいる。
「ひう」
自分で入れると、なんだかいつもより強くヨーを感じちゃう気がする。
「うあ、あ……うう」
ゆっくり腰を低くする私をヨーが見てる。恥ずかしくて顔を上げられない。
それでも一生懸命全部入れると、ヨーが耳の間をぽんぽんなでた。
「偉いですね」
ヨー、嬉しそう……。
ヨー、私がえっちだと、嬉しいのかな。
私には学も経験もなんにもないし、ヨーにしてあげられることなんてなかなかないから。
ヨーを喜ばせられるのなら、えっちでもいいかな。
私の水滴でヨーの服はびしょぬれだ。水を含んでべたべた張り付いている。
「動いてる」
「え?」
いつの間にか腰をもじもじさせていたらしい。
ヨーはさも愉快そうにささやく。
「そんなに動いてほしいですか?」
「ふああ、ああ!」
いきなりヨーが下から突き上げてきた。
体の奥のほうに届いて、きゅんきゅんする。
いっぱいで、切なくて、それでいてもっともっとほしくなる。
「ふあ、あ、あっく、あっく」
ヨーはリズミカルに突き上げを繰り返す。
私のそこはもうぐっちゃぐちゃになってると思う。恥ずかしい。恥ずかしいけど気持ちいい。
こんなに、気持ちよくなっていいのかな。
「あ…ヨー、ヨーは、きもちいいの?」
ヨーはふっと表情を和らげて、私を見た。
「気持ちいいですよ。ご主人様……」
きもちいいのか。
ヨーがきもちいいと、私、うれしい。
いっしょにきもちよくなれるの、すごくしあわせ。
「ひぁっ!」
ヨー、またしっぽ、しごいてる。
「しっぽ引っ張ると、中がしまって、具合がいいんですよ」
私にもきゅうきゅうしまっちゃうのわかる。ヨーを大きく感じちゃうから。
「うぁっ、あ、ひゃ…ああん」
動きがどんどん激しくなってきて、もう限界になりそうだ。
私はヨーの首にしがみついて、言葉にならないわめき声を出していた。
「ヨー、いく、いっちゃうよお……」
「ん……」
ヨーはそれを見て私にキスした。
「んん、んああ、あああ!」
一気に上り詰めるような感覚。
ほぼ同時に、どくどくと中に出された。
「寒っ!」
私はストーブで髪を乾かしながら答えた。
「お風呂場でえっちなことするからだよ」
乾きたての髪はふわふわして気持ちがいい。ブラシを通すとさらさらと流れる。
はっ!
「ご主人様の髪モフモフ……モフモフ……」
「ちょっと待っいやああ臭いかがないで! やあああん」