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ビジョンを持って生きるための本

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匿名ユーザー

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  • ユーザー名

taro

  • 質問のタイトル

ビジョンを持って生きるための本

  • 質問の内容

毎日ノービジョンで退屈です。どうしたら自分のビジョンを見つけることができますか。何かいい本があったら教えてください。

  • 質問のジャンル

哲学

  • おすすめする本(タイトル/著者/出版社)

ヴィトゲンシュタインのウィーン/スティーブン・トゥルーミン、アラン・ジャニク/平凡社

  • 書評


高校時代、僕は哲学書を通じて多くの価値観を学んだ。当時の僕にとって、価値は、自分のビジョンというよりも、単なる思想でしかなかった。だが、価値とは感情のない思想ではなく、本当にいいと思う気持ちである。この本は、自分の気持ちに正直であることが、ビジョンを描く第一歩であることを僕に教えてくれた。

ヴィトゲンシュタインの生きた世紀末ウィーンは、人々が本当にいいと思っていないにも関わらず、いいと言われる物が氾濫していた時代だった。奇抜さだけを狙った不愉快な楽曲、使いにくいけばけばしい装飾、事実と価値判断が入り乱れる文章。本当にいいと思う気持ちを伝えるには、どうしたらいいのだろうか。ヴィトゲンシュタインは、言語の分野でその問題に回答を試みた。

彼の結論はとてもシンプルだ。結局のところ、言語は価値を記述することはできない。言語が記述できるのは、事実だけである。価値、即ち本当にいいと思う気持ちという、「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」。これこそが、彼の代表作である「論理哲学論考」の趣旨であるという。

この本には、こんな逸話が書かれている。記号論理学の大家、ラッセルは「論理哲学論考」を褒め称えたが、ヴィトゲンシュタインはラッセルの賛辞を徹底して無視したという。言語が何を記述できるかに興味があるラッセルの賛辞は、言語が記述できない価値に興味のあるヴィトゲンシュタインにとって、的外れそのものだったのだ。

僕たちは、生命を維持するという最低限の価値が、容易に達成される時代と場所に生きている。自分にとっての価値、ビジョンを見つけていくことを、僕たちは時代と場所に課せられている。そのためには、美辞麗句で思想を語るのではなく、自分の気持ちに、本当にいいと感じることに正直でなくてはならない。


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