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権力との付き合い方

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匿名ユーザー

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  • ユーザー名

taro

  • 質問のタイトル

権力との付き合い方

  • 質問の内容

権力を否定するアナーキズムという思想がありますが、果たして権力のない世界などあり得るのでしょうか。闇雲に権力を忌避するのではなく、いかに権力とうまく付き合うかについて、参考になる本を教えてください

  • 質問のジャンル

政治思想

  • おすすめする本(タイトル/著者/出版社)

革命について/ハンナ・アレント/ちくま学芸文庫

  • 書評

権力を忌避する人々は、おそらく権力と自由を背反するものとして捉えているのだろう。

その対立を先鋭化させた例としては、公共の福祉を名目とした、国家による土地の収用などが挙げられる。こうした主張に対して、ハンナ・アレントは真っ向から対立する権力観を提示する。彼女に拠れば、権力のないところに自由は生じ得ない。

アレントの主著「革命について」は、フランス革命とアメリカ革命の比較を行い、自由を実現する公的空間の創設に成功した、後者を評価する。フランス革命もアメリカ革命も、全く新しい歴史の時間軸を作り出し、既存の政治体、つまり権力から人民を解放する点は共通している。しかし、権力からの解放は、単に価値に序列のない自然状態に人民を投入するだけで、即座に自由を意味するものではない。

フランス革命では、権力を持たない人民は、ついに正統な政治体を構成することができず、「自由の専制」というロベスピエールの逆説を見ることになる。一方のアメリカ革命では、独立宣言と同時に13植民地がそれぞれ憲法を起草するなど、国王ではなく人民こそが権力の源泉であるという思想が実践され、意見や利害を自由に陳述する政治体を速やかに構成することができた。

ロビンソン・クルーソーにでもならない限り、おそらく人間は権力と無縁に生きていくことはできない。そうである以上、政治体を無視した私利私欲は、善悪を別にして、自由というより文字通り私利私欲でしかない。もし不満があるのならば、まずは権力の存在を真摯に受容し、自由な政治体の構成に参画して、その上で意見を陳述すればよいのだ。

権力に不満を言うことはたやすい。サークルや団体のミーティングでも、既存の方針に反対意見を出すことなら誰でもできる。しかしそれは、暴力さえあれば、それを行使してでも私利私欲を貫徹することと、実はあまり変わりがない。そう思うようになってから、私は無責任に反対意見だけを出すことをやめた。

「権力とは、人々が約束をなし約束を守ることによって創設行為のなかで互いに関係し結び合うことのできる、世界の介在的空間にのみ適用される唯一の人間的属性である。そして、それは政治領域では最高の人間的能力とみてさしつかえないだろう。」

権力を認容し、自由を構成していくことが、うまい権力との付き合い方なのではないか。



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