- ユーザー名
- 質問のタイトル
女性として強く生きたい
- 質問の内容
就職を目前に向かえ、改めて日本社会における男女の雇用のあり方の違いを目の当たりにしています。女性の自分が今の世の中を強く生きていくための一冊を教えてください。
- 質問のジャンル
ジェンダー
- おすすめする本(タイトル/著者/出版社)
細川ガラシャ夫人/三浦綾子/新潮文庫
- 書評
今をさかのぼること400年前、女性は男性の所有物であり、政略の道具として扱われていた。明日のわが身さえも分からない戦国の世においては、お家を存続させるためには血のつながった実の母でさえも敵方の人質として差し出さねばならなかった。そのような時代においては今よりももっと女性が女性らしく生きるのは難しかっただろう。
この物語の主人公玉子(細川ガラシャ)は、もとは織田信長を本能寺で破った明智光秀の娘である。姉が政略のために嫁いでいく姿を幼い頃から見ていた玉子は、そのように女性が男性の道具として扱われる世の中に対して素直に疑問を投げかける。
「なぜお玉は女に生まれたのでしょう。女は男より弱い。それがなんとも口惜しゅうございます」
「男はなぜ、女を道具のように扱うのか、女も男と同じ情を持つ人間ではないか」
やがて細川家に嫁いだ玉子は父光秀の謀反によって戦国の世の荒波に巻き込まれていく。しかし玉子はそのような激動の人生の中でキリスト教と出会い、人間らしい生き方を模索していく。
人は往々にして自分に立ちはだかる苦難に対して、不平不満をこぼし、その不運を嘆く。もしその苦難の原因が自分にないのなら尚更だ。
人生は苦難の連続だ。だからこそその苦難をいかにして受け入れ、自分らしく生きていくかという生への態度がその人の人生を大きく変えるのだと思う。この物語の主人公は女性だけれど、男性である俺自身玉子の生き方にとても深い感銘を受けた。
環境や運命のせいにすることは誰にでも出来る。しかしそれを受け入れてなお人間らしく自分らしく生きようとすることは誰にでも出来ることではない。38歳という若さで悲劇の死を遂げた玉子の人生はそんなことを教えてくれている気がする。