- ユーザー名
- 質問のタイトル
最貧国の経済事情
- 質問の内容
いわゆる「最貧国」の実質の経済、そして彼らがどのようにして経済発展を遂げようとしているのか、TVなどのメディアを通してみる、いかにも「かわいそうに見せる映像」だけでは実態がよくわかりません。
- 質問のジャンル
国際経済(開発経済)
- おすすめする本(タイトル/著者/出版社)
The End of Poverty/Jeffrey Sachs/penguinbooks
- 書評
著者は28歳でハーバードの経済学部で助教授になったエリート。
この本は、そんな彼が自らの机上での経済理論と、ヨーロッパ・アフリカ・南米での実体験をまとめた自伝的著作。日本語の訳本はおそらく今のところないが、前書きをU2のONOが書いていることから推測できる通り難しい英語や数学は使われていないので、読みきることができるはずです。
前半1~4章までは開発経済における基本的な理論の説明が続き、5章から実際の各国の事情に即した”臨床経済”的研究が綴られている。
5章では、ボリビアのハイパーインフレーションと超過債務を解決するプロセスが図説や写真、グラフつきで説明されており、基本的なマクロ経済を復習すると同時に経済理論だけでは解決できない臨床経済の問題点をあらわにする。時に、我々は自分たちの経済環境を「常識的なこと」としてみなしがちであるが、例えば、所得税の導入が最貧国と呼ばれる国々においては以下に困難なことか、など通常の理論書には見当たらない事実を、まるで歴史小説のような文体の中で新たに発見することができる。
タイトルからも分かるとおり、著者は次の20年間のうちに、世界から「貧困」をなくすことができると主張する。この本は、彼の主張を正確にサポートするには不十分だが、最貧国の可能性や、日本やアメリカといったいわゆる「先進国」がとるべき姿が見えてくる。開発経済の基礎や最貧国の現在の経済事情を知るにはうってつけの本である。