リミット - (2010/04/22 (木) 01:49:07) の1つ前との変更点
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*リミット◆WWhm8QVzK6
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タケモト達が館で話し合っている頃、右上はデパートにいた。
彼はエントランスに陣取り、部下数名は別フロアの調査を行っている。
一応一通り見回ったのだが特に異常は見当たらなかった。
彼が見るのは『ある』か『ない』かだけなのでそれで充分なのだが。
「一応左上に確認取っとくか……」
徐に無線機を取り出し、回線を繋げる。
電子音が静かに響く。3回鳴ったところでようやく相手が出た。
《遅かったですね。貴方ならすぐに来ると思いましたが》
「仕方ねーだろうが。部下の手前気楽に話せるかよ」
《で、用件は何ですか?聞くまでも無いと思いますけど》
「チルノの単一世界からの同期にしては規模がデカすぎる。考えたくも無いが魔力の感じから言って……」
《ええ、ドナルドです》
「……」
薄々感づいていたことだが、流石の事態に右上は一瞬言葉を失った。
《しかも複数の世界に『孔』を開けてそこからの魔力供給を行っています。情報の同期は流石に行えないようですが》
「科学的に観測できるレベルか……やってんのは今のところ平行世界からの魔力供給だけなんだな?」
《まあ宝石剣レベルですね。それならば脱出される虞はありません》
「わからんぞ。何しろドナルドだからな」
《いいえ、彼がそのレベルに達するまでは到底時間が足りません》
「もうちょっと乗れよ……」
まあ左上が言うのならば理論上はそうなのだろう。
少なくともこのゲーム中にそこまで到達するとは思えない。
ブロリーの時とは違い妙な安心感があるのは、やはりブロリーではないからか。
《どれだけドナルドが魔力を無限に調達できようとも、彼が彼である以上ブロリーほどの危険因子には成り得ませんから》
それより危惧すべきは、ドナルドが並行世界に『孔』を開けることによる弊害だ。
もし出来た『孔』に外部から気付かれた場合、それを利用される可能性がある。
そこを通られた場合、あらゆる防衛システムはザル同然。いとも容易く進入されてしまうだろう。
《しかし…やはりこの場合の対策は立てにくいですね。物理的な防衛手段を置いておきますが≫
「ああ、俺も検討しておく」
内から外は何の心配もいらない。
だが、何か見落としているような、そんな感覚が右上からは拭えなかった。
それでもどうしようもないことは確かなのだが。
「そんじゃそろそろ切るぜ。こっちは作業に戻る」
《……――少し待ってください。どうやらタケモトらがデパートに向かうようです》
「あ?距離的に間に合うだろ」
《それが会場の端を調べるようで…おそらくループ機能には気づくでしょう》
「…館か。拙いな。わかった、すぐに切り上げる」
《了解。最低でも放送10分前には戻ってください》
「当たり前だ。次は俺だからな」
無線を切る。続いて召集信号。
時間に少し余裕はあるものの、出来る限りリスクは排除したい。
(……っと、やべえ、調べ忘れてた!)
まだ調べていない場所があった。
右上は即座にその場所に走る。
デパートの地下一階。おおよそ倉庫のような扱いだが物は殆ど置いていない。
地下一階は此処しかないので右上が受け持つことにしていたのだが、ドナルドの件に気を取られていた。
ドアを開ける。無論中には誰もいない。
(大丈夫、か…痕跡は見当たらねえし。何もないところには何も隠せないだろ)
――もっと詳しく調べていれば、或いは。
いや、発見していたとしてもこの短時間ではどうにもならなかっただろう。
隠し扉を破壊して中のモノを押収し、デパートから撤収するには圧倒的に時間が足りない。
右上が戻ってみれば全員が集合していた。
即座に先導してデパートから脱出する。探知機では既にタケモト一行は端にまで到着していた。
降りてくるまで10分もかかるまい。
(危なかったな……。ともかくまあ、次は洞窟と映画館か)
一応データは整理せねばならないが、引き続き調査は続けるつもりだ。
だとするならばアレが見つかるのは時間の問題。そこから辿られればタケモト達の行動も明るみに出てしまうだろう。
勿論何を手に入れたかまでは判別の仕様がない。しかし、間違いなく接触はあったと判断される。
リミットはもう、そこまで迫っていた。
※結局デパートの隠し部屋の存在には気づきませんでした。
※次の調査箇所は洞窟と映画館です。回る順序は次の書き手にお任せします。
|sm229:[[闇が降りてくる]]|[[時系列順>第五回放送までの本編SS]]|sm:[[]]|
|sm229:[[闇が降りてくる]]|[[投下順>201~250]]|sm231:[[]]|
|sm228:[[正義の味方Ⅴ -You're Not Alone!-]]|右上|sm:[[]]|
|sm212:[[第四放送]]|左上|sm:[[]]|
*リミット ◆WWhm8QVzK6
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タケモト達が館で話し合っている頃、右上はデパートにいた。
彼はエントランスに陣取り、部下数名は別フロアの調査を行っている。
一応一通り見回ったのだが特に異常は見当たらなかった。
彼が見るのは『ある』か『ない』かだけなのでそれで充分なのだが。
「一応左上に確認取っとくか……」
徐に無線機を取り出し、回線を繋げる。
電子音が静かに響く。3回鳴ったところでようやく相手が出た。
《遅かったですね。貴方ならすぐに来ると思いましたが》
「仕方ねーだろうが。部下の手前気楽に話せるかよ」
《で、用件は何ですか?聞くまでも無いと思いますけど》
「チルノの単一世界からの同期にしては規模がデカすぎる。考えたくも無いが魔力の感じから言って……」
《ええ、ドナルドです》
「……」
薄々感づいていたことだが、流石の事態に右上は一瞬言葉を失った。
《しかも複数の世界に『孔』を開けてそこからの魔力供給を行っています。情報の同期は流石に行えないようですが》
「科学的に観測できるレベルか……やってんのは今のところ平行世界からの魔力供給だけなんだな?」
《まあ宝石剣レベルですね。それならば脱出される虞はありません》
「わからんぞ。何しろドナルドだからな」
《いいえ、彼がそのレベルに達するまでは到底時間が足りません》
「もうちょっと乗れよ……」
まあ左上が言うのならば理論上はそうなのだろう。
少なくともこのゲーム中にそこまで到達するとは思えない。
ブロリーの時とは違い妙な安心感があるのは、やはりブロリーではないからか。
《どれだけドナルドが魔力を無限に調達できようとも、彼が彼である以上ブロリーほどの危険因子には成り得ませんから》
それより危惧すべきは、ドナルドが並行世界に『孔』を開けることによる弊害だ。
もし出来た『孔』に外部から気付かれた場合、それを利用される可能性がある。
そこを通られた場合、あらゆる防衛システムはザル同然。いとも容易く進入されてしまうだろう。
《しかし…やはりこの場合の対策は立てにくいですね。物理的な防衛手段を置いておきますが≫
「ああ、俺も検討しておく」
内から外は何の心配もいらない。
だが、何か見落としているような、そんな感覚が右上からは拭えなかった。
それでもどうしようもないことは確かなのだが。
「そんじゃそろそろ切るぜ。こっちは作業に戻る」
《……――少し待ってください。どうやらタケモトらがデパートに向かうようです》
「あ?距離的に間に合うだろ」
《それが会場の端を調べるようで…おそらくループ機能には気づくでしょう》
「…館か。拙いな。わかった、すぐに切り上げる」
《了解。最低でも放送10分前には戻ってください》
「当たり前だ。次は俺だからな」
無線を切る。続いて召集信号。
時間に少し余裕はあるものの、出来る限りリスクは排除したい。
(……っと、やべえ、調べ忘れてた!)
まだ調べていない場所があった。
右上は即座にその場所に走る。
デパートの地下一階。おおよそ倉庫のような扱いだが物は殆ど置いていない。
地下一階は此処しかないので右上が受け持つことにしていたのだが、ドナルドの件に気を取られていた。
ドアを開ける。無論中には誰もいない。
(大丈夫、か…痕跡は見当たらねえし。何もないところには何も隠せないだろ)
――もっと詳しく調べていれば、或いは。
いや、発見していたとしてもこの短時間ではどうにもならなかっただろう。
隠し扉を破壊して中のモノを押収し、デパートから撤収するには圧倒的に時間が足りない。
右上が戻ってみれば全員が集合していた。
即座に先導してデパートから脱出する。探知機では既にタケモト一行は端にまで到着していた。
降りてくるまで10分もかかるまい。
(危なかったな……。ともかくまあ、次は洞窟と映画館か)
一応データは整理せねばならないが、引き続き調査は続けるつもりだ。
だとするならばアレが見つかるのは時間の問題。そこから辿られればタケモト達の行動も明るみに出てしまうだろう。
勿論何を手に入れたかまでは判別の仕様がない。しかし、間違いなく接触はあったと判断される。
リミットはもう、そこまで迫っていた。
※結局デパートの隠し部屋の存在には気づきませんでした。
※次の調査箇所は洞窟と映画館です。回る順序は次の書き手にお任せします。
|sm229:[[闇が降りてくる]]|[[時系列順>第五回放送までの本編SS]]|sm:[[]]|
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