水面下にて - (2010/07/08 (木) 16:35:50) の最新版との変更点
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*水面下にて ◆T0ldTcn6/s
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【C-4 病院/2日目・朝】
「あの鴉天狗は死んだ、か……」
これで幻想郷の知り合いで生存者はチルノのみ。
御しやすい状況になったと咲夜は微笑む。
相手は大した力のない氷精だ。
正面衝突して押し負けることはまずあり得ない。
力の差を埋めるだけの頭脳があるのかと聞かれればそれも否。
むしろ口車に乗せることで体良く利用できるかもしれない。
どちらにしろ同郷からの脅威はゼロになったと言える。
「だけどスネークとベジータが生きてるということは……」
2人は潰し合うことなく、和解したと言うこと。
次にベジータと遭遇すれば戦闘は不可避であろう。
もしかすると現在進行形でこの病院に向かっているかもしれない。
だが、病院で戦うならば地の利は咲夜のものだ。
部屋の間取りや病院の内部構造、今の咲夜はその全てを完全に把握している。
放送前の暇な時間を使って、地道に病院を散策しておいた甲斐があったといえる。
状況次第では病院内を逃げ回りながら隙を伺うという戦い方も可能だ。
「ただ問題は病院自体を破壊されると困るということよね」
亡きフラン様をはじめ、幻想郷には石造りの建物程度を易々と破壊する者は大勢いる。
そして、同等の実力者がこの殺し合いにも混じっている。例えばブロリーなんてそうだ。
弱点を看破されるか、あるいは敵が自棄になるか。
それで標的を自分ではなく病院へ切り替えられてしまったならば。
咲夜にとっては致命的である。
なにせ今の咲夜は吸血鬼。陽光は天敵だ。
余談として。
日光に対してどの程度の耐性はあるか試しておきたいのは山々だが、咲夜はそれを成す方法が未だ浮かんでいない。
まさか自分から太陽の下へ出るなんてできようか。
少し痛かった程度で済めばいいのだが、酷ければそのまま死んでしまうことも十分あり得る。
自分の命を掛け金にするほどの十六夜咲夜は愚かではない。
「上手く苛立たせない程度に相手をして……病院への被害が大きくならないうちに、手早く仕留めるしかないわね」
瀟洒な従者は結論を出した。
こればっかりは根本的な解決は望めない。
相手の実力・性格如何で対処も変わる。
アドリブを効かせるしかあるまい。
【A-3 館前/2日目・朝】
「これからどうするの?」
「そうだねぇ……」
リンの質問に対し、ドナルドは軽く腕を組む。
タケモト達の位置を探ることができれば話が早かったのだが、あちらさんの移動は思った以上に迅速らしい。
魔力全開で探知を行使しても行方を掴むことはできなかった。
となると、まずは当面の目的地をどこに据えるか、だが。
(やはりデパートは遠すぎるね。そもそもタケモト達は本当にデパートに向かったのか怪しいんだけどさ)
リンが拘束、放置されていたと言うことはタケモト達は彼女を敵視したと言うことだ。
にも拘らず、わざわざ生かしたのはおそらくチルノの意向が強いとみている。
彼女は殺し合いに乗った危険人物に対してすらも、不殺を貫こうとした。
その信念はドナルドの話術をもってしても崩せなかったほどだ。
単純馬鹿すぎるがゆえに揺らぐことがないのだろう。
ドナルドに言わせれば、危険人物がまだ徘徊している状況で人を捨て置くなど間接的に殺しているようなものなのだが。
どうせチルノのことだ。その辺まで頭が回らなかっただけだとしても別に不思議ではない。
何にせよ重要なことではないので、この際置いておく。
懸念は1点。
――敵であるリンにわざわざ真実を教えるのか?
(ここからは真か偽で場合を分けて考えようか)
タケモト達はデパートへ向かった。
これが真である場合、待ち伏せを考えているものと思われる。
移動手段がロードローラーならば徒歩で動く我々では追いつけまい。
デパートに仕掛けをする猶予はある。
弱者の考えそうなことだ。有利な土俵を造り、その上で戦う。
しかし……これはこれで厄介ではある。
右腕が使えないのでは一杯食わされるかもしれない。
思惑に乗ってデパートに向かってやる必要はないだろう。
乗り込むなら自分たちも相応の準備を整えてから、だ。
偽である場合はもっとわかりやすい。
タケモト達の狙いは時間稼ぎだ。
デパートに向かう必要は最初からない。
(なんだ、簡単じゃないか)
正解は、デパートには向かわないこと。
相手が自分を避けるならば、わざわざ追いかけずにお望みどおり寄り道をしてやればいい。
地図を広げる。
館の周りはすっきりしており、向かうとしたら島の中央部か。
その中で探索する価値のある場所といえば……
「うん、病院に行こうか」
【C-4 病院/2日目・午前】
「……」
誰も、来ない。
もう放送から2時間近く経過している。
ベジータが、あるいはスネークが単身乗り込むなら、遅くとも1時間半前には激突しているはず。
これではあまりにも静かすぎる。
(無視されている?)
スネークは咲夜を憎んでいる。ベジータはプライドがやたらめったら高い。
どちらも感情任せで乗り込んでもおかしくないはず。
敢えて無視すると言うことは一体どういう状況だ。
相手側の最適戦略は……
(ま、まさか足手まといを別の施設に隔離しているというの!?)
血の気が引いた。
自分がスネークの立場にいるなら間違いなくそうすると考えて。
弱者を隔離すれば、フルメンバーで挑むことができる。
いくら咲夜に地の利があるとはいえ、こうなっては戦力に差がありすぎて戦うこと自体が間違いになる。
1人仕留めることはできても……生き残ることはまず無理だ。
さらに悪いことに朝日が差し込み始めた現状では病院から逃げることもできない。
咲夜は嫌でも死地に残り、対抗しなければならなくなったのだ。
――冗談じゃないわ
咲夜の顔には分かりやすいほどに焦りの色が滲んでいた。
スネークもベジータも咲夜を相手するだけの余裕がないだけ。
そんな風に思えるほどの楽観主義者ならどれだけ良かっただろうか。
瀟洒な彼女は常に物事を冷静に分析する。
夜ならば生き残る術はあっただろう。
しかし今は。どうあがいても絶望だ。
――DIOの奴、とんでもない置き土産を……!
吸血鬼の身体が恨めしい。
そう思ったときだった。
(……これは)
まともに日が昇ってしまったために、今の咲夜には窓から屋外を一望することはできない。
それゆえに他参加者が近づいても、病院内に入ってくるまで存在には気づけないと妥協していた。
何もしないよりはマシということで隠れて入り口を見張り続けていたとはいえ、正直なところ有効性は疑問の余地ありだ。
攻める側からすれば窓を破って進入したほうがリスクは低いし、守る側としても防ぎ難い。
だから、すでに病院内に敵が徘徊していることを念頭に置き、入り口よりも周囲の警戒を重視していたのだが。
今回はあまりにも勝手が違った。咲夜の想定を遥かに越える事態が発生したといっても差し支えない。
禍々しい気配が徐々に大きくなっていくのをその全身で感じたのだ。
病院に何者かが接近している。
(運が向いてきたと思うべきなのかしら? それとも余計に状況が悪くなった?)
【B-4 平原/2日目・午前】
「ところでちょっと聞きたいんだけど……その箱に入ってるのは何かしら?」
病院に向かう足を止めることなく、リンは口を開いた。
ドナルドと合流した時点で気になっていたのだが、相手が相手だけになかなか質問に踏み切れなかったらしい。
しかし、生き残る以上ドナルドの行動には注意を払う必要がある。
「これはチルノへのお土産さあ」
一方のドナルドはおどけた態度を崩さず、真実をあっさり公開する。
リンにはワケが分からない。
その疑問の表情を見て取ったのかドナルドは単刀直入にバッサリと、
「レンの仇さ。憎き彼女がこの中に入っている。もう死んでるけどね」
「な……」
リンの思考が止まる。
驚愕、憎悪、疑問、恐怖。
言葉に尽くすことすらできない数多の感情に支配され頭が回らない。
「これをチルノに届けてやろうと思ってね」
だから、ドナルドの思惑を理解するのに幾ばくかの時間が必要だった。
それに対して抱いたリンの感情は――複雑だった。
ただ仇討ちしただけなのに、仇討ち自体を否定したチルノ。
彼女にそれができたのは大切な半身を失ったことがないからに過ぎないとリンは考えている。
だったら、自分と同じ痛みをあの馬鹿にも味合わせてやりたい。
それから私の思いを全て叩き付けてやろう。
弟がいかに大事だったか、そしてその弟を亡き者にした射命丸がどうして許せるのか。
殺してやる、その決意があの馬鹿にもこれで理解できるはずだ。
だがそんな黒い願いと同時に、理性は警鐘も鳴らしていた。
チルノの感情を逆撫でするようなことを敢えてやったりしたら、
あるいは残虐なことを平気な顔で実行に移せるドナルドとともに行動していたら、
――今度こそ命がないのではないか?
「それより、もう着いたよ。病院」
だが天はリンに悩む暇を与えなかった。
(やはり誰かいるね。1人と言うことはタケモト達ではないな)
その能力を以ってして、予め内部に人がいると感じ取っていたドナルドは思案する。
この期に及んで単独行動を続けていると言うことは、優勝を狙っている可能性が高い。
病院に引き籠もっている理由は怪我をしているか、あるいは落ち武者狩りを狙っているか。
どちらにせよ接触しただけで噛み付かれることはなさそうだ。
対応は。
前者なら捨て駒として使ってやろう。
リンと同じく与える役目は弾避けだ。
仮に動けないようなら切り捨てる。
後者なら手駒に加える。
呂布のように意地を張って命を投げる可能性はほとんどないと見ていいだろう。
そんな奴は落ち武者を狩ろうだなんて考えないのだから。
肝心の使い道は実力次第になるか。
「それじゃ、入るよ」
「え、でも……」
玄関は完膚無きまでに破壊されてるんだけど、なんてリンが言い切る前に。
ドナルドは悠然と「穴」へ踏み込んだ。
【C-4 病院/2日目・午前】
(まさか堂々と表から進入してくるとはね)
咲夜が視界に捉えたのは2人組みだった。
片方は金髪の少女。
顔面が微妙に赤く腫れ上がっているのが印象的だった。
おそらく殴打されたのが原因だろう。
しかし、そんな小物はどうでもよく。
視線はもう片方へと集中していた。
顔には必要以上の厚化粧が施され、黄と赤を基調とした派手な衣装を身に纏った謎の人物。
それはまさに道化師と呼ぶよりほかなかった。
奇妙でやたらと濃い出で立ちはそれだけで目を引いたが、咲夜が気にしたのは別のところだ。
道化師の歩みと同時にガラガラと耳障りな音を立てる台車。
中身は少なくとも平和的なものではあるまい。
ダンボールに付着した僅かな血痕を咲夜は見逃さなかった。
そしてそれ以上に。
この道化師は禍々しい気配を隠そうともせず、ダラダラと周囲に垂れ流している。
――いや、「隠さない」のではなく「隠せない」のかしら?
押さえつけることが困難なほどに凶悪な力を有している。
咲夜にそう意識させるだけの迫力がドナルドにはあった。
(さて、交渉するのは間違いないけど。スネークに悪評を吹き込まれてないかが重要ね)
咲夜は第一印象だけで戦闘という選択肢をあっさりと切って捨てていた。
とはいえ、こちらに戦意はなくともあちらがどうかまではわからない。
ならば交渉決裂に備え、距離を詰めて会話すべきだろう。
自分のアドバンテージは言うまでもなく時間停止。
万が一のときは即座に能力を行使し、止まった時の中で喉笛を掻き切ればいい。
どれほどの強者であろうとも、その力を振るわせなければ恐れるものは何もない。
殺られる前に殺る。
時止めの持続が4秒だから、間合いは10メートル前後が丁度良さそうだ。
近づきすぎで警戒されることもないだろう。
(ではさっそく)
通路の奥からゆっくりとメイドが姿を現した。
ドナルドは足を止め、リンもそれに倣う。
警戒を見て取った咲夜は一旦、歩くのをやめた。
「こちらに戦意はないわ。話がしたいだけよ。
そちらに行ってかまわないかしら」
両者の距離は目測で20メートル以上離れている。
咲夜としてはもう少し距離を詰めなければ、4秒の猶予で人を殺すにはギリギリだ。
だが飛び道具でいきなり狙われると通路脇の部屋に飛び込まざるを得なくなるため、ひとまずは相手の意思を問うことにしたのだ。
交渉には慎重を要する。
「いいよ、おいでよ」
道化師は笑顔のまま手招きした。
脇の少女はビクついているが、反対はしないようだ。
ならばと、咲夜は接近を再開した。
もちろん、2人の一挙一動は注視したままだ。
結局は杞憂に終わり、何事もなく「射程距離」に道化師を入れることに成功する。
第一段階、クリア。
「話す前に自己紹介だね。それとも場所を変えたほうがいいかな?
玄関口で立ち話するのもあまり気分は良くないだろうしさ。
それにしても手入れが行き届いてるよね。
たぶんあそこの車が突っ込んだんじゃないかな。
きっと瓦礫とかが凄いことになっていたんだろうね」
お前の容姿のほうが気分が悪い、場所を変えるといいつつ無駄話をするなよ、などと突っ込みどころ満載ではあったが。
あえて黙る。道化師にとりあえず戦うつもりがないことがわかった以上、ここで殺る必要はない。
だが、まだだ。
「十六夜咲夜」の名を知った途端に手のひらを返す可能性がまだ残っている。
「いえ、まずは自己紹介としましょう。場所を変えるのはそれからよ」
ゆえにいつでも殺せる状態を維持しつつ、相手の情報を得るのが望ましい。
「わかったよ。僕はドナルド。それでこっちの娘は――」
「……鏡音リン」
「うん。次は君の番だよ」
「十六夜咲夜よ」
「へえ……君の事はチルノから聞いてるよ。
お近づきの印にハンバーガー4個分どうかな?」
「いいえ、結構」
「アラー、残念だなぁ」
ドナルドは内心で笑いが止まらなかった。
時を操る能力者、十六夜咲夜と接触できたのだ。
寄り道のつもりがまさかの収穫だった。
一方の咲夜はというと。
ドナルドが笑みを深めたのを見て、懐のナイフに手を伸ばしかけたのだ。
もちろんそのナイフは振るわれるどころか握られることすらなく、仮初の友好を壊さずに済んだことへ咲夜は胸を撫で下ろした。
ちなみにドナルドは一瞬の挙動不審に気づいたのだが、
今の自分が負けるわけがないと固く信じきっているためスルーしている。
幸か不幸か、その事実を咲夜は知らない。
彼女の思考は「悪評を吹き込まれてるわけではなさそう」という一点に集中していた。
(なるほど、どうやら運が向いてきたみたいね。
情報源がチルノならあまり重要なことは漏れてないでしょう)
把握してるのは、せいぜい時を操るらしいということぐらいだろう。
お馬鹿なチルノのことだ。
触りだけを話して、具体性に踏み込んだ説明まではやっていまい。
結論。
目の前の道化師――ドナルドとは交渉しても問題ない。
むしろ交渉し、味方として利用すべき相手だ。
脇でビクビクしている足手まとい――鏡音リンについては、後々始末するとして当面は放置でいいだろう。
本音は「さっさと殺したい」だが、それではドナルドと敵対する羽目になる。
「それじゃあ、場所を変えましょう。待合室が無事だからそこに案内するわ」
……
…………
……………………
「へぇ、大変だったんだね。遭遇した人が殆どみんな敵で仲間を作れなかったなんて」
「ええ、自分の不運が恨めしいわ。こうも好戦的な人間ばっかりしか知り合えないなんて」
「でも、殆どは自分の与り知らない所で死んでるよね」
「それだけは感謝したいところだわ。スネークとベジータがまだ生きてる以上、安心なんてできないけど」
咲夜の設定は表向き「善良な人間」である。
あるときはサンレッドを、またあるときはベジータをも騙し切った偽りの仮面。
違う点があるとすれば、ドナルドには素顔が完全に割れているということか。
(この女、見え透いた嘘を。情報が圧倒的に不足しているようだな。
今現在において単独行動をとっている事実がどういう意味を持つか全く分かっていないようだ)
敢えて断っておくが、ドナルドは十六夜咲夜が馬鹿とは微塵も思っていない。
むしろ非常に頭の切れる参加者だと認識している。
だからこそ、無知とはかくも恐ろしいな、とドナルドは内心で咲夜を嘲笑った。
好戦的な参加者はほとんど死滅していること。
主催に刃向かう参加者同士が徒党を組み始めていること。
十六夜咲夜はこれらの事実を知らないのだろう。
もはや単独行動をとっている人間は焙れてしまったか、あるいは危険人物のどちらか。2つに1つだ。
そして遭遇の多い咲夜が前者とは考えにくい。
皮肉にも咲夜の嘘はドナルドの「十六夜咲夜は優勝狙い」という仮説に根拠を与えたに過ぎなかったのだ。
すると咲夜が目撃したという死者のうち、何人かは咲夜自身の手による犠牲者になるわけだ。
ドアラ、やる夫はスネークに殺されたと主張しているが、これが特に怪しそうだ。
逆演算的に咲夜と敵対した者――スネークとベジータ――は殺し合いに消極的と推測できる。
タケモト達と合流されると面倒になりそうだ。
(さて、こっちはどう出るべきかな)
目標は十六夜咲夜を手中に収め、あわよくば洗脳すること。
それを成すべく、ドナルドは――
【C-4 病院、1F待合室/2日目・午前】
【十六夜咲夜@東方project】
[状態]腰、腹、左腰に重い打撲(再生中)、全身に軽い打撲(再生中)、吸血鬼化
[装備]時計型麻酔銃@名探偵コナン
[道具]支給品一式(水抜き)、ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、
メス10本、痛PSP@現実、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG
[思考・状況]基本思考:優勝し、死亡者含め全ての参加者を元の所に戻すと主催に望む
1:ドナルドを味方につけて、利用する。段ボール箱は気になるが触れるべきか……
2:夜が来るまで病院に潜む。
3:鏡音リンは頃合を見て始末。
【備考】
※ときちくは姿しか知りません。
※時間操作は4秒が限度です。停止した後に使用するには数秒のブランクが必要です。
※飛行が可能かどうかはわかりません。
※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。
※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と考えています。
※やる夫のデイパックは列車内に放置してあります。
※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました
※カミーユ・ビダンの死体を確認。首輪を解除しようとしてる人がいると推測しました
※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。
※ヤバいDISCがINしました。スタープラチナの真の能力にも気づきました。
※吸血鬼化しましたが、本家吸血鬼と比べると回復やパワーアップが小さいです。
※基本支給品と計量匙、及びフジキがC-4からD-4にかけて散らばっています。
※DIOの支給品を回収しました。
※塚モールで火事が発生しています。
※第四放送を聞き逃しましたが、べジータから聞きました。
※スタープラチナのDISCから承太郎の記憶の断片を読み取ったようです。
※べジータと情報交換をしました。しかし自分が吸血鬼であること、美希やDIOを殺害したことは伏せています。
※阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック、便座カバー@現実はDIOのデイバッグと一緒に病院の奥の部屋にあります。
※コンバット越前とKAITOの死体は病院の奥の部屋にあります。
※病院の入り口が綺麗になっています。
【ドナルド・マクドナルド@ドナルド動画(現実)】
[状態]:左腕骨折(割と治癒)、魔力ほぼ無限状態
[装備]:改造段ボール箱(荷台つき、中に文の死体)
[道具]:支給品一式×2(一食分水・食料消費)、ランサーアサルトライフル(213/350)@Gears of War2、工作に使った道具の余り
魔法の石@Heart Of Darkness
『呂布の支給品』基本支給品×2(食料・水-2)三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、 葉団扇@東方project、包丁@現実、射命丸文のカメラ@東方project
サバイバルナイフ@現実、拳銃(0/6予備弾24)@デスノート、 方天画戟@三国志Ⅸ、イージス@FF11
スナック菓子×3、飴×3袋、時計型麻酔銃の予備針(残り2発)@名探偵コナン、果物ナイフ
[思考・状況]
基本思考:教祖として信者を沢山作りつつ、信者を指揮してバトルロワイアルを盛り上げ主催者になりかわる
1:十六夜咲夜を洗脳し対主催の足がかりにする。首輪をどうにかしておきたい。会場の端が気になる。
2:チルノ達をどうにかする。チルノは弄んだ上で殺す
3:文の死体はチルノやタケモトに突きつけるために運ぶ。恐怖を与える細工はしたけどね。
4:言葉を駒として徹底的に利用する。逃がすつもりは毛頭ない。
5:タケモトの首輪解除及び無力化のための手伝いをする。利用した後は……
6:藤崎や馬岱等が楽しみ。
7:リンを同行させる。
※僧侶のネガキャンを聞きました。
※馬岱から妖術と幻術をラーニングしました。
※藤崎が生きていることを知りました。また、藤崎が何らかの形で変化が起こったと推測しています。
※首輪解除班の情報を得ました。誰得の部屋については知りません。
※ときちくから情報を得ました。
※タケモトと文はグルだと判断しました。
※自分の能力を大体把握しました。
※荷台に改造した段ボール箱を固定し、その中に文の死体を入れて運んでいます。
※文の死体は両目を潰され、内臓が露出しています。ただし、知人が見れば文と一発で判断できます。
【鏡音リン@VOCALOID2(悪ノ娘仕様)】
【状態】顔がぼこぼこ(行動には痛み以外での支障なし)、軽度の疲労、
右腕骨折(応急手当済み)、 精神疲労
【装備】なし
【持物】なし
【思考・行動】
基本思考:最後まで生き残る。
1:ドナルドとこのまま一緒に行動して大丈夫か不安。
2:直接的に仕返しはしない。
3:咲夜についてはドナルドに任せるつもり
4:バトルロワイアルに恐怖。元の世界に帰りたい
※色々と現実逃避しています
※タケモトらの話を聞きました。
※持ち物はときちくに奪われました
|sm236:[[ライフスタイル]]|[[時系列順>第六回放送までの本編SS]]|sm:[[]]|
|sm236:[[ライフスタイル]]|[[投下順>201~250]]|sm237:[[]]|
|sm228:[[焦燥]]|十六夜咲夜|sm:[[]]|
|sm236:[[ライフスタイル]]|ドナルド・マクドナルド|sm:[[]]|
|sm236:[[ライフスタイル]]|鏡音リン|sm:[[]]|
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*水面下にて ◆T0ldTcn6/s
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【C-4 病院/2日目・朝】
「あの鴉天狗は死んだ、か……」
これで幻想郷の知り合いで生存者はチルノのみ。
御しやすい状況になったと咲夜は微笑む。
相手は大した力のない氷精だ。
正面衝突して押し負けることはまずあり得ない。
力の差を埋めるだけの頭脳があるのかと聞かれればそれも否。
むしろ口車に乗せることで体良く利用できるかもしれない。
どちらにしろ同郷からの脅威はゼロになったと言える。
「だけどスネークとベジータが生きてるということは……」
2人は潰し合うことなく、和解したと言うこと。
次にベジータと遭遇すれば戦闘は不可避であろう。
もしかすると現在進行形でこの病院に向かっているかもしれない。
だが、病院で戦うならば地の利は咲夜のものだ。
部屋の間取りや病院の内部構造、今の咲夜はその全てを完全に把握している。
放送前の暇な時間を使って、地道に病院を散策しておいた甲斐があったといえる。
状況次第では病院内を逃げ回りながら隙を伺うという戦い方も可能だ。
「ただ問題は病院自体を破壊されると困るということよね」
亡きフラン様をはじめ、幻想郷には石造りの建物程度を易々と破壊する者は大勢いる。
そして、同等の実力者がこの殺し合いにも混じっている。例えばブロリーなんてそうだ。
弱点を看破されるか、あるいは敵が自棄になるか。
それで標的を自分ではなく病院へ切り替えられてしまったならば。
咲夜にとっては致命的である。
なにせ今の咲夜は吸血鬼。陽光は天敵だ。
余談として。
日光に対してどの程度の耐性はあるか試しておきたいのは山々だが、咲夜はそれを成す方法が未だ浮かんでいない。
まさか自分から太陽の下へ出るなんてできようか。
少し痛かった程度で済めばいいのだが、酷ければそのまま死んでしまうことも十分あり得る。
自分の命を掛け金にするほどの十六夜咲夜は愚かではない。
「上手く苛立たせない程度に相手をして……病院への被害が大きくならないうちに、手早く仕留めるしかないわね」
瀟洒な従者は結論を出した。
こればっかりは根本的な解決は望めない。
相手の実力・性格如何で対処も変わる。
アドリブを効かせるしかあるまい。
【A-3 館前/2日目・朝】
「これからどうするの?」
「そうだねぇ……」
リンの質問に対し、ドナルドは軽く腕を組む。
タケモト達の位置を探ることができれば話が早かったのだが、あちらさんの移動は思った以上に迅速らしい。
魔力全開で探知を行使しても行方を掴むことはできなかった。
となると、まずは当面の目的地をどこに据えるか、だが。
(やはりデパートは遠すぎるね。そもそもタケモト達は本当にデパートに向かったのか怪しいんだけどさ)
リンが拘束、放置されていたと言うことはタケモト達は彼女を敵視したと言うことだ。
にも拘らず、わざわざ生かしたのはおそらくチルノの意向が強いとみている。
彼女は殺し合いに乗った危険人物に対してすらも、不殺を貫こうとした。
その信念はドナルドの話術をもってしても崩せなかったほどだ。
単純馬鹿すぎるがゆえに揺らぐことがないのだろう。
ドナルドに言わせれば、危険人物がまだ徘徊している状況で人を捨て置くなど間接的に殺しているようなものなのだが。
どうせチルノのことだ。その辺まで頭が回らなかっただけだとしても別に不思議ではない。
何にせよ重要なことではないので、この際置いておく。
懸念は1点。
――敵であるリンにわざわざ真実を教えるのか?
(ここからは真か偽で場合を分けて考えようか)
タケモト達はデパートへ向かった。
これが真である場合、待ち伏せを考えているものと思われる。
移動手段がロードローラーならば徒歩で動く我々では追いつけまい。
デパートに仕掛けをする猶予はある。
弱者の考えそうなことだ。有利な土俵を造り、その上で戦う。
しかし……これはこれで厄介ではある。
左腕が使えないのでは一杯食わされるかもしれない。
思惑に乗ってデパートに向かってやる必要はないだろう。
乗り込むなら自分たちも相応の準備を整えてから、だ。
偽である場合はもっとわかりやすい。
タケモト達の狙いは時間稼ぎだ。
デパートに向かう必要は最初からない。
(なんだ、簡単じゃないか)
正解は、デパートには向かわないこと。
相手が自分を避けるならば、わざわざ追いかけずにお望みどおり寄り道をしてやればいい。
地図を広げる。
館の周りはすっきりしており、向かうとしたら島の中央部か。
その中で探索する価値のある場所といえば……
「うん、病院に行こうか」
【C-4 病院/2日目・午前】
「……」
誰も、来ない。
もう放送から2時間近く経過している。
ベジータが、あるいはスネークが単身乗り込むなら、遅くとも1時間半前には激突しているはず。
これではあまりにも静かすぎる。
(無視されている?)
スネークは咲夜を憎んでいる。ベジータはプライドがやたらめったら高い。
どちらも感情任せで乗り込んでもおかしくないはず。
敢えて無視すると言うことは一体どういう状況だ。
相手側の最適戦略は……
(ま、まさか足手まといを別の施設に隔離しているというの!?)
血の気が引いた。
自分がスネークの立場にいるなら間違いなくそうすると考えて。
弱者を隔離すれば、フルメンバーで挑むことができる。
いくら咲夜に地の利があるとはいえ、こうなっては戦力に差がありすぎて戦うこと自体が間違いになる。
1人仕留めることはできても……生き残ることはまず無理だ。
さらに悪いことに朝日が差し込み始めた現状では病院から逃げることもできない。
咲夜は嫌でも死地に残り、対抗しなければならなくなったのだ。
――冗談じゃないわ
咲夜の顔には分かりやすいほどに焦りの色が滲んでいた。
スネークもベジータも咲夜を相手するだけの余裕がないだけ。
そんな風に思えるほどの楽観主義者ならどれだけ良かっただろうか。
瀟洒な彼女は常に物事を冷静に分析する。
夜ならば生き残る術はあっただろう。
しかし今は。どうあがいても絶望だ。
――DIOの奴、とんでもない置き土産を……!
吸血鬼の身体が恨めしい。
そう思ったときだった。
(……これは)
まともに日が昇ってしまったために、今の咲夜には窓から屋外を一望することはできない。
それゆえに他参加者が近づいても、病院内に入ってくるまで存在には気づけないと妥協していた。
何もしないよりはマシということで隠れて入り口を見張り続けていたとはいえ、正直なところ有効性は疑問の余地ありだ。
攻める側からすれば窓を破って進入したほうがリスクは低いし、守る側としても防ぎ難い。
だから、すでに病院内に敵が徘徊していることを念頭に置き、入り口よりも周囲の警戒を重視していたのだが。
今回はあまりにも勝手が違った。咲夜の想定を遥かに越える事態が発生したといっても差し支えない。
禍々しい気配が徐々に大きくなっていくのをその全身で感じたのだ。
病院に何者かが接近している。
(運が向いてきたと思うべきなのかしら? それとも余計に状況が悪くなった?)
【B-4 平原/2日目・午前】
「ところでちょっと聞きたいんだけど……その箱に入ってるのは何かしら?」
病院に向かう足を止めることなく、リンは口を開いた。
ドナルドと合流した時点で気になっていたのだが、相手が相手だけになかなか質問に踏み切れなかったらしい。
しかし、生き残る以上ドナルドの行動には注意を払う必要がある。
「これはチルノへのお土産さあ」
一方のドナルドはおどけた態度を崩さず、真実をあっさり公開する。
リンにはワケが分からない。
その疑問の表情を見て取ったのかドナルドは単刀直入にバッサリと、
「レンの仇さ。憎き彼女がこの中に入っている。もう死んでるけどね」
「な……」
リンの思考が止まる。
驚愕、憎悪、疑問、恐怖。
言葉に尽くすことすらできない数多の感情に支配され頭が回らない。
「これをチルノに届けてやろうと思ってね」
だから、ドナルドの思惑を理解するのに幾ばくかの時間が必要だった。
それに対して抱いたリンの感情は――複雑だった。
ただ仇討ちしただけなのに、仇討ち自体を否定したチルノ。
彼女にそれができたのは大切な半身を失ったことがないからに過ぎないとリンは考えている。
だったら、自分と同じ痛みをあの馬鹿にも味合わせてやりたい。
それから私の思いを全て叩き付けてやろう。
弟がいかに大事だったか、そしてその弟を亡き者にした射命丸がどうして許せるのか。
殺してやる、その決意があの馬鹿にもこれで理解できるはずだ。
だがそんな黒い願いと同時に、理性は警鐘も鳴らしていた。
チルノの感情を逆撫でするようなことを敢えてやったりしたら、
あるいは残虐なことを平気な顔で実行に移せるドナルドとともに行動していたら、
――今度こそ命がないのではないか?
「それより、もう着いたよ。病院」
だが天はリンに悩む暇を与えなかった。
(やはり誰かいるね。1人と言うことはタケモト達ではないな)
その能力を以ってして、予め内部に人がいると感じ取っていたドナルドは思案する。
この期に及んで単独行動を続けていると言うことは、優勝を狙っている可能性が高い。
病院に引き籠もっている理由は怪我をしているか、あるいは落ち武者狩りを狙っているか。
どちらにせよ接触しただけで噛み付かれることはなさそうだ。
対応は。
前者なら捨て駒として使ってやろう。
リンと同じく与える役目は弾避けだ。
仮に動けないようなら切り捨てる。
後者なら手駒に加える。
呂布のように意地を張って命を投げる可能性はほとんどないと見ていいだろう。
そんな奴は落ち武者を狩ろうだなんて考えないのだから。
肝心の使い道は実力次第になるか。
「それじゃ、入るよ」
「え、でも……」
玄関は完膚無きまでに破壊されてるんだけど、なんてリンが言い切る前に。
ドナルドは悠然と「穴」へ踏み込んだ。
【C-4 病院/2日目・午前】
(まさか堂々と表から進入してくるとはね)
咲夜が視界に捉えたのは2人組みだった。
片方は金髪の少女。
顔面が微妙に赤く腫れ上がっているのが印象的だった。
おそらく殴打されたのが原因だろう。
しかし、そんな小物はどうでもよく。
視線はもう片方へと集中していた。
顔には必要以上の厚化粧が施され、黄と赤を基調とした派手な衣装を身に纏った謎の人物。
それはまさに道化師と呼ぶよりほかなかった。
奇妙でやたらと濃い出で立ちはそれだけで目を引いたが、咲夜が気にしたのは別のところだ。
道化師の歩みと同時にガラガラと耳障りな音を立てる台車。
中身は少なくとも平和的なものではあるまい。
ダンボールに付着した僅かな血痕を咲夜は見逃さなかった。
そしてそれ以上に。
この道化師は禍々しい気配を隠そうともせず、ダラダラと周囲に垂れ流している。
――いや、「隠さない」のではなく「隠せない」のかしら?
押さえつけることが困難なほどに凶悪な力を有している。
咲夜にそう意識させるだけの迫力がドナルドにはあった。
(さて、交渉するのは間違いないけど。スネークに悪評を吹き込まれてないかが重要ね)
咲夜は第一印象だけで戦闘という選択肢をあっさりと切って捨てていた。
とはいえ、こちらに戦意はなくともあちらがどうかまではわからない。
ならば交渉決裂に備え、距離を詰めて会話すべきだろう。
自分のアドバンテージは言うまでもなく時間停止。
万が一のときは即座に能力を行使し、止まった時の中で喉笛を掻き切ればいい。
どれほどの強者であろうとも、その力を振るわせなければ恐れるものは何もない。
殺られる前に殺る。
時止めの持続が4秒だから、間合いは10メートル前後が丁度良さそうだ。
近づきすぎで警戒されることもないだろう。
(ではさっそく)
通路の奥からゆっくりとメイドが姿を現した。
ドナルドは足を止め、リンもそれに倣う。
警戒を見て取った咲夜は一旦、歩くのをやめた。
「こちらに戦意はないわ。話がしたいだけよ。
そちらに行ってかまわないかしら」
両者の距離は目測で20メートル以上離れている。
咲夜としてはもう少し距離を詰めなければ、4秒の猶予で人を殺すにはギリギリだ。
だが飛び道具でいきなり狙われると通路脇の部屋に飛び込まざるを得なくなるため、ひとまずは相手の意思を問うことにしたのだ。
交渉には慎重を要する。
「いいよ、おいでよ」
道化師は笑顔のまま手招きした。
脇の少女はビクついているが、反対はしないようだ。
ならばと、咲夜は接近を再開した。
もちろん、2人の一挙一動は注視したままだ。
結局は杞憂に終わり、何事もなく「射程距離」に道化師を入れることに成功する。
第一段階、クリア。
「話す前に自己紹介だね。それとも場所を変えたほうがいいかな?
玄関口で立ち話するのもあまり気分は良くないだろうしさ。
それにしても手入れが行き届いてるよね。
たぶんあそこの車が突っ込んだんじゃないかな。
きっと瓦礫とかが凄いことになっていたんだろうね」
お前の容姿のほうが気分が悪い、場所を変えるといいつつ無駄話をするなよ、などと突っ込みどころ満載ではあったが。
あえて黙る。道化師にとりあえず戦うつもりがないことがわかった以上、ここで殺る必要はない。
だが、まだだ。
「十六夜咲夜」の名を知った途端に手のひらを返す可能性がまだ残っている。
「いえ、まずは自己紹介としましょう。場所を変えるのはそれからよ」
ゆえにいつでも殺せる状態を維持しつつ、相手の情報を得るのが望ましい。
「わかったよ。僕はドナルド。それでこっちの娘は――」
「……鏡音リン」
「うん。次は君の番だよ」
「十六夜咲夜よ」
「へえ……君の事はチルノから聞いてるよ。
お近づきの印にハンバーガー4個分どうかな?」
「いいえ、結構」
「アラー、残念だなぁ」
ドナルドは内心で笑いが止まらなかった。
時を操る能力者、十六夜咲夜と接触できたのだ。
寄り道のつもりがまさかの収穫だった。
一方の咲夜はというと。
ドナルドが笑みを深めたのを見て、懐のナイフに手を伸ばしかけたのだ。
もちろんそのナイフは振るわれるどころか握られることすらなく、仮初の友好を壊さずに済んだことへ咲夜は胸を撫で下ろした。
ちなみにドナルドは一瞬の挙動不審に気づいたのだが、
今の自分が負けるわけがないと固く信じきっているためスルーしている。
幸か不幸か、その事実を咲夜は知らない。
彼女の思考は「悪評を吹き込まれてるわけではなさそう」という一点に集中していた。
(なるほど、どうやら運が向いてきたみたいね。
情報源がチルノならあまり重要なことは漏れてないでしょう)
把握してるのは、せいぜい時を操るらしいということぐらいだろう。
お馬鹿なチルノのことだ。
触りだけを話して、具体性に踏み込んだ説明まではやっていまい。
結論。
目の前の道化師――ドナルドとは交渉しても問題ない。
むしろ交渉し、味方として利用すべき相手だ。
脇でビクビクしている足手まとい――鏡音リンについては、後々始末するとして当面は放置でいいだろう。
本音は「さっさと殺したい」だが、それではドナルドと敵対する羽目になる。
「それじゃあ、場所を変えましょう。待合室が無事だからそこに案内するわ」
……
…………
……………………
「へぇ、大変だったんだね。遭遇した人が殆どみんな敵で仲間を作れなかったなんて」
「ええ、自分の不運が恨めしいわ。こうも好戦的な人間ばっかりしか知り合えないなんて」
「でも、殆どは自分の与り知らない所で死んでるよね」
「それだけは感謝したいところだわ。スネークとベジータがまだ生きてる以上、安心なんてできないけど」
咲夜の設定は表向き「善良な人間」である。
あるときはサンレッドを、またあるときはベジータをも騙し切った偽りの仮面。
違う点があるとすれば、ドナルドには素顔が完全に割れているということか。
(この女、見え透いた嘘を。情報が圧倒的に不足しているようだな。
今現在において単独行動をとっている事実がどういう意味を持つか全く分かっていないようだ)
敢えて断っておくが、ドナルドは十六夜咲夜が馬鹿とは微塵も思っていない。
むしろ非常に頭の切れる参加者だと認識している。
だからこそ、無知とはかくも恐ろしいな、とドナルドは内心で咲夜を嘲笑った。
好戦的な参加者はほとんど死滅していること。
主催に刃向かう参加者同士が徒党を組み始めていること。
十六夜咲夜はこれらの事実を知らないのだろう。
もはや単独行動をとっている人間は焙れてしまったか、あるいは危険人物のどちらか。2つに1つだ。
そして遭遇の多い咲夜が前者とは考えにくい。
皮肉にも咲夜の嘘はドナルドの「十六夜咲夜は優勝狙い」という仮説に根拠を与えたに過ぎなかったのだ。
すると咲夜が目撃したという死者のうち、何人かは咲夜自身の手による犠牲者になるわけだ。
ドアラ、やる夫はスネークに殺されたと主張しているが、これが特に怪しそうだ。
逆演算的に咲夜と敵対した者――スネークとベジータ――は殺し合いに消極的と推測できる。
タケモト達と合流されると面倒になりそうだ。
(さて、こっちはどう出るべきかな)
目標は十六夜咲夜を手中に収め、あわよくば洗脳すること。
それを成すべく、ドナルドは――
【C-4 病院、1F待合室/2日目・午前】
【十六夜咲夜@東方project】
[状態]腰、腹、左腰に重い打撲(再生中)、全身に軽い打撲(再生中)、吸血鬼化
[装備]時計型麻酔銃@名探偵コナン
[道具]支給品一式(水抜き)、ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、
メス10本、痛PSP@現実、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG
[思考・状況]基本思考:優勝し、死亡者含め全ての参加者を元の所に戻すと主催に望む
1:ドナルドを味方につけて、利用する。段ボール箱は気になるが触れるべきか……
2:夜が来るまで病院に潜む。
3:鏡音リンは頃合を見て始末。
【備考】
※ときちくは姿しか知りません。
※時間操作は4秒が限度です。停止した後に使用するには数秒のブランクが必要です。
※飛行が可能かどうかはわかりません。
※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。
※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と考えています。
※やる夫のデイパックは列車内に放置してあります。
※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました
※カミーユ・ビダンの死体を確認。首輪を解除しようとしてる人がいると推測しました
※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。
※ヤバいDISCがINしました。スタープラチナの真の能力にも気づきました。
※吸血鬼化しましたが、本家吸血鬼と比べると回復やパワーアップが小さいです。
※基本支給品と計量匙、及びフジキがC-4からD-4にかけて散らばっています。
※DIOの支給品を回収しました。
※塚モールで火事が発生しています。
※第四放送を聞き逃しましたが、べジータから聞きました。
※スタープラチナのDISCから承太郎の記憶の断片を読み取ったようです。
※べジータと情報交換をしました。しかし自分が吸血鬼であること、美希やDIOを殺害したことは伏せています。
※阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック、便座カバー@現実はDIOのデイバッグと一緒に病院の奥の部屋にあります。
※コンバット越前とKAITOの死体は病院の奥の部屋にあります。
※病院の入り口が綺麗になっています。
【ドナルド・マクドナルド@ドナルド動画(現実)】
[状態]:左腕骨折(割と治癒)、魔力ほぼ無限状態
[装備]:改造段ボール箱(荷台つき、中に文の死体)
[道具]:支給品一式×2(一食分水・食料消費)、ランサーアサルトライフル(213/350)@Gears of War2、工作に使った道具の余り
魔法の石@Heart Of Darkness
『呂布の支給品』基本支給品×2(食料・水-2)三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、 葉団扇@東方project、包丁@現実、射命丸文のカメラ@東方project
サバイバルナイフ@現実、拳銃(0/6予備弾24)@デスノート、 方天画戟@三国志Ⅸ、イージス@FF11
スナック菓子×3、飴×3袋、時計型麻酔銃の予備針(残り2発)@名探偵コナン、果物ナイフ
[思考・状況]
基本思考:教祖として信者を沢山作りつつ、信者を指揮してバトルロワイアルを盛り上げ主催者になりかわる
1:十六夜咲夜を洗脳し対主催の足がかりにする。首輪をどうにかしておきたい。会場の端が気になる。
2:チルノ達をどうにかする。チルノは弄んだ上で殺す
3:文の死体はチルノやタケモトに突きつけるために運ぶ。恐怖を与える細工はしたけどね。
4:言葉を駒として徹底的に利用する。逃がすつもりは毛頭ない。
5:タケモトの首輪解除及び無力化のための手伝いをする。利用した後は……
6:藤崎や馬岱等が楽しみ。
7:リンを同行させる。
※僧侶のネガキャンを聞きました。
※馬岱から妖術と幻術をラーニングしました。
※藤崎が生きていることを知りました。また、藤崎が何らかの形で変化が起こったと推測しています。
※首輪解除班の情報を得ました。誰得の部屋については知りません。
※ときちくから情報を得ました。
※タケモトと文はグルだと判断しました。
※自分の能力を大体把握しました。
※荷台に改造した段ボール箱を固定し、その中に文の死体を入れて運んでいます。
※文の死体は両目を潰され、内臓が露出しています。ただし、知人が見れば文と一発で判断できます。
【鏡音リン@VOCALOID2(悪ノ娘仕様)】
【状態】顔がぼこぼこ(行動には痛み以外での支障なし)、軽度の疲労、
右腕骨折(応急手当済み)、 精神疲労
【装備】なし
【持物】なし
【思考・行動】
基本思考:最後まで生き残る。
1:ドナルドとこのまま一緒に行動して大丈夫か不安。
2:直接的に仕返しはしない。
3:咲夜についてはドナルドに任せるつもり
4:バトルロワイアルに恐怖。元の世界に帰りたい
※色々と現実逃避しています
※タケモトらの話を聞きました。
※持ち物はときちくに奪われました
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