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夜間飛行~レディ・ファントム・その1~


露伴に無理やり連れてこられていた康一は、何もすることも無いので雪魅の街中を見て歩いていた。
そんな時、不意に肩を叩かれる。
何かと思って振り向くと、見知らぬ少女が立っていた。
相手に何か用かと尋ねようと口を開きかけた康一だったが、彼女のくぐもった声を聞くと意識が遠のいていった。



それから数分後、町内を散歩していた縁はふらふらと歩く康一を見て、手を振りながら声を掛けた。

「あれー?康一君じゃーん?散歩ー?」

その声に一度康一は振り向いたが、何故か何も言わずにそのまま歩き出してしまった。
不審に思った縁は、それをぱたぱた追いかける。

「こーいーちくーん?」

無言で走る康一だが、コンパスの長さが圧倒的に違う縁にすぐに追いつかれてしまった。
追いついた縁は、その康一の肩に手をぽんと置く。
その途端、まるで憑き物が落ちたかのように、康一はその場に崩れ落ちた。
それに驚いた縁は康一をゆさゆさと揺らして起こそうとする。
その時、縁は気づかなかった。
康一の耳から、何か細いものが抜け、そのまま風に飛ばされるように消えていったことに…。

■■■

「うう、ん…?」
「あ、気づいた…大丈夫?」
「あ、あれ…縁さん…?どうして此処に…?」
「それはこっちの台詞だよ~。なんで私を見て逃げたわけ?」
「え…?逃げた…?」
「逃げたじゃない。」
「…本当に、逃げた?」
「逃げたよ」

うんうんと頷いて答える縁に、康一は困ったように頭をかく。
そんな康一の様子に、縁は不思議そうに首を傾げる。

「どうしたの?」
「…覚えてないんだ…」
「は…?」
「誰かに肩を叩かれて、何か言われた後から…記憶が飛んでる」

困ったような口調で言う康一に、縁は何度か瞬きをしてから口を開いた。

「ほんとーーーーーに、覚えてない?」
「本当に覚えてないんだよ」
「…ねぇ、それってさ…このごろ多いからできれば違っててほしいけど…」
「…スタンドかも…?」

康一の言葉に、苦笑を浮かべながら縁は頷く。

「とりあえず、ホテルに帰ろ…?」
「そうだね…」
最終更新:2009年12月27日 00:28