Last update 2008年03月16日
花子日記 著者:神楽崎ゆう
しまいには、わけのわからないことをわめき散らした。
3人はその光景に思わずイスから立ち上がって後ずさった。
明らかにさっきの亜紀とは違う。身体をガクガクと上下に揺らし始め、口から泡を吹き始める。目がイっている。
「え、え、何!?どうしたのよ!?」
「まさか、そんな、本当に起こるなんてあり得ないよ!」
「ねぇ!?このままじゃ亜紀がおかしくなっちゃう!」
しかし三人はどうすることも出来なかった。亜紀の身体と共にイスまでもガタガタと動き始め・・・。
そして、ガクッと頭が垂れた。
3人はその光景に思わずイスから立ち上がって後ずさった。
明らかにさっきの亜紀とは違う。身体をガクガクと上下に揺らし始め、口から泡を吹き始める。目がイっている。
「え、え、何!?どうしたのよ!?」
「まさか、そんな、本当に起こるなんてあり得ないよ!」
「ねぇ!?このままじゃ亜紀がおかしくなっちゃう!」
しかし三人はどうすることも出来なかった。亜紀の身体と共にイスまでもガタガタと動き始め・・・。
そして、ガクッと頭が垂れた。
空が赤く染まり始めた夕方5時のことだった。
真夏に比べたら暑さもだいぶ和らいで、まだまだ明るかった5時もしだいに日が落ちるのが早くなってきた。
夏に生き残った蝉が最後の力を振り絞って鳴いている。
学校内にも下校時刻を合図するチャイムが鳴った。
校庭からボールを打つ音が聞こえる中、ひんやりと冷房の効いたパソコンルームに私たちはいた。活動日が週1回のパソコン部の集まりだ。
本当は部員は13人いるはずだけど幽霊部員は当たり前、パソコンルームに行くのも仲良し4人の私たちぐらいだった。
遙、奈津美、亜紀、冬香は一台のパソコンの画面を見合っていた。サイト名には『花子日記』と書いてある。
「えぇ~?これが噂のサイトぉ?」
「確かにそうだと思うんだけど・・・」
「これ見て本当に願いが叶うわけ?」
「そうらしいけど・・・・なんか『花子日記』を見て最後にあるボタンクリックすると心から願ってることがひとつ叶うらしいよ」
「でもそれってかなり胡散臭いじゃん。それも“必ず対価を支払う”ってどうやってって感じだよね」
「でも、ほら。ここに『願い事かなえます』ってボタンあるよ?」
スクロールをしていた冬香が言った。確かに記事の最後にはクリックできるボタンが設置されていた。
『花子日記』には学校でも家庭でもいじめや虐待を受けている花子の思いが日々書き綴ってある、かなり憂鬱な内容の、しかし普通のブログと変わりなかった。更新は9月11日で終わっている。
「ちょっとこれクリックして噂がホントかどうか試してみない?」
「でもこんなのやっぱ辞めたほうがいいよ・・・」
「冬香はホラー映画の見すぎなんだって」
「でもぉ・・・」
「だったら一番見たい見たい言ってた亜紀がクリックしてみれば?」
「ぇえ~あたしやんの!?」
そこへガラガラっと入り口のドアが開いた。
いつも鍵の戸締りだけしにくる顧問の先生がいた。
「おい、おまえらとっくに下校時刻は過ぎてるぞ」
4人はおもむろに返事をした。
「ほらぁ、早く押しなよ」
そして、しぶしぶ亜紀は『願い事かなえます』ボタンをクリックした。画面は“送信完了”という白背景に赤字というなんの変哲もない画面に切り替わるだけだった。
真夏に比べたら暑さもだいぶ和らいで、まだまだ明るかった5時もしだいに日が落ちるのが早くなってきた。
夏に生き残った蝉が最後の力を振り絞って鳴いている。
学校内にも下校時刻を合図するチャイムが鳴った。
校庭からボールを打つ音が聞こえる中、ひんやりと冷房の効いたパソコンルームに私たちはいた。活動日が週1回のパソコン部の集まりだ。
本当は部員は13人いるはずだけど幽霊部員は当たり前、パソコンルームに行くのも仲良し4人の私たちぐらいだった。
遙、奈津美、亜紀、冬香は一台のパソコンの画面を見合っていた。サイト名には『花子日記』と書いてある。
「えぇ~?これが噂のサイトぉ?」
「確かにそうだと思うんだけど・・・」
「これ見て本当に願いが叶うわけ?」
「そうらしいけど・・・・なんか『花子日記』を見て最後にあるボタンクリックすると心から願ってることがひとつ叶うらしいよ」
「でもそれってかなり胡散臭いじゃん。それも“必ず対価を支払う”ってどうやってって感じだよね」
「でも、ほら。ここに『願い事かなえます』ってボタンあるよ?」
スクロールをしていた冬香が言った。確かに記事の最後にはクリックできるボタンが設置されていた。
『花子日記』には学校でも家庭でもいじめや虐待を受けている花子の思いが日々書き綴ってある、かなり憂鬱な内容の、しかし普通のブログと変わりなかった。更新は9月11日で終わっている。
「ちょっとこれクリックして噂がホントかどうか試してみない?」
「でもこんなのやっぱ辞めたほうがいいよ・・・」
「冬香はホラー映画の見すぎなんだって」
「でもぉ・・・」
「だったら一番見たい見たい言ってた亜紀がクリックしてみれば?」
「ぇえ~あたしやんの!?」
そこへガラガラっと入り口のドアが開いた。
いつも鍵の戸締りだけしにくる顧問の先生がいた。
「おい、おまえらとっくに下校時刻は過ぎてるぞ」
4人はおもむろに返事をした。
「ほらぁ、早く押しなよ」
そして、しぶしぶ亜紀は『願い事かなえます』ボタンをクリックした。画面は“送信完了”という白背景に赤字というなんの変哲もない画面に切り替わるだけだった。
その日の翌日、いつもの学校帰りで集まった3人に亜紀が嬉しそうに飛び込んできた。
「やばいっ!ホントに告られちゃった!!」
亜紀は顔を赤めらせている。
「何、どうしたの?」
「あのね、ずっと片思いだった明史くんにさっき呼び出されて、それで『好きです』って言われた!」
「マジ~!?」「やったじゃん亜紀!前からずっと好きだったもんね」
騒ぎまくる3人の中で冬香だけは顔を暗くした。
「どうしたの、冬香?」
「亜紀ちゃん・・・それってもしかしてずっと願ってたこと?」
「はぁ!?何言い出すの、小学校からずっと片思いだったんだよ。冬香だって知ってるでしょ?」
「・・・もしかしたら昨日の『花子日記』のせいなんじゃ」
「冬香ったら何言い出すのさ!ついに亜紀が両思いになったんだから喜んで上げなよ!」
亜紀と奈津美ににらまれて冬香は静かにうつむいた。
「やばいっ!ホントに告られちゃった!!」
亜紀は顔を赤めらせている。
「何、どうしたの?」
「あのね、ずっと片思いだった明史くんにさっき呼び出されて、それで『好きです』って言われた!」
「マジ~!?」「やったじゃん亜紀!前からずっと好きだったもんね」
騒ぎまくる3人の中で冬香だけは顔を暗くした。
「どうしたの、冬香?」
「亜紀ちゃん・・・それってもしかしてずっと願ってたこと?」
「はぁ!?何言い出すの、小学校からずっと片思いだったんだよ。冬香だって知ってるでしょ?」
「・・・もしかしたら昨日の『花子日記』のせいなんじゃ」
「冬香ったら何言い出すのさ!ついに亜紀が両思いになったんだから喜んで上げなよ!」
亜紀と奈津美ににらまれて冬香は静かにうつむいた。
そしてあの日はやってきた。
亜紀の恋に喜んでいた4人は、それでも『花子日記』のせいなんじゃないかと気になって、先生に許可をもらってパソコンルームへと行った。
サイトを開いてみると、昨日と変わっていなかった。
「ほら、やっぱし噂なんてデマだって」
ちょっと気がかりだったので、何も変わっていないサイトに4人はほっと安堵の息を漏らした。
「・・・ねぇ、これってもう一回押したらまた願い事叶うかな?」
亜紀は言った。
「どうなんだろうねぇ・・・でも今回もこのサイトのせいってわけじゃなかったし・・・」
「でも願い事は一個まででしょ?」
「まぁ・・・けど世界中のどこのパソコンからクリックされたかなんてわかんないんじゃないの?」
「・・・・押してみていい?」
そして亜紀は3人の返事も聞かず、ボタンをクリックした。
亜紀の恋に喜んでいた4人は、それでも『花子日記』のせいなんじゃないかと気になって、先生に許可をもらってパソコンルームへと行った。
サイトを開いてみると、昨日と変わっていなかった。
「ほら、やっぱし噂なんてデマだって」
ちょっと気がかりだったので、何も変わっていないサイトに4人はほっと安堵の息を漏らした。
「・・・ねぇ、これってもう一回押したらまた願い事叶うかな?」
亜紀は言った。
「どうなんだろうねぇ・・・でも今回もこのサイトのせいってわけじゃなかったし・・・」
「でも願い事は一個まででしょ?」
「まぁ・・・けど世界中のどこのパソコンからクリックされたかなんてわかんないんじゃないの?」
「・・・・押してみていい?」
そして亜紀は3人の返事も聞かず、ボタンをクリックした。
クリックした直後、画面はさっと変わった。
赤い背景に黒字で『対価をいただきます』と書いてある。
「あれ・・・前と画面が違う」
亜紀がそう言った瞬間だった。
窓から差し込んでいた夕日がさっと陰った。
パソコンルームの蛍光灯がチカチカ点滅し始まる。
「え、何これ、やばくない!?」
「やだ、ちょっと怖いよ!」
その時3人は亜紀の様子がおかしいのに気がついた。
目をかっと見開き、身体が硬直していた。
「あ、亜紀?」
遙が亜紀の顔を覗いた。
「対価をいただきます」
「え、亜紀何言ってるの!?」
しまいには、わけのわからないことをわめき散らした。
三人はその光景に思わずイスから立ち上がって後ずさった。
明らかにさっきの亜紀とは違う。身体をガクガクと上下に揺らし始め、口から泡を吹き始める。目がイっている。
「え、え、何!?どうしたのよ!?」
「まさか、そんな、本当に起こるなんてあり得ないよ!」
「ねぇ!?このままじゃ亜紀がおかしくなっちゃう!」
しかし三人はどうすることも出来なかった。亜紀の身体と共にイスまでもガタガタと動き始め・・・。
そして、ガクッと頭が垂れた。
赤い背景に黒字で『対価をいただきます』と書いてある。
「あれ・・・前と画面が違う」
亜紀がそう言った瞬間だった。
窓から差し込んでいた夕日がさっと陰った。
パソコンルームの蛍光灯がチカチカ点滅し始まる。
「え、何これ、やばくない!?」
「やだ、ちょっと怖いよ!」
その時3人は亜紀の様子がおかしいのに気がついた。
目をかっと見開き、身体が硬直していた。
「あ、亜紀?」
遙が亜紀の顔を覗いた。
「対価をいただきます」
「え、亜紀何言ってるの!?」
しまいには、わけのわからないことをわめき散らした。
三人はその光景に思わずイスから立ち上がって後ずさった。
明らかにさっきの亜紀とは違う。身体をガクガクと上下に揺らし始め、口から泡を吹き始める。目がイっている。
「え、え、何!?どうしたのよ!?」
「まさか、そんな、本当に起こるなんてあり得ないよ!」
「ねぇ!?このままじゃ亜紀がおかしくなっちゃう!」
しかし三人はどうすることも出来なかった。亜紀の身体と共にイスまでもガタガタと動き始め・・・。
そして、ガクッと頭が垂れた。
蛍光灯は元に戻った。
さっきまでは聞こえなかったかのように校庭からはいつものバッティングしている音と掛け声が聞こえる。
しかし、亜紀はそのまま動かない。
「あ、亜紀・・・?ねぇ変な冗辞めてよ」
「せ、先生呼んだほうが良くない?」
3人とも変な汗が額ににじんでいる。
「ねぇ・・・ちょっとこれ見て」
「こんなときに冬香は・・・!」
そう言いかけた奈津美は目を見開いた。
パソコンの画面はいつもの『花子日記』に戻っていた。
しかし、そう思った3人は息を呑んだ。
日記が更新されているのだ。
それも更新された日付はたった今。
さっきまでは聞こえなかったかのように校庭からはいつものバッティングしている音と掛け声が聞こえる。
しかし、亜紀はそのまま動かない。
「あ、亜紀・・・?ねぇ変な冗辞めてよ」
「せ、先生呼んだほうが良くない?」
3人とも変な汗が額ににじんでいる。
「ねぇ・・・ちょっとこれ見て」
「こんなときに冬香は・・・!」
そう言いかけた奈津美は目を見開いた。
パソコンの画面はいつもの『花子日記』に戻っていた。
しかし、そう思った3人は息を呑んだ。
日記が更新されているのだ。
それも更新された日付はたった今。
【2007・9・25・19:00】
今日も学校でいじめられました。小さい頃から伸ばしていた髪を笑いながら切られました。
もう学校に行きたくもありません。でも家にも入れません。
あいつらにやられたっていう遺書書いて屋上から飛び降りてやろうかと思いましたが、
それでは誰も悲しんではくれないので辞めました。
それよりももっといいこと思いついたのです。
今日髪を切った子を道ずれにすれば良いと思ったんです。
それならあの子の親が悲しむだろうし、私をいじめていたことも反省すると思います。
今日も学校でいじめられました。小さい頃から伸ばしていた髪を笑いながら切られました。
もう学校に行きたくもありません。でも家にも入れません。
あいつらにやられたっていう遺書書いて屋上から飛び降りてやろうかと思いましたが、
それでは誰も悲しんではくれないので辞めました。
それよりももっといいこと思いついたのです。
今日髪を切った子を道ずれにすれば良いと思ったんです。
それならあの子の親が悲しむだろうし、私をいじめていたことも反省すると思います。
だから一緒にいこう?亜紀ちゃん。
さて、次はあなたです。