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リンド・L・テイラー(DEATH NOTE)

登録日:2026/10/05 Mon 16:03:55
更新日:2026/10/22 Thu 14:25:44
所要時間:約 6 分で読めます




私は全世界の警察を動かせる唯一の人間……

リンド・L・テイラー

通称「L」です



リンド・L・テイラー(LIND. L. TAILOR)とは、漫画『DEATH NOTE』の登場人物。

CV:徳本恭敏*1
演:マット・レーガン(映画)、麻田キョウヤ(舞台)、イアン・ムーア(テレビドラマ)


【概要】

主人公である『夜神月』はデスノートを手に入れて以降、秘密裏に極悪人を裁いていた。
しかし突如として極悪人が大量に死去することに人々は恐怖し、やがて裁きを行う存在を「キラ」と称し始める。
とはいえ警察機構も犯罪者とはいえ勝手に殺害していく存在を無視してはいなかった。
ICPOではどんな事件でも解決する、「L」が既に動き、日本警察に協力を要請していた。

そんな世論の中、突如ICPOから全世界同時特別生中継と称した番組が流れる。
そこに映っていた男がリンド・L・テイラー、通称「L」である。同時通訳はヨシオ・アンダーソン。

見た目は黒々とした長髪でイケメンの、20代から30代の男性。
今まで姿も名前も出さなかったLがその両方を明かしたことで、日本警察も本気で取り組んでいると確信する。
若干目つきは悪いがその口調は敬語ながらも力強く、悪や犯罪をかなり憎んでいるようにも思えるが……?


【来歴】

冒頭の台詞を言った後、キラの糾弾を行う。
最初は「キラを必ず捕まえます」というが、月はデスノートの特異性を妙に高いテンションで説明し、警察が動く事とこんなのがでてくることは想定内と余裕を見せる。
だが、リンドは更にキラを責め立て…そして断言する。


お前のしている事は…

悪だ!!


この言葉は正義のために人々を裁いている月にとってはクリティカルヒットであった。
自らは正義だ!そう言い返した後、月はノートを開く。

デスノートなら「顔」と「名前」さえ分かれば、後は名前を書くだけでいい。
更に言うならリンドはわざわざ名札まで用意しているため綴りを調べる手間すら必要ない。


間抜けすぎるぜL、もう少し賢ければ面白くなったかもしれないのに

と勝ち誇りながら、月はリンドの名前をノートに書く。
この際文字はクソデカな上に殴り書きであり、内心では激昂している事が見て取れる。
40秒後、テレビの中でリンドは胸を押さえながら藻掻き苦しみ、やがて動かなくなった。
ライバル登場かと思いきやまさかの出落ちに読者は唖然とする。


こうして2話にして月の勝利は確定――



し…信じられない!


――するかと思われたがしかし、テレビの声はまだ続いていた。ここまで訳してるのかなヨシオ・アンダーソン。*2
その声の主こそがLと名乗る名探偵の正体。

テレビに映っていたリンドは偽物で、その正体は今日死刑執行を予定していた重罪人であり、キラが本当に直接手を下さずに人を殺せるかを試すための「実験台」でもあったのだ。
身代わりンド
その上で「『L』は実在する」「さあ私を殺してみろ」と挑発するが、顔と本名を隠した状態では月も手出しできず、ここから「キラが人を殺すには条件がある」ことも確定させられる。
「良いヒントを貰った」と皮肉を言いつつ、Lはヒントのお返しと称して続ける。
「全世界同時特別生中継」と銘打たれた今回の放送だが、実際は日本の関東のみでしか放映されておらず、Lとしては時間差で各地域に放送する事でキラの居場所を絞り込み、かつ自身の挑発に反応するかを確かめる算段だったのだという。

だが、もうその必要もなくなった
キラ!お前は今、関東に居る!

実の所、Lはキラが日本に在住(もしくは潜伏)しているのではないかと早い段階で読んでいた。
その根拠は情報源。これまでに死んだ犯罪者たちはいずれも「テレビ・新聞・インターネット、媒体はどうあれ日本国内で情報を入手できる」という共通点があった。
さらに一連の事件の最初が音原田九郎*3だということにたどり着き、その罪状が他に比べて軽微かつ報道が日本だけであったことが、彼こそキラ(デスノート)の力の実験台(モルモット)と判断し、キラが日本にいることを確定させる決め手になった。*4
そして悪人ばかりを殺していたキラの行動原理が「正義感」「断罪」であると推定し、それを公衆の面前で否定されれば黙っていないだろうとも予測していた。
結果、月の「間抜けすぎるぜL」の言葉がそのまま自分に返ってしまったのである。

つまり、リンド・L・テイラーはキラの力の確認と所在の絞り込みのために用意された、モルモット兼生贄兼捨て駒。
仮にキラに無視されたとしてもそれはそれで挑発に乗って来ないタイプだと分かるし、リンドも普通に死刑にすればいいだけ。どっちに転んでも何も困らない。
この時点のLはまだデスノートのデの字も知らない状況で、下手したら自分すらも死んでしまうかもしれない状況であった。
現にL自身も「信じられない」「正直、ここまで上手くいくとは思っていなかった」と珍しく驚きを顕にし、まさかリンドがこの場で殺されるとは思ってもみなかった様子であった。
しかしこの大胆不敵な手段によって、Lはキラの実在と大方の居場所、そして現状自分に手を下せない事から「キラは無条件で人を殺せるわけではない」という「ヒント」を僅か1日で暴き立てたのも事実。
この手腕に日本警察のキラ対策本部は感嘆し、当初はLを舐めていたリュークですら「やるな」と舌を巻くほどの頭脳を持つ探偵L。
月は彼との戦いを決意するのであった。互いの正義を賭して。


ちなみにその立役者でもあるリンドさんは以降出番はなく言及すらされない。
死んでるから仕方ないとは言え、テレビに遺体を片付けられた映像が写った後はそのまま存在が消えてしまう。
死刑囚とはいえ人間を囮に使った事を日本警察から苦言を呈されるが、本当にそれくらいである。ICPOの名前を使った虚偽報道に至っては完全スルー。


【考察・彼の罪状について】

てなわけでLの実験台・身代わりに殺されちゃったリンドだが、気になるのが「今日死刑になる重罪人」。
しかも警察が極秘に捕まえ、全く報道されていないというものである。
一応日本を始めとした現実の法治国家においては、逮捕や裁判の手続きは法律に基づいて厳格に公開されるのが原則。
特に死刑になるほどの重罪人は存在自体が人々に恐怖を与えかねないので、逮捕された場合は(一時的に情報を伏せられる事はあれど)基本的に公開される。
……とはいえ『DEATH NOTE』作中の時代(2003年前後)はまだインターネットがようやく人々に普及しだした時代である上に、月はまだ単なる日本の高校生。
いくら月でも、海外の重罪人の情報までは容易に手が回らないだろう。
Lも「テレビやネットでは報道されていない」としか言っていないため、逮捕から始まる司法手続きや公的な書類上の処理は普通に行われている可能性も充分に考えられる。

むしろ、「L」が死刑囚とはいえ一人の人間を、テレビ番組に出演させてモルモットにできるほどの強権を持っていることを表したのかもしれない。
また、イケメンであることや外見がどことなくLに似ていたのも読者に対してのミスリードであり、1話で描写されている顔以外とも整合する。

……で、この見た目だけはイケメンなリンドくん。何をやらかしたかは原作、アニメでは語られていない。
一応実写映画版では
「1970年生まれ。アメリカ、ニュージャージー州出身の白人男性。1999年にテキサス州での連続婦女暴行殺人事件の容疑者として逮捕され、2005年に有罪が確定し、死刑判決を受ける」
と設定されている。
確かに極刑に値する重罪であるが、これを秘密にする理由もわからない。むしろ遺族や周りの人間(特に女性)の為に公表すべき罪人であろう。
ここまでの凶悪犯で、既に死刑判決を受けた男がいかなる理由でLの指示通りに一芝居打ったのかも不明。減刑でも餌にされたのだろうか。

「本名にLを含む若い男性」「死刑制度のある土地で重罪を犯し、死刑判決を受けた」「あまり広くは(少なくとも日本人には)知られていない」「心にもないであろうことをよどみなく言い切る演技力」等々、あまりに都合が良すぎる存在である。
Lがアイバーやウエディの要領で、イザという時に影武者や、場合によってはそれ以外の形で協力させるため、意図的に報道を規制していたのだろうか……?

まぁここまで考えても結局は1話にしか出てこない、すぐ死ぬイケメンモブでしかない。
絞首台とデスノートでの死、どちらがマシだったかは誰にもわからない。

【考察・月がテレビを見てなかったら】

ちなみに「月がテレビ見てなかったらどうするんだ」と、特に若いアニヲタなら思うかもしれないが、『DEATH NOTE』が連載された2000年代は上述の通りインターネットがようやく日常生活にも普及し始め、一般人が得られる情報量が少なかった時代。
限られたテキストと低解像度の画像が主体であり、携帯電話端末もいわゆるガラケー。素人でも使い方次第では広く情報収集できなくもなかったが、かなり手間と時間がかかるという状況。
すなわちテレビはまだまだメディアの覇者であり情報最先端だったのだ。
実際この放送がされた時、月はテレビをつけっぱなしでネットを見ていた。

なのでこの頃の月が犯罪者の情報を得たり、自分の裁きに対する反応を逐一確かめるのにテレビを見るのは必然とは言わずとも自然だし「キラがテレビを見る」というLの賭けにも十分勝算があった。
ただ前述の通りLは「キラが日本にいる」というのはほぼほぼ確信していたので、仮に反応がなければテレビ放送はすぐに切り上げてまた別の方法を取ってきただろう。
それこそ我々凡人では思いつかないような奇抜な方法を…。

……それだけにもしも本作の舞台がテレビ以外にも様々なメディアが発達した2020年代以降だった場合、Lはどのようにしてキラの居場所を暴くのかは議論の的である。
それと偶然マリオゴルフとかしてたらどうなるかとかも。

【メディアミックス】

アニメではほぼ変わらない。同時通訳のヨシオ・アンダーソンが消えたくらい。*5
代わりに冒頭の台詞が、直前にアナウンサーが特別放送に切り替わると説明するものとなっている。ちなみにこのアナウンサーは日本テレビの藤井貴彦アナが声を当てている。
ただ、キラを挑発した際に不敵な笑みを浮かべたりと煽りスキルは原作より高い。代わりに台詞自体は若干棒読み気味である。

一方で実写映画やドラマでは、外国の年配の俳優が演じている。
確かに「全世界の警察を動かせる唯一の人間」が「若い男」というのはある程度の誇張が許される漫画やアニメではともかく(前述のLのミスリード的な要因もあった)、リアルさが求められる実写では不自然に映るため、変更は仕方ないだろう。
実写映画では「悪だ」と断言された段階ではまだ月は耐えていたものの、その後もリンドは延々とキラを煽り続けており*6、それに限界を迎えた月がノートに名前を書くという展開となっている。この時の笑顔ながらもイラついていることが明確な藤原竜也の演技の妙は必見。

舞台版ではアニメ版『頭文字Dシリーズ』のEDでも知られたヴィジュアル系ロックバンド『Galla』の元ボーカルであり、ソロでは『実況パワフルプロ野球12』のOPを歌っていることで知られる麻田キョウヤ氏が演じている。
こちらはスーツ姿に眼鏡といかにもエリートぶった出で立ちであり、映画、ドラマとは別のリアリティを感じられる。

ゲーム『DEATH NOTE Killer Within』では登場しない……と思いきや、Lのコマンドカード「Lを騙るもの」を使った際のカットインに登場。
またダウンタウンマップの街頭テレビも彼が出てきた番組を模したものとなる。
このコマンドカード中、キラは「Lの偽物」しか裁けないが、だからといって裁いた場合Lの周りにいる人間は一旦白が確定する。もちろん目の前でノートを使った場合は手の混んだ自首となる。
また裁かなかった場合はL陣営の進捗が増えて勝利が遠のくという非常に強力な効果となっている。
ただリンド本人の出番はそのカットインのみであり、テレビには彼を模した指人形(ニアが愛用しているヤツ)しか出ておらず、また彼の指人形やアバターなどは登場していない。


【余談】

たった1話に登場しただけだが律儀に自己紹介し、それに対して月が「な…なんだコイツ!」とリアクションするため、よくコラージュに使われる。
大体がリンドが変なことを言ったり変な格好をしたりリンドが別のキャラに成り代わったりして月が驚くものだが、稀にLが驚いたり、余りにも邪悪なことをしたせいで間髪を容れずに殺されたりする。
酷い時には月が中々挑発に乗らないせいでLが関東から離れるというネタも。
上述した駆け引きはなんだったのか……
あるいはリンドに何かしら(主に特殊な性癖に対して)の批判をさせ、それに激怒した月がリンドを罵倒しながらデカデカと名前を書くコラ画像もよく作られる。
こちらはセリフ欄を弄るだけで作成できるためお手軽である。
また同時通訳のヨシオ・アンダーソンを豪華声優にしたりするコラもある。
その事や妙にイケメンだったりすることから不思議と読者の記憶に残っている素敵なモブと言えよう。
少なくとも、下手なヨツバ幹部よりは読者にしっかり名前を覚えられていそうである。

ちなみにヨシオ・アンダーソンは英語版コミックスでも日本語同時通訳をしている。
なので日本語訳したのを更に英語訳されたというややこしい状況になっている。

なお、テイラー(TAILOR)という姓は欧米では一般的なものではあるが、その原義は『服飾の仕立て人』である。
そのため、メタ的には『“L”に仕立てられた人物』という意味を持たせた命名だった…というのは穿ち過ぎであろうか?

実は月が明確な犯罪者以外を裁こうとしたのはこれが最初。
一応この時は「正義の自分に歯向かうお前が悪だ!」等と理由をつけていたが、それでも自らの害になるなら善人も裁くという月の性分は見て取れる。
後のレイ・ペンバーもだが、極悪人以外をデスノートで殺そうとする、あるいは殺してしまった場合、月の立場が急激に悪くなるのはなにかの因果だろうか…。





私は全世界の記事を追記・修正できる唯一の人間……リンド・L・テイラー、通称「アニヲタ」です。

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最終更新:2026年10月22日 14:25

*1 他にも葉鳥新義や複数のモブキャラを担当している。

*2 実写映画版ではここの台詞はそれまで顔を隠して捜査本部と会話していた時と同じボイスチェンジャーを使ったものなので、通訳を挟まずにL自身が直接日本語で発言していると思われる。

*3 通り魔事件を引き起こした後、園児や保育士を人質に保育園に立てこもっていた男。それの生中継報道を見た月は当時「不幸の手紙」の延長線上のジョークグッズだと思っていたデスノートになんとなく彼の名を書いたところ、ノートの効力で心臓麻痺により死亡した。これが月のデスノートの初使用である。

*4 2番目の実験台になった渋井丸拓男については本人が報道される程の悪人ではなく、また死因も(デスノートによる)事故死だったため警察に認知されていない。なお、実写版では音原田が別人に変更され、渋井丸もより悪質に設定変更されたことで心臓麻痺で死亡したため、特定のきっかけが異なっている。

*5 作劇上の都合で外国人も皆が日本語を話している為、リンドだけを通訳するのは不自然と判断されたのがオミットの理由だと推測される。

*6 よく聞けば「お前は幼稚でどうしようない」などひたすら煽っている