〝ATLAS〟とは
風の国の交易都市レナールに出現した
巨大な逆さの塔である。
雲よりも高く、街の七割を潰す直径を誇り、上層に向かうに従ってその巨大さは増していく。
しかし7月末に塔の主であるリリアが捕縛されると、その数時間後に崩壊。
瓦礫すらも残さず消え去った。そのため、以下は在りし日の塔の姿を記したものとなる。
元は
魔界の辺境に存在していた無人の巨塔であったが、六罪王である
ガイスト・ウォレンによって召喚された。
レナールはこの直前、人をバケモノに変貌させる黒い霧に包まれていた事もあり、塔の出現により壊滅。
ATLAS自体は侵入するためのロックなどはかかっていないものの、
空には結界が張り巡らされているため遠距離からの破壊はできず
また地上からの侵入を試みるものには
レナールの住人であった無数のバケモノが襲いかかるだろう。
現在はATLAS全体に魔術だけでなく物理的にも有効な結界が張り巡らされており
これによって今後の侵入経路は塔の最下層、レナールという〝暗黒街〟を抜けた正面入口のみとなる。
- 『交易都市レナール』
風の国の草原地帯にあった行商の地。古くから人の交わる地として栄えていたが
纏衣による襲撃や、その後にガイストが黒い霧を放ち、〝塔〟を召喚したことによって完全に壊滅した。
現在は巨大な塔、ATLASを中心に廃墟が並び、黒い霧の中に無数のバケモノが彷徨く土地と成り果てている。
『ATLAS探索並びにレナール奪回手段の捜索活動』
前述の通り、レナールは古くから栄えた土地であり、その地を奪ったATLASを憎み、嫌うものは数知れない。
彼らが団結して行った事業が能力者を雇いATLASへ潜入させ、その構造や何かしらの手がかりを探るというものだった。
人知を超えた巨獣との戦闘などもありはしたものの試みは成功し、全員帰還を果たした。以下は調査によって明らかになった一覧である。
- 構造について
ATLASはメインの塔と外部の螺旋階段からなり、主に低層、中層、高層の3つに大分することができる。
低層は地上から数百m地点まで、中層はそこから雲の手前まで、高層は更に先、雲より上の宙空(空が青ではなく黒く見える高さ)まで。
危険度は上へ向かうほど激烈になり、そもそも外部階段を利用する場合は中層以降は空気、温度共に人の生存に適さない。
- トラップ・拾得物の傾向
全体的に幻覚じみた魔術トラップや、塔に由来するのだろう品が多い。
中層の有る扉などは入る人によって花畑や機関室になったり、ゲーム調になることも。
これらは全て塔の主によるものではなく、塔そのものの魔力による作用であると思われる。
根拠としては主であるガイストが貴重な魔力源等を求めているのに対し、幽幻の宝玉が塔の内部に置き去りにされていたこと
また弱点となりうる塔の構造資料を(謎解きの末とはいえ)容易に渡しているという事実のためである。
以上のことから、塔の主は飽くまで所有者であり、その全てを把握しているわけではないと思われる。
- 守護獣レヴィアタン
伝説の海魔として名を馳せるレヴィアタン(リヴァイアサンとも)がATLASの周囲を守護している。
外見はクジラのようだが一角を持ち、その全長は数キロにも亘る恐ろしき巨躯を誇る。
その鱗は大変強固でおおよその攻撃を寄せ付けず、多大な魔力を持ち、素手で触れれば手を切る程。
そんな怪物を御するのは〝潜水服〟の人物。ある筋では人ではないという話があるほか、正体は不明だが……?
- 悪魔に対する加虐的側面
ATLASでは複数の観点から見て、魔族。特に悪魔に対して加虐的な面が存在する。
例えば屋上には一本の杭に悪魔の頭部を無数に突き刺した〝トーテムポール〟があったり
反面地下にあたる場所では何人もの魔族が強制労働に就かされていたり。
これは塔が魔界のものであると考えれば明らかな矛盾であり、何らかの突破口になりうるかもしれない。
- 『マモン』
唐突に出現する扉の奥に広がる、豪華絢爛や金銀財宝という言葉がピッタリの空間が塔には在る。
その主こそが肉塊に人の皮を剥いだ上半身を乗せたような異形、マモンの律する空間である。
マモンは悪魔であり、当人いわく『魔界に片割れが居る』とのこと。名前からすると、あの大悪魔か。
しかしそれほどの存在が何故悪魔に加虐的である空間に居るのか。少なくとも主とは友好的ではないはずである。
また彼は塔に来る誰しもが会える可能性を秘めている。が、悪魔は悪魔であることを決して忘れてはならないだろう。
最終更新:2013年07月28日 12:02