『ゼロ』
〝Zero〟
The Light in the Law
◆第211号事件
全ての始まり。
その日、大都会の中心で、無差別の殺傷事件が起こる。
犯人はディスプレイ付きのフルフェイスを被った謎の男。
偶然その場に居合わせた黒野カンナは怒りを堪えこれを制圧する。
しかし犯人のヘルメットが自爆し素性は明らかならず。
更には街頭ディスプレイと公衆電話から届く謎のメッセージ──“GOOD GAME”
尋常ならぬ闇を滲ませた事件、しかし彼女の上司『公安六課長』は不可解にもこれを秘匿するよう命じる。
◆政財界パーティー騒動
水の国のロイヤルホテルにおいて、政財界の重鎮とゲストを招いたパーティーが催されていた。
何某かの極秘任務を帯びた
公安三課・森島京と
クリシュティナ・レールモントフは会場へ潜入する。
奇しくも同時刻、公安六課の黒野カンナもまた上流の客人を装い中に紛れていた。
一方で、一人異質な方法で会場へと潜入する無機質な女があった。
それらは互いに互いの存在を知らぬまま、水面下で事が動いていく。
◇TIPS『イワン・クローノ』
十数年前。
当時の公安三課長、イワン・クローノに纏わる記録。
血濡れの猟犬として事件への並外れた嗅覚を有したその男は、ある時たった一人の極秘捜査に乗り出した末、行方を眩ます。
後に男は重大なテロの首謀者として公安に追われ、挙句に怪死を遂げる。
真相は闇に葬られたまま、現代まで時は流れ。
ある時、かつてイワンの部下だった現公安三課長がイワン生存の痕跡を発見する。
死んだはずの男が活動する目的は何か、真相を求め三課長は現メンバーを使役し手がかりを追う。
その重要参考人として追跡していたのは、あの日パーティー会場にいた初老の男・財閥関係者Aだった。
◇TIPS『レイチェル』
(同ログ【Side IV】より)
パーティー騒動に至るまでの経緯、六課視点。
フルフェイス事件の後、黒野カンナは円 嗣星なる人物から秘密裏に召集を受ける。
その男は水の国警察の特別監査官という役職に就く警視正。
彼が極秘裏に帯びている任務は警察内部の不正を監視し、それを滅すること。
そのような人物から明かされるのは公安内部に渦巻く陰謀の存在。
国家を覆す脅威に抗するため、男は黒野カンナにとあるアンドロイドを追跡するよう密命を与える。
アンドロイドの名はレイチェル。
陰謀に関する情報を隠滅して回る工作要員とのこと。
それを確保するため、彼女はパーティー会場に潜入する。
かくして三課と六課はその日、互いを知らぬまま現場で鉢合わせることになった。
◇TIPS『ゼロ』
(同ログ【饗宴の後で】より)
パーティー騒動以後のこと。
再び円に召集された黒野カンナはいくつかの真実を知る。
回収した『レイチェル』のメモリーにより判明したのは、『黒幕』に加担する人物の一人。
それは直属の上司である『公安六課長』鹿賀谷(かがたに)その人だった。
自身の所属する六課は既に闇の只中にいた。
底知れぬ絶望の中、円は黒野カンナに異動を命じる。
その異動先は、公安部特務一課特捜班『ゼロ』。
しかしその大仰な肩書きに反して現在の人員は司令官の円を除けば彼女ただ一人。
協力者集めをしようにも既に『公安』のどこに敵がいるか分からない。
極めて困難な状況に置かれながらも、国家を蝕む闇に抗するため、その小さな舟を漕ぎ出す。
◆斜陽のデッドチェイス
夕暮れの廃団地にて、決死の追走劇。
屈強な魔術剣士
ディミーア・エルドワルと、
戦闘慣れした謎の非能力者・西島が、圧倒的戦力差の中でゲリラ戦を繰り広げる。
◇SS『二・一二事件』
公安一課のエース・西島当護確保の前後事情。
西島が仕掛けた官僚襲撃事件は『円卓』なる組織を検挙するための工作の一環だった。
それに関連する重要機密を狙って『黒幕』もまた西島当護に追っ手を差し向けていた。
『ゼロ』は『黒幕』よりも先に西島当護を確保しなければならなかった。
果たしてそれは、一人の剣士の登場により叶うことになる。
◇SS『西島当護』
『エース』と謳われた西島という男、その過去と正体。
固く口を閉ざす古株の男に、新米の捜査官は追いすがる。
◆外伝:ありふれた幸せの断片、定められた血の断章
どこか別の世界で起こった平凡な話。
黒野栞奈と森島京に起こり得る可能性。
◆番外:井戸魔人の聖戦
自販機に棲む謎の小人・井戸魔人が、聖属性の力を有した少女と出会い、喧嘩する。
そこへ通りかかった剣士・ディミーアも巻き込まれ、阿鼻叫喚の乱痴気と化す。
井戸魔人の後日譚。
イドッツォはいつも通りかかる憧れの婦警に思い切って話しかけることを決断する。
◆櫻の軍人、波濤を越えて
櫻の乱れ咲く島国より、一人の男が海を渡る。
櫻国
魔導海軍諜報部員、
厳島命。とある剣士を介して、『ゼロ』と接触。国を越えて同盟する。
◆法の所在
次々と動き出す多様な脅威を前に、ディミーアと黒野カンナの面持ちは険しい。
闇を打破するための一手を練り上げていた最中、『魔制法』の一部試験運転が決定される。
◆嵐の夜、船上にて血染めの蝶
セレンディピター号、嵐の夜の一幕。
『レイチェル』のリブート機『レイ』が、公安三課をバックアップする。
しかし『血』と『蝶』を繰る謎の下手人との戦闘中、森島京が海中へと引きずり込まれ──
◇SS『遡流』
黒野カンナは正体不明の感情熱に振り回される。
森島京の心身は孤独の中で蹂躙される。
『ゼロ』は断腸の念で森島京の捜索を保留する。
◆特区カミスシティ:Side A
『魔制法』の施行により制定された異能制限区域、その一つ『カミスシティ』において。
街に潜入した厳島命とディミーア・エルドワルは、黒野カンナの要請を受けてドローンの鹵獲作戦に乗り出す。
(〜2018/04/13時点)
NEXT ──
其れは神の寵子か
悪鬼の末裔か
其処は永劫の囚牢か
エデンの土壌か
腐敗の林檎は人世のいずれ
兎に祭文
人に真理
終焉のみ勇ましく歩む
- Zero -
Episode 13
『Ω因子』
最終更新:2018年04月13日 13:05