地理
彼我見市
日本東部にある地方都市。
合瀬川と外雲川に挟まれており、隣町と行き来するには川に架けられた橋を渡る必要がある。
かつては彼我見国と呼ばれており、常世に近しき地とされていた。
また水害が多い地域でもあり、特に梅雨の頃は大規模な被害を齎す洪水が多発していた。
伝統工芸品は静霊鏡。
四鏡村
彼我見市北東部に広がる森の中にあった寒村。
世間的には自然災害で壊滅したことになっているが、実際は鏡送りが失敗したことで常世に戻った。
隠鏡
彼我見市西部の地域。
かつて存在した村は鏡鬼に壊滅させられ、現在の住民は鏡鬼を退治した霊能者の噂を聞き付けて移り住んできた人々の子孫が大半を占めている。
河川・湖
合瀬川
彼我見市の西側を流れる一級河川。
洪水の被害が甚大だったため玻璃境ダムが建設された。
外雲川
彼我見市の東側を流れる一級河川。
合瀬川と違って洪水は滅多に起きない。
四鏡湖
四鏡村の奥に広がる淡水湖。
鏡送りの斎場でもある。
山・森
番鏡山
彼我見市南西部に聳える山。
その昔は子捨て山として使われていたが、十四年前に起きた山火事以降は心霊スポットとして一部の人間が
その存在を知る程度となっている。
不帰の森
今も残る常世の一つ。
夜咫神社の境内にある森と繋がっているが簡単には行き来できない。
施設
夜咫神社
彼我見市南部にある神社。
初夏に祭が催される。
境内の奥に広がる森は不帰の森に繋がっている。
玻璃境ダム
合瀬川に建設されたゾーン型フィルダム。
洪水の頻度を減らすために作られた。
華峰植物研究所
彼我見市郊外に佇む研究施設。
かつては様々な植物を研究対象としていたが、鏡花の研究をするようになってからは人命を軽視する
悍ましい行為を繰り返した挙句ごく一部の職員以外は鏡花の苗床にされる悲惨な結末を迎えた。
万華鏡園
華峰植物研究所の関係者以外立ち入り禁止とされている謎の施設。
その正体は美しく咲いた苗娘たちの展示場。
御角縁寺
彼我見市南東部にある仏教寺院。
敷地内には彼我見国が出来る以前に埋められていた身元不明の人骨を弔う納骨堂が建てられている。
組織
特務零課
怪奇現象に纏わる事件を受け持つ警察の一組織。
彼我見市の特務零課は特に忙しい。
死神
本作においては公務員の一種。
鏡花のように特異な性質を持つ花が関わる事件が起きた際には特務零課に協力する、或いは協力を仰ぐ。
彼我見市を担当する死神は椿。
道具
静霊鏡
彼我見市の伝統工芸品として有名な魔除けのお守り。
手のひらに収まる程度の大きさで縁には細かな装飾が施されている。
対象の顔を鏡に映すことで怨霊や怪異を撃退する他、持っているだけでも常世の闇がもたらす悪影響を抑制する効力を持つ。
欠点は顔を映せない相手には何の役にも立たないこと。
鏡の裏面には制作者の名前が彫られている。
鏡人形
降霊術に用いられる人形。
顔の造形が精巧であればあるほど目当ての魂を呼びやすくなるとされている。
幽霊・怪異
幽霊
肉体を失って常世の存在となった人間。
負の感情が増幅すると怨霊或いは怪異に変質する。
怨霊
人に仇なすものと化した幽霊。
怪異との差は人の領域に留まっているか否か。
怪異
人ならざる常世の存在。
大まかな区分として自然発生したものと人間由来のものの二つが存在する。
顔なし
何らかの理由で顔を失っている幽霊や怪異を指す呼称。
静霊鏡が効かないため対処が困難。
鏡鬼
隠鏡の村を滅ぼした怪異。
災いを招く元凶として理不尽に殺された娘の怨念から生まれた。
退治された際に自分の生まれ変わりを隠鏡の地に生む呪いと自分を退治した霊能者の一族を苦しめる呪いを残した。
顔借鏡
鷹也たちが通う学校に現れた怪異。
突き飛ばされた勢いで鏡に顔をぶつけて死んだ女子生徒の怨念から生まれた。
失くした顔の代わりとなる綺麗な顔を求めて放課後の校内を徘徊する。
その他用語
常世
所謂あの世のこと。
彼我見市の前身である彼我見国は常世だった地域を開拓して人が住めるようにした場所。
常世の闇
常世を包む悪い空気。
四鏡村は特に常世の闇が濃く、生きている人間の身体にも悪い影響を与える。
鏡送り
四鏡村で行われていた常世の闇を抑える儀式。
儀式鏡を携えた鏡の巫女が四鏡湖に入水し、儀式が成功すれば湖面が輝く。
鏡の巫女
鏡送りで人柱となる女性。
四鏡村を納める四家から選定される。
忌み児
特定の身体的特徴を持つために蔑まれる子ども。
彼我見市では鬼の児と鏡児が有名。
鬼の児
忌み児の一種で鏡鬼と同じ赤い目を持つ子どもを指す蔑称。
鏡鬼の再来を避けるため腫れ物扱いされる。
鏡児
忌み児の一種で一卵性双生児を指す蔑称。
彼我見市では両方を間引く因習が根強く残っている。
鏡隠し
所謂神隠しのこと。
鏡花
彼我見市固有の花でクレマチスに似た形をしている。
可燃性の毒を含んでいる他に人体を苗床に育つ危険性を持ち合わせている。
苗娘
鏡花の苗床にされた少女を指す呼称。
吊るし鏡
彼我見国で行われていた願掛けのおまじない。
かつては人柱に首を吊らせて願を掛ける形式を取っていたが、人道的配慮を求める声が上がってからは裏面に願いを彫った鏡を木に吊るす形式に変化した。
伝染し鏡
彼我見国で行われていた呪術療法。
負の感情を水鏡に移すことで精神の回復を図る。
水餓は水鏡に溜め込まれた負の感情から生じた怪異。
最終更新:2023年06月17日 11:15