大原則 乱用はしない

  文章技法(修辞法)には、様々なものがある。ざっと上げていくだけでも、比喩、倒置、体言止め、反復、擬人法、擬音・擬声語、擬態語、反語、押韻、省略と、これだけのものが出てくる。
  また、修辞法以外にも!、?、…などの記号類の使用、さらに書体(フォント)を変える、文字の大きさ、色を変えるなどといった少々反則気味なものまで、文章を「読ませる」ためのテクニックは数多い。
  私たち書き手は、先人の編み出してくれたそれらの技法を駆使して、いかに読み手に楽しんでもらうか知恵を絞るわけだが、一つ、留意しておきたい点がある。
  どれほど効果的な技法であっても、それを使えば使っただけ、その効果は薄れていく。まして、それを乱用してしまえば「効果的」どころか「陳腐」とさえいわれかねない。
  端的な例に、「!」がある。この記号を末尾につけることで、その言葉を強調する、あるいは大声を出したという事実を表現できる。これを二つ重ねた「!!」という記号は、よりその感動が大きくなった際の表現手段として一般的だが、これを大量につけて「!!!!!!!!!!!!」としたところで、それだけの何かが表現できるかというと、決してそうではない。むしろ「いっぱいつければいいってもんじゃないだろう」といった冷めた反応が返ってくるのが関の山だろう。
  これと同じことは、その他の文章技法全てにおいていえる。「!」ほど極端な使い方はできないにせよ、同じような文章表現を何度も使用していれば、読み手はいずれその表現に飽きてくる。
 繰り返すが、どれほど効果的な技法でも、それを安易に乱用すれば陳腐になってしまう、という点は心しておくべきである。
  それが効果的であればあるほど、無闇に乱用せず、使い所を選びに選んで、ここぞという場面で使いたい。

最終更新:2007年04月29日 10:13