31の機能

  ソ連の昔話研究家、ウラジーミル・プロップは、「昔話の形態学」の中で、昔話の構造は31の機能に分類される、とした。
  物語で起きる出来事は様々であるが、それぞれを突き詰めれば31種類になる、というのである。以下が31の機能である(原書未読のため、以下はwikipediaより引用)。

  1. 留守もしくは閉じ込め
  2. 禁止
  3. 違反
  4. 捜索
  5. 密告
  6. 謀略
  7. 黙認
  8. 加害または欠如
  9. 調停
  10. 主人公の同意
  11. 主人公の出発
  12. 魔法の授与者に試される主人公(贈与者の第一機能)
  13. 主人公の反応
  14. 魔法の手段の提供・獲得
  15. 主人公の移動
  16. 主人公と敵対者の闘争もしくは難題
  17. 狙われる主人公
  18. 敵対者に対する勝利
  19. 発端の不幸または欠如の解消
  20. 主人公の帰還
  21. 追跡される主人公
  22. 主人公の救出
  23. 主人公が身分を隠して家に戻る
  24. 偽主人公の主張
  25. 主人公に難題が出される
  26. 難題の実行
  27. 主人公が再確認される
  28. にせ主人公または敵対者の仮面がはがれる
  29. 主人公の新たな変身
  30. 敵対者の処罰
  31. 結婚(もしくは即位のみ)

  これは、「これを組み合わせて物語を作れ」といった単純なことではなく(もちろんそうやって物語を作るのは悪いことではなく、むしろ有用な手法であろう)、「物語作りにおいては、すでにここまで物語の構造というのは研究されている」ということを念頭に置いて物語を構築しなければならない、ということである。

最終更新:2007年04月29日 10:57