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マラク・ターウース(Malak Taus)

アラビア語で「孔雀の天使」という意味の名を持つ天使
イラクを中心にクルド人の信徒がマイノリティとして分布するヤズディ教?独自の天使である。
絵としての表現では、「孔雀の羽を持つ天使」ではなく、そのまんま孔雀の姿をしている。
よく誤解されるが、彼自身は崇拝対象や主神ではない。ヤズディ教は一人の神を信仰する一神教である。
「人間のために主なる神に反逆した堕落天使」という説も広まっているが、ヤズディ教では堕天使とはしていない。
ただし、神話中にクルアーンにおける堕天使イブリースの説話に似たシーンがあったようで、現地のイスラム教徒から「悪魔崇拝者」扱いされていた。
ヨーロッパにこの宗教が紹介された当初は、そうした邪教的な扱いであった。
1919年に書かれた解説本Devil Worship The Sacred Books and Traditions of the Yezidizのタイトルはそれをよく物語っている。

Devil Worshipには副題にあるように「イェズィディたちの聖典」が二つ収録されている。
創作説もあるテキストだが、ヤズディ信仰の内容をある程度反映していると考えられている。
その一つ『ミシェファ・レス』の創世神話にはマラク・ターウースが登場している。
そこでは、彼は神によって最初に創造された天使であり、マラク・アンザジル(アザゼル?を連想させる)とも呼ばれる。
マラク・ターウースは神から万物の支配者に任じられた。
他の人類とは別で誕生したとされるヤズディの民は「マラク・ターウースの民」と呼ばれている。

マラク・ターウースは楽園でアダムに禁断の小麦(禁断の果実)を食べさせるのだが、事前に神からお前に任せると言われており、とくだん神に叛いている描写ではない。
しかし自分で「食べると何もかもよくなる」と言って食わせておいて、食べて腹が膨れたアダムを楽園から追放したあげく自分は天国に帰ってしまう。

そのあとヤズディの民のもとに現れ、彼らの王を任命する。マラク・ターウース以外の天使はアッシリアの王たちを任命したとある。

マラク・ターウースはヤズディの教義をこの民に教えて天に帰っていったという。

参考文献

Devil Worship The Sacred Books and Traditions of the Yezidiz
ミシェファ・レス、ヤズィーディーの黒の書(上記収録の聖典の和訳)
※古い著作であること、またその中立性、確実性に疑いがあることを踏まえられたし

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最終更新:2015年11月15日 02:38