チュレル(Churel)


インドに伝わる女性の邪霊。
お産や不浄な儀式などで不自然な死を遂げた女性、望みを達せなかったり幸せに暮らせないまま亡くなった女性、ディーワーリーの期間中に亡くなった女性はチュレルとなる。
チュレルは足が前後逆向きに付いていて口が無い美女、足が前後逆向きに付いていて前半身は白色だが後半身は黒色となっている美女、もしくは足が前後逆向きに付いていて乱れ髪に黒い舌や手触りが粗くて分厚い唇を持っていて乳房が垂れ下がった醜女の姿をしている。角灯を持って現れたという情報もある。
変身能力を持つとされる場合もあり美女の姿で現れるチュレルは若者を誘惑してその若者が老人になるまで取り憑くといい、ある若者が夜道で出会った美しい娘の招待で大きな城のような家に招かれ何日間も歓迎されたと思ったら実はその娘はチュレル(足が前後逆向きに付いていて前半身は白色だが後半身は黒色となっている美女の姿)であり二日しか経っていなかったにもかかわらず五十歳も歳をとって老人になっていた。
チュレルとなった女性はまず生前に家族だった男性たちを襲うといい、自分と血が繋がっていた一族の中で最も若くて美しい男性を最初に誘惑してから吸血して皺まみれの老人にしてしまう。そして家族だった男性たちを吸血し尽くすと他人を狙い始め、一人歩きする旅人の男性に忍び寄り誘惑しては道に迷わせたり、男性を捕まえて墓地の住処に連れ去ってから少しずつ食事を与えたりする。
南部のいくつかの地域では村の入り口に環状列石を配置して清めることで邪悪なチュレルが侵入できないようにする。

参考文献

 テリーザ・ベイン『Encyclopedia of Vampire Mythology』46頁
 森野たくみ『ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜』151頁
 加納一朗/石川えりこ『3分で読めるアジアのこわい話』84頁
 朝里樹『世界現代怪異事典』23頁

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年09月25日 14:49