吸血鬼


 吸血鬼とは、世界のあちこちで語られる、人の生き血を吸う妖怪である。

 アト・ド=ヴリースによれば、この皆さんは狼、ふくろう グールサキュバス?の方の夢魔魔女幽霊と関連する。また、犬歯が長くて紅毛碧眼(赤毛はカインとかユダの髪の毛と言われる)で、掌の方に毛が密集し、三ツ口、兎唇、ω状の唇をしていると言われる。また、血を吸われてる間はとても気持ちが良いので被害者と加害者がなんか変な関係になると言われる*1

  森瀬繚、 静川龍宗『吸血鬼』によれば、日本の磯女、濡れ女、と呼ばれる妖怪は人の生き血を啜ると言われる。森瀬先生などは資料にしてないけど宮田登『ヒメの民俗学』で、「子を育てるため」生き血或いは握り飯を要求する磯女*2が、ジャパニーズヴァンパイアとして紹介されている。また、吸血鬼に関し、生きてる言訳としての血液信仰がどうこう言われるが、ニコライ・ネフスキーによれば、日本にもそういう「肥料として異常な効果を持つ」者として血液が機能するとされた可能性を示唆する伝承が伝わっていたという。

 柳田國男は、一応、葬儀に関するタブーとして、「未往生申仏」という、未の日に死んだ人は翌日でなくてさらにその次の日に あるいは申の日に死んだ人は然るべき処置をしてお葬式しないといけないというものを紹介している。柳田はこれについて、こうしないと死体が「Vampireのような」多分アンデッド系になるというなんかがあった可能性を示唆している*3

 南方熊楠は、インドで、アスラ・パス、ブラッドドリンカー、フィメールインプ、などと言われ、人の生き血を飲むとされるダキニというものがおり、同じようなダーカンというものや、ある呪法を施すとヴァジュラドキニと呼ばれる、多分ナノサイズの使い魔が、大量に相手へ襲い掛かり毛穴という毛穴から侵入して血を啜るというのを列挙し、あと、南方先生はインドゲルマンなんたらとかインドヨーロッパ語族とか言ってなかったけど、カフカズ山中にダクハナヴァールと呼ばれる、脚!!から血を啜るというなんぞの伝承を紹介はしている*4

 南方熊楠は、大正年間に「詛言について」で「両親か僧に呪われたもの」が吸血鬼になるという伝承を紹介している*5

世界各地の吸血鬼伝説

参考資料

 森瀬繚、 静川龍宗『図解 吸血鬼 F‐Files』
 ニコライ・ネフスキー『月と不死』
 アト・ド=ヴリース『イメージ・シンボル事典』
 柳田國男『禁忌習俗事典』
 南方熊楠『南方熊楠全集 第2巻』
 宮田登『ヒメの民俗学』

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年10月28日 03:58

*1 『イメージ・シンボル事典』666頁

*2 宮田『ヒメの民俗学』には他が出てるけどいいや

*3  柳田國男『禁忌習俗事典』118頁

*4 『南方熊楠全集2巻』389頁

*5 『南方熊楠全集2巻』165頁