狸のカムイ

エゾタヌキのカムイ。アイヌ名を
アパサムンカムイ「apa(戸口)sam(脇)un(いる)kamui(カムイ)」という。
普通タヌキはモユク「mo(小さい)yuk(獣)」と呼ばれるが、しばしば人家の近くに現れ、家の中を覗き込んだりするところから戸口のカムイとする地方があった。

二風谷地方などでは、熊のカムイの娘で、妊婦を守るカムイとされる。イオマンテの際に熊のカムイと一緒に送られるはずが、目の前に捧げられた自分の肉があまりにおいしそうで、うっかり一口食べてしまったためにカムイの国に帰れなくなってしまったから、という物語が残されている。
白老、鵡川地方では熊の家来や飯炊きであり、そのため顔が黒いなどといわれる。
釧路、北見、美幌地方などでは逆に熊の叔父・叔母であるとされ、熊と一緒に飼われその扱いも熊より上であったという。

参考資料

北海道の項を参照のこと。

山北篤監修『東洋神名事典』223頁

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最終更新:2021年07月04日 15:47