ドライアド(Dryad)
ドライアドが英語でギリシャ語はドリュアス(Dryas)。
ギリシア神話に登場する樹の
ニンフ。
緑色の髪に、楢の葉でできた冠をかぶっている。人間より少々小柄。
自分たちの樹を傷つけられると彼女たちも死んでしまうため、斧で武装していることもある。
通常、ドリュアス(ドライアドに関するギリシャ語の土人の発音に比較的近い表記)は、ドリュ(楢だ。樫はアジア圏の常緑樹なので落葉樹のこれと全く違う)だけに楢の木の精霊(ニンフ ニュムペー)である。ドリュが英語のツリー(Tree)と同根であるため、「樹木のニンフ」を指すが、ほかのドリュアスも存在する。
神話にはドライアドが登場する話がいくつかある。
裕福だが不信心者であった
エリュシクトンは、女神
デメテルの聖なる森を切り倒した。
エリュシクトンは呪いを受け、飢餓に苦しむことになる。彼は自分の財産を使い果たし、最後には自分の身体まで食べて死んだ。
ライコスという男は、楢の木が倒れそうになっているのを見て、それを支えさせた。
するとその樹に宿っていたドライアドが現れ、礼をしたいという。ライコスは彼女を望み、二人は恋人となる。
しかし、彼女が自分の使者なので大切にするようにと言っていた蜜蜂を、ライコスはうっかり払いのけてしまう。
ドライアドは怒り、彼の目を蜜蜂に刺させて失明させてしまった。
パライビオス(Paraibios)はドライアドの願いにも関わらず木を切り、その報いでひどい貧乏となった。ピネウス王は祭壇を築いて贖罪の犠牲を捧げるように薦め、その呪いは解けた。パライビオスはピネウスの忠実な従者となったという。
ほかの皆さん
ハマドリュアス 「ハマ(生命力)楢の精霊」の意。柏の精。エーゲリアさんとかシューリンクスさんが有名。ハマドリアド(ハマドリュアスHamadryas)は特に樹木との関係が密で、樹と一体となっている他、「水の精霊」ということにもされる。
メリア トネリコの精霊
また、サマセット(英国)の荒地には、樺の木から産まれる「The one with the whitehand(白き手の精霊)」と呼ばれるドライアドが出る。なんか黄昏時に樺と楢の低木林から起き上がり、道行く旅人に付きまとう。青白い顔の精霊に、小枝のような腕を胸へ触られた旅人は死を、頭へ触れられた人は狂気を吹き込まれ、そんなんなった人のしかるべき箇所には手の跡が残るとされる。なのでその辺を旅する人は魔除けのお塩が欠かせないという。
参考文献
最終更新:2025年02月17日 15:44