訶利帝母
(1)『鬼子母神』と言う名で、日本では親しまれている。安産、子育てを司り、
中央アジアから日本に至るまで広く信仰されている。その姿は天女姿で、左手に子供を抱き、右手に吉祥果(ザクロ)を持っている。
ざくろを持っている理由として、ザクロは一つの果実に多くの実が入っていることから、多産を表していることが一つに挙げられている。
訶利帝母は
インドで『
ハーリーティ?』と言う名で呼ばれ、
パーンチカ?(もしくは『般闍迦』)と言う鬼神の妻で、人の子供を食らうと言う鬼であった。
人々は恐れ、何とかしてほしいと
釈迦に頼んだ。
ハーリーティ?には子供が五百人(一万人と言う説もある)の子供がいたが、
ハーリーティ?が一番溺愛していた末息子を、
釈迦は隠してしまう。そのことを大層悲しんだ
ハーリーティ?は
釈迦のもとを尋ね、息子の行方を教えてほしいと懇願した。しかし、
釈迦は「五百人もの子供がいるのに、なぜ悲しみ探し回るのか」と問うと、
ハーリーティ?は「たったひとりでも、子供を失った悲しみは耐えられない」と答える。
釈迦はそれを聞くと、「それではなぜ、世間の子供をさらい食らうのか。普通の母親はおまえと違い、せいぜいニ・三人しか子供を産まない。そんな母親が、子供を失った悲しみはどれほどのものであるか」と問いかけると、
ハーリーティ?は自らが食してきた子供の母親がどれだけ悲しんだかを悟り、
釈迦に罪を償いたいと申し出た。すると、
釈迦は仏法に帰依するよう命じたのだ。
ハーリーティ?はこれを約束し、以来子供を食わない事も約束して、子供を返してもらった。しかし、人の肉の味が忘れられない
ハーリーティ?は、人の味がする吉祥果(ザクロ)を食したとされる。
(2)
密教では『天女姿』で描かれるが、
日蓮宗?では鬼女の姿をした『忿怒相』で表される。これは近代作られた物で、仏法の守護をする姿で描かれたものであるとされる。
参考
最終更新:2007年07月17日 23:21