ヴェーダ Veda


ヴェーダとは、バラモン教、ヒンドゥー教における聖典のことである。「知る」を意味する語根「vid-」から作られた語であり、主に宗教的な知識を意味する。

誰かが創作したものではなく、この世の開闢より存在するものと考えられ、トランス状態にある宗教者が啓示を受けて表現化し、また別の宗教者が暗誦することによって伝えられてきたとされる。また内容が誤って伝えられるのを防ぐために様々な吟唱法が考案されたため、内容は時に難解を極め、何を意味するのかが詳細に解読できていない場合すらある。

有名なものに紀元前1500~900年の間に成立したとされる最古のヴェーダ、リグ・ヴェーダが挙げられる。内容は神々に対する讃歌をまとめたものである。現存するもので1028の讃歌がおさめられている。そのうち実に4分の一がインドラに捧げられたものである。リグ・ヴェーダはその性質上、統一された内容があるわけではなく、世界創造の讃歌でさえ複数の違った内容が存在している。

ヴェーダ文献は他に歌詠集であるサーマ・ヴェーダ、祭詞集であるヤジュル・ヴェーダ、呪句集であるアタルヴァ・ヴェーダがあり、その内容はさらにサンヒター(本集)、ブラーフマナ(祭儀書)、アーラニヤカ(森林書)、ウパニシャッド(奥義書)の四つの要素に分類される。

参考文献

ちくま学芸文庫 インド神話 マハーバーラタの神々

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最終更新:2006年11月12日 19:37