年末調整は誰の義務か

年末調整とは、会社にとって義務なのか、それとも社員の便宜を図ってやっているのでしょうか?

(年末調整)
第百九十条  給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第一号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が二千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後その年十二月三十一日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、第一号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第二号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならない
(所得税法190条)

 給与所得者の扶養控除等申告書(年末調整の時に書かせるアレ)を提出した労働者については、年末調整を行わないといけない旨の条文が書いてあります。反対解釈すれば、提出していない労働者については、法律上は年末調整をしなくても良いことになります。
 とはいえ、トラブルの原因になりますし、仮に会社が年末調整をしていない疑いをかけられた時(有罪なら10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金・・・重罪です)に本人が扶養控除申告書を提出していないことを証明するのは大変なので、本人に催促を繰り返して提出していないほうがはるかに合理的です。

 本人がどうしても提出しない時に、所得税法194条を根拠に、「このままでは自分で確定申告して貰いますよ」と揺さぶりをかけるくらいが関の山かもしれません。
最終更新:2015年02月18日 21:06