一軍選手になれ! ~ 朱里の秘密

あらすじ

ランプから出てきた魔人に目標を達成しないと死んでしまう呪いをかけられたパワポケ。
ミルキー通りで紫杏と遭遇して、展望台で真相を聞かされた。
そしてアウトレットモールで浜野朱里と出会う。パワポケは一軍選手になれるのか?

パワポケは浜野に会い、彼女の過去を聞いた。体の秘密を教えてもらうとなんと浜野はサイボーグだった。
その次の週に再び会う。どこの会社かと聞くと、ジャジメントの方らしい。
次の週、浜野とコンビニに行くが、彼女はゴミをあさり、消費期限切れの弁当を見つけた。
パワポケは浜野がこんな生活をしているかと思うと心配になる。
次の週に浜野に会い、一緒についていくと怪しい2人に遭遇する。
浜野は2人を止めようとするがやられてしまう。
しかしパワポケは自分が行ってもやられるだけと判断し、じっとしていることにした。
5月1週、パワポケは浜野におみやげに生活に使えそうなものを寮から持ってきた。
そして2軍の試合。パワポケは試合で大活躍した。その後パワポケは浜野の様子を見た。
5月3週、狩村は調子を崩し、勝てない試合が続くことになる。
5月4週...パワポケは浜野に会いに行く。そこで浜野が怪しい男を交戦していた。
浜野は超音波振動で相手の脳をゆさぶって動きを止めた所を銃で撃ち殺そうとするが、
パワポケは「倒れた相手にとどめを刺すのは正しいことじゃない」と浜野を止める。
浜野は「こいつが生きて帰ったら、このアジトのことがばれるから、移動しないといけない」と言うが、
パワポケは「アジトぐらい、移せばいい」と説得し、浜野は銃をしまい、アジトを移すことにした。
6月1週、ホッパーズナマーズに5連勝した。そのころ...

ルッカ「アメリカ本社の承認も得ず、アジムとの交渉を行うとはどういうことですか。説明しなさい。」
紫杏「産油国の支援を受けているアジムはワギリバッテリーを目の敵にしており
オオガミと敵対しています。うまく協力体勢をつくれば強力な戦力になってくれます。」
ルッカ「連中は、ただのテロリストです。協力が明らかになれば
ジャジメントのイメージダウンはさけられません。」
紫杏「アジムとの交渉については、ゴルトマン会長の許可を得ております。」
ルッカ「な...?」
ゴルトマン「ああ、シアンの社長就任時にな。こんなに早く実現するとは思っておらんかったが。」
ルッカ「会長!」
ゴルトマン「ただし、状況によっては日本支社そのものを本社から切り離す。そういうことでよいな?」
紫杏「はい、ありがとうございます。」
ルッカ「...ミス紫杏。まだ翻訳機を使っているのですね。
いいかげん、英語をちゃんと話せるようになってはいかがです?」
紫杏「申しわけありません。自動翻訳機の性能が高いので助かっています。」
ルッカ「それはオオガミ製ですね。敵の道具を使っていて、はずかしくはないのですか?」
ゴルトマン「ルッカ、そのくらいで許してやりなさい。アジムとの交渉結果はすべて本社に報告するように。」
紫杏「了解しました。」

(パッ!)

ルッカ「会長! あのような小娘にどうしてそこまで自由にやらせておくのです。」
ゴルトマン「日本にくわしいスタッフがもう他にはおらんのだ。それにあれは、お前とは違う意味で優秀だ。」
ルッカ「あの女が? しょせん日本人ですよ、あれは。」
ゴルトマン「(...やれやれ。)」

6月3週

パワポケ「あれ、あれは社長の秘書じゃないか。ボーッとして何をしてるんだ?」
「もし、そこのあなた。ひとつお聞きしてもよろしいですか?」
パワポケ「はい、なんでしょう?」
「ロマンというものについてなにかご存知ではありませんか?」
パワポケ「え?」
「ああ、単語の意味はわかります。ロマンス、あるいは小説のような成功や冒険や体験。
しかしもっと大切な価値があるそんな単語であったように思うのです。」
パワポケ「(「単語であった」? どうして過去の話なんだろう。)」
「たとえば、あなたにとっての野球。それはロマンではないのですか?」
パワポケ「そういえば、そうかも。野球にこだわって、
野球でなにかすごいことやりたいって思うのはロマンってのかもしれないなあ。」
「...こだわり、ですか。」
パワポケ「いや、むしろ夢かな。たとえ自分が中心じゃなくても、
なにかすごくカッコいい事件やいい話になってほしいって時があるじゃないですか。」
「...わかるような気がします。突然のことに対応いただき、ありがとうございました。
それでは、仕事があるので私はこれで失礼します。」

(スタスタ...)

パワポケ「...なんだろうな? いつもは冷たい人って印象があるけど、
さっきは途方にくれてたようだった。よくわからない人だな。」

そしてパワポケは浜野と交流を深めていった。

7月1週

紫杏「野々村監督。ずいぶん5位と離されたな。」
野々村監督「もうしわけありません。」
紫杏「いやいや、一向にかまわない。今はチームの育成に集中してくれ。
私の希望は前にも言ったとおり2年後に優勝争いに参加することだ。」
野々村監督「はあ...」
紫杏「選手の獲得には金を出さない。
あくまでも、育てた戦力で戦い続けていただきたい。
そのためのお金なら、いくらでも喜んで出そう。」

(そして...)

水木「変わった経営者ですね。」
野々村監督「どうも、球団の利益とかあまり気にしていないようだね。
(いや、それどころかむしろ負けて喜んでるような...)
ともかく2年かけてチームを育てられるのはありがたい。」
具田「おおっ?! あそこにいるのは一軍の野々村監督でやんすよ。」
パワポケ「よーし、いいところを見せてアピールするぞ!」

パワポケは投球テストでいい結果を出し、アピールをした。

パワポケ「よし、これでどうだ!」
野々村監督「前よりも、よくなったね。」
水木「そろそろ上でテストしますか?」

(...そのころ...)

紫杏「では、取引の件はそういうことで。」
「ああ、最後にひとつだけ。...あなたの父親の死に我々アジムが関係していることをあなたはどう思ってるのですか?」
紫杏「つらいことですが、目下の大問題を解決するためには忘れます。ジャジメントとアジムの同盟は必要なことです。」
「......なるほど。あなたとはよい取引が出来そうだ。それでは失礼いたします。」

(スタスタ...)

紫杏「.........。」

8月1週...ジャジメントはハピネスXをアジムに売りつけようとするらしい。
ゴルトマンはこの件を紫杏に任せることにした。
9月1週...パワポケは二軍監督の水木に実力が認められ一軍に昇格した!
そして、初めての一軍の試合で大活躍した。一年目の願い事をクリアした!
9月4週、試合はナマーズの勝利で終わったが、勝利投手は狩村になった。
狩村と芦沼はロッカールームで言い争いになって大ゲンカに!

そして...

紫杏「芦沼と狩村がケンカでケガ? しかも、芦沼の新入賞は絶望的?
.........野々村監督。いつからこのチームは子供の集まりになった!」
野々村監督「もうしわけございません。私の選手起用がそもそも原因で...」
紫杏「...もういい。だが、今後こういうことは困るぞ。」
野々村監督「はい。」

(バタン)

紫杏「カイ。すぐに事件のあらましを調べろ。
そして内容に色をつけてから週刊誌にリーク(情報をもらすこと)しろ。リーク元がばれないように、な。」
甲斐「はい。...社長、楽しんでますね。」
紫杏「まあな。」

10月4からは秋キャンプ。パワポケは練習をこなした。そして秋キャンプが終わった。

パワポケ「秋キャンプが終わった。これからしばらくはオフだな。」
具田「心と身体のリフレッシュ期間でやんす! で、実家にいつ帰るんでやんす?」
パワポケ「...26日ぐらいかな。」
具田「じゃあ、オイラもそのくらいまで寮にいるでやんすから、練習するときは声をかけてくれでやんす。」

(...そのころ...)

「コンバンハ、シアン会長。」
紫杏「どうも、ハキムさん。ところで、ハピネスXをもっと大量に購入したいということですが?」
ハキム「ハイ。」
紫杏「しかし、前にも説明しましたが...あの薬は、たしかにこれまでの
同じような薬品にくらべて10倍もの効率で超能力をめざめさせますが服用者が
超能力にめざめるのと同じくらいの確率で服用者を死なせてしまうのですよ?」
ハキム「わがアジムの人間は、すべて死などおそれぬ戦士なのです。
そして、オオガミの悪魔と戦うには超能力者の数は今の10倍必要です。」
紫杏「...わかりました、努力しましょう。とはいえ、あなたがたにあの薬を
提供することでジャジメントにおける私の立場も危ういのです。」
ハキム「ホホウ?」
紫杏「...そこでですね。その死を恐れぬ戦士たちの力 少し、お貸し願えないでしょうか。」
ハキム「ハハハ、おたがいに組織のことでは苦労しているようですね。...いいでしょう。
わたしはジャジメントではなくあなたに協力しましょう。」

(そして...)

ハキム「で、テレパス(読心能力者)はなんと報告を?」
「(シアン社長はアジムに対して敵意を持っていません。)」
ハキム「...オーケイ。ならば、父親のカタキをとるためわれわれをハメる可能性はないか。」
「(ただ、気になることが。テレパスがシアンの心を読んだあと自ら命を、その...)」
ハキム「...また、ですか。」
「(え?)」
ハキム「彼はなにか言い残しましたか?」
「(は、はい。信じられないことですが、「神など、いない」と叫んで...)」
ハキム「これまでの3人と同じです。
あの女、なにかとてつもない事を知っているようですね。そのうちに調べるとしましょう。
なあに、超能力など使わずとも自分からしゃべってくれますよ。しょせん、10代の小娘です。」

12月1週

具田「大変でやんす! 芦沼がホッパーズにトレードされることになったでやんす!」
パワポケ「ええっ?! でも、あいつは期待の新戦力で...」
具田「しかも金銭トレードでやんす。」
パワポケ「えええええっ!?」
具田「ひょっとしてウチの球団お金ないんでやんすかねえ...」

(ジャジメント日本社長室)

野々村監督「どういうことです! 芦沼は、来年ウチのローテーションの一角をになうべき戦力なんですよ。」
紫杏「まことに申しわけない。現場の長であるあなたへ連絡する前にマスコミにもれてしまったのだ。」
野々村監督「...連絡? その前に、相談していただきたかったものですな!」
紫杏「気持ちはわかる。だが、いろいろと事情があるんだ。今回は納得してもらえないだろうか。」
野々村監督「私は、社長の現場には理解のある方だと思っていたんですがね。...残念です。」

(バタン)

大神「...わからん。新入賞クラスの投手を、どうしてこんな金額で譲ってくれたんだ?」
北条「故障があるのかと調べてみましたがそんな事実はないようです。」
大神「となると...人間関係か。」
北条「そういえば、狩村投手となにかあったと聞いています。」
大神「まあ、いい。くれるというんだからもらっておこうじゃないか。」

(そして...)

芦沼「じゃあ、みなさん。お世話になりました。」
パワポケ「ああ、元気でな。.........。」
具田「これで、あいつは敵でやんすね。」
パワポケ「ライバルチームだけど、「敵」ってことはないだろ。」
柿元「...パワポケ君は、芦沼君がトレードのことを聞いたときのニュースは見てないんですね?」
パワポケ「なんのことだ?」
柿元「彼、すごく喜んでましたよ。はしゃいでた、ってくらい。」
パワポケ「え?」
柿元「まあ、気持ちはわからないでもないですけどね。どうせなら強いチームでプレイしたいじゃないですか。」
具田「オイラも一軍で活躍して、めだって、強いチームに行って優勝するでやんす!」
パワポケ「(そ、それでいいのかな?)」

続く

最終更新:2020年09月07日 21:19