具田と芦沼の復讐の罠 ~ 日本シリーズへ

あらすじ

ついにリーグ優勝を果たしたパワポケ。
しかしクライマックスシリーズに勝たなければ日本シリーズに行くことができない。
また、ある害悪二人がクライマックスシリーズに何かを企んでいる...

クライマックスシリーズは、ナマーズホッパーズが勝ち残り、
ファイナルステージはナマーズとホッパーズとなった。
そして、次の朝...いよいよクライマックスシリーズ・ファイナルステージへ...

パワポケ「ふぁーあ、おはよう。ん、みんな!?」
ナマーズの選手たち「う...ぐぐぐ...」
パワポケ「おい、何があった!?」
「実はスタミナ弁当を食べて体力をつけていたんだが、食べたら急にお腹が痛くなって...」
パワポケ「なんだと!? !」
子供「!?」

(タタタタタッ...)

パワポケ「待て!」
水木「こら!」

(ガシッ)

子供「は、離せ!」
パワポケ「水木コーチ!」
水木「いったい何やってんだよ、朝っぱらから!」
パワポケ「それはこの子に聞いてくださいよ。」

(そして...)

子供「ごめんなさい...ボク、ある人に無理やりやらされて...」
パワポケ「無理やり?」
子供「ボク、サインをもらいに来たんだけど、持ってた野球道具を無理やり...
返してほしかったら、言うことを聞けって...それでボク、お弁当にマヨネーズをお肉の下にかけて...」
古沢「うーん、だからといってマヨネーズをかけるのはよくないぞ。
それでは君もそいつと同じになってしまうぞ。」
子供「ごめんなさい...」
パワポケ「しかし、誰だよそんなことするヤツは?」
子供「えっと...メガネをかけていて、やんす~とか変な口調をしてたり、
すてーきでやんす~とか変な言い方をするんだ。もう一人は、
ファンを脅してサイン料として、お金をぶんどったりしているんだ。」
パワポケ・水木・古沢「芦沼と具田!?」
水木「あの野郎ども! 懲りずにまだ悪いことしてんのか!?」
パワポケ「許せない!!」
水木「お、おい、待て!」
古沢「じゃあな。」
子供「おじさんたち、がんばって! ヘン!」

路地裏

具田「計画通りやってくれたんでやんすよねえ~?」
芦沼「うまくやってくれたんだろうなあ~?」
子供「はい、あいつら予想を上回る単純野郎どもで、楽勝でしたよ!」
具田「これでパワポケ君はしとめたも同然...パワポケ君たちは...クックック...」
芦沼「くくく...これでオレの完投勝利は約束される...ケッケッケ...」
子供「それじゃあ具田さん! 約束のものをください!」
具田「うん、そうだったでやんすね~! ほら。」
芦沼「はい、これ。」
子供「どーも! ...ってこれボロボロのバットとグラブじゃないか! 野球道具なんかじゃないよ!」
具田「ふん...お前に野球道具なんてもったいないでやんす。」
芦沼「じゃあ、これでもくらいな!」

芦沼はネバネバのガンを子供に撃った。

子供「うわっ! な、なんだこれ!」

芦沼「まずはこれで試合前のサインは万全...」
具田「去年の屈辱を倍にして返してやるでやんす!」

そして...ついにクライマックスシリーズの最終戦が始まった。

パワポケ「今日はクライマックスシリーズ最終戦だ! これに勝てばナマーズは存続できる。
(でも古沢監督、大丈夫かな。今、社長と交渉してるはずだけど。)」
紫杏「ホッパーズに勝てば、ナマーズの解散を取り消し? 私はそんな約束などした覚えはないぞ。」
古沢「は、はい...みんなを元気付けるためのウソが一人歩きしてしまって。」
紫杏「それなら、悪いのはキミだろう。ウソと知りつつ、そのまま放っておいたのだから。
いずれにしても、ナマーズの解散は決定事項だ。いまさら変更はありえない。」
古沢「で、でも! みんなそれを信じて、しがみついてがんばってるんです。いまさら、やっぱり解散だなんて!」
紫杏「あまえるな、バカモノが。泣いてすがればなんでも自分の思い通りになるなどと思うな。」
古沢「じゃ、じゃあ...俺はこんなことしたくないんですけどみんなのために...こ、これを。」
紫杏「なんだ、写真か? 写っているのはこのビルと...ん? (ハキム!)」
古沢「テレビで知ったんですけど、その人指名手配のテ、テロリストですよね。このビルで何度か見かけました。」
紫杏「さあ、知らんな。警察にでも連絡したらどうだ。感謝されるかもしれんぞ。」
古沢「たしかに証拠としては弱いです。
で、でも、カメラのデータに日付と時間が残ってますからなにかに気づく人が出てくるかも。」
紫杏「...............。交渉するつもりなら、弱い材料だな。
だが、情に訴えるだけでなく取引をしようとする姿勢は良い。
...なかなかリーダーらしくなってきたじゃあないか。」
古沢「それじゃあ?!」
紫杏「解散は決定事項だ。だが、ホッパーズに勝ったなら、新チームの名前はオオガミ ホッパーズとしてやろう。」
古沢「え、それだけ? でも中身はホッパーズなんでしょ?」
紫杏「お前は選手に、今日勝てば、残るチームはナマーズだ。...とだけ言えばいい。」
古沢「.........。」

(そして...)

パワポケ「それだけなんですか?」
古沢「(やっぱり、俺にはみんなをだまし続けたりはできないよな。でも...)
だが、今日の試合に勝てばナマーズって名前が残る! これは、大きな違いだよ!」
諸星「じゃあ、おれたちが勝てばホッパーズのままってことだな。」
水木「諸星?!」
諸星「モグラーズからホッパーズに一度は名前の変わったチームだけど、
俺は今の名前が気に入ってきているんですよね。今日は負けませんよ!」
具田「久しぶりでやんすねえ、パワポケくん!」
パワポケ「出やがったな具田! 芦沼!」
芦沼「こうしてキミと勝負ができるなんて思わなかったよ、ケッケッケ。」
パワポケ「お前ら、子供を脅して野球道具をぶんどっただろ?!」
芦沼「そんなこと言ったのかあいつ...?」
水木「二度と悪さができねえようにオレがシメてやる!」
パワポケ「水木コーチ、力で抑えるのはよくありません!
ここは俺たちが野球であいつらを叩きのめしてやりますよ。」
水木「あ、あぁ...そうだな。がんばれよ! パワポケ!」
パワポケ「(...俺は...このチームに入って3年目。
ナマーズという名前は俺にとってどれだけの価値があるというんだろう?)
.........。勝とう、みんな! ナマーズって名前を、名前だけでも残そうじゃないか!」
具田「残念だけどそれはムリでやんすね~、君たちはこの試合が始まる前からもう負けているでやんす!」
芦沼「ケッケッケ...」
パワポケ「なに!?」
東「う、ぐぐぐぐ...」
官取「か、体が...しび..れ...る......」
パワポケ「官取! 東さん! (まさか...!) お前達! あの子供を使って痺れ薬を!?」
芦沼「優れた選手は戦う前から準備を怠らないのさ。」
湯田「またそんな反則行為をやっているんでやんすか!!
お前らにはプロ野球選手としての自覚がないんでやんすか!!!」
水木「汚ねえぞゴラァ!!」
具田「そうでやんすかぁ~? ちゃんと自己管理できないほうが
選手として失格なんじゃないんでやんすかね~?」
パワポケ「具田てめえ!」
具田「これでオイラたちは圧倒的に有利でやんす! わはははは!!」
芦沼「君を蹴落として監督評価を下げてプレイヤーをいじめるのは気持ちいいねえ~へっへっへ。」
パワポケ「プロ野球をなめた罪は重いぞ!!
みんな、具田と芦沼にはイライラするのはわかるけど試合に集中しろ! 今日は絶対に勝つぞ!」
古沢「...なあ、パワポケ。」
パワポケ「監督、なんですか?」
古沢「これまで頼りにして悪かった。今日からは俺がしっかりと選手交代を指揮するから。」
パワポケ「...。わかりました!」

(今後、選手交代はCPUが行います。)

ナマーズVSNEWホッパーズ

ヒント
主人公以外の選手が絶不調! 調子の影響を抑える手段を用意して挑め!
芦沼は「重い球」を持つ! パワーの高い選手で強振して真芯で捉えるか、ヒットでコツコツ点数を重ねて勝負!

ナマーズの選手がうまく力を発揮できず、芦沼に一方的に打ち取られ、
守備の動きが安定せず、相手打者から連打を浴びている!

具田「土下座でもするでやんすか? そうすればわざと打ち取られてもいいでやんすよ~
パワポケくぅ~ん、すてーきでやんす~!」
水木「んなろおっ!! 卑怯な手を使ってるくせに!」
湯田「パワポケくん、オイラこの試合を辞退するでやんす。こんなことで勝ってもうれしくないでやんす!」
諸星「俺も辞退する!」
越後「俺もだ! まったくやれやれだぜ!」
パワポケ「いや、それは違うぞ湯田君! 越後! 諸星さん!
俺は相手がどんな卑怯な手を使おうが正々堂々と戦い、そして勝利する。」
湯田「パワポケ君...」
パワポケ「お互い最後まで戦おう、湯田君! 越後! 諸星さん!」
湯田「......そうでやんすね、こんな卑怯な試合なんてぶち壊してやるでやんす!!」
越後「おうよ!」
諸星「ああ!」

ナマーズとホッパーズは具田と芦沼の卑劣な作戦に耐えながら戦った。そして...

9回表 ナマーズ:15 ホッパーズ:14

ストライク0
ボール0
アウト2

ピッチャー:パワポケ
打者:具田

具田「ここでオイラがヒットを打てば逆転でやんす!
万策尽きたようでやんすねえ、オイラが被安打の地獄に落としてやるでやんす!
マヨネーズ最高~、でやんす! すてーきでやんすぅ...ケッケッケ...」
パワポケ「くっ...俺の未来は...ナマーズの存続は...害悪メガネに閉ざされてしまうのか...?」
水木「あきらめんな! パワポケ!! ここであきらめるなんてお前らしくねえぞ!
お前はプロ野球界でエースで完投勝利を目指してんだろ!?」
パワポケ「完投勝利...!?」
子供「がんばれ! おじさん! 自分を信じてるんだろう!? お母さん、お父さん! 一緒に応援しよう!」
「そうね、がんばってパワポケさん!」
「がんばれーっ、パワポケ!!」
子供「がんばれ、パワポケ選手!!」
水木「パワポケ! あのステーキ野郎に負けんじゃねえぞ!」
古沢「パワポケ!」
官取「パワポケ!」
東「パワポケ君!」
パワポケ「俺はあきらめない! 絶対勝つぞ! 行くぞ!!」

パワポケは全力の投球で具田をツーストライクに追い込んだ!

具田「ぐううぅ!」
パワポケ「いくぞ具田!! パワポケファイナル!!!」

(ビューーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!)

ストライク! バッターアウト! ゲームセット!

ナマーズはクライマックスシリーズに勝利!!

パワポケ「やった、勝ったぞ!」
具田「あぁぁぁぁぁ...はが..はが...」
「.........。」
北条「お、おい、なにショボクレてんだよ。一度変わった名前じゃないか。
もういっぺん変わるぐらい...ああ、チクショー、くやしいなぁ!」
諸星「か、監督?」
北条「なにがチーム合併だ、なにが勝った方の名前を残すだ!
俺たちは、なんなんだよ! オーナーのおもちゃか? それとも使い捨てのコマか?」
諸星「監督...」
北条「諸星! 悪いがボクは監督をやめるぞ。それじゃあな!」
諸星「ああ! 監督、困りますよ! 監督!」
具田「不公平でくだらない試合だったでやんす!」
芦沼「くそ! くそ! せっかくの計画が台無しだ!!」
水木「ん? そうか、お前らのしわざだったのか!?」
具田・芦沼「し、しまったーーーーーーーーーーーーー!!」






パワポケ「次は日本シリーズだ。」
古沢「よーし、みんな。俺たちのナマーズ、最後の戦いだ。
日本一になって、世間をあっと言わせてやろうぜ!」

(おおーーーっ!!)

10月4週

日本シリーズは3勝3敗で最終戦までもつれ込んだ。

パワポケ「いよいよ日本シリーズだ。相手も必死になってきたな。」
古沢「そうさ、本気の敵と戦ってそれを打ち破って日本一!
ナマーズの最後を飾るには最高の舞台じゃないか。さあ、みんな。今日の試合に勝って、日本一で終わろうぜ!」

(おおーーーーーーっ!!)

パワポケは日本シリーズを全力で戦い...そして勝利! ナマーズは日本一となった!!

パワポケ「勝った、勝ったぞ!」
官取「日本一だ!」
水木・古沢「やったぞ、日本一だ!」
野々村「やりおったな。」
官取「でも、これで...」
パワポケ「ああ、最後なんだよな。ナマーズの試合は。」

(グス...)

パワポケ「おいおい泣くなよ。」
官取「日本一になった、うれし涙だよ!」
パワポケ「まあ、そうだよな。俺もうれし涙が出てきたよ...」
今田「オイコラ、バカヤロー! オレのモグラーズを、
またわけのわかんない名前にしたくせに泣いてんじゃねーぞ! シャンとしろー!!」
パワポケ「そうか、ホッパーズファンも今日の試合を応援してくれたんだな。」
官取「おかげで勝てたよ。」
パワポケ「よ、よーし、最後まで涙はなしだ! みんなで古沢監督を胴上げだ!」
古沢「え、ちょ、ちょっと待てよ! おれはみんなにかつがれてただけで別にたいしたことは...」
水木「なら、最後までかつがれてろ。それにあんた、立派な監督になったぜ。」
「ナマーズ選手全員による、古沢監督代行の胴上げが今、始まりました!」
紫杏「.........。」
大神「おい、最後まで見ないのか?」
紫杏「私には、まぶしすぎる光景だ。」
大神「キミはパパではないな? パパなら、こういう光景で心を動かされたりはしない。」
紫杏「...............。ああ、そのとおりだ。人格や知識を機械で移しても
脳の神経配置が違うから、結局 同じ人間にはなれない。」
大神「つまり、パパの知識だけか。」
紫杏「それも急速に失われつつある。
私本来の記憶に比べると、定着率が悪いらしい。しょせん、ひと時の夢だ。」
大神「じゃあ、記憶が失われる前にひとつだけ教えてくれ。...パパはママを愛していたのか?」
紫杏「...もちろん。ただ、会社経営にのめりこみすぎた。それだけのことだ。」

(スタスタ...)

大神「やっぱり、パパじゃないね。あんたは人並みに優しいよ。」

こうしてナマーズ最後の戦いは日本一という結果に終わった。
そして、月日は流れ...

ジャジメント ナマーズ解散式

紫杏「古沢監督、これで全員か?」
古沢「...はい。」
紫杏「そうか、こうして見ると意外に少ないのだな。あー、諸君、聞いてくれ。
知ってのとおり、今年でジャジメント ナマーズという球団はなくなるが、
キミたちの今後についてはきちんと最後までフォローする。
だから、私とはもうしばらくつきあっていただく。だがこういう場は今後ないだろう。
だから、言っておく。3年間、親会社のわがままでふりまわしてしまい申しわけない。
すまなかった。このとおり、あやまる。」

(ざわざわざわ)

紫杏「これから先、ここにいる者はみなバラバラの道を行く。そこで、今日は
ささやかながらパーティを用意させていただいた。
3年間をふりかえり、仲間としばしの間楽しんでいただきたい。以上だ。」

(スタスタ...)

水木「おおい、社長! あんたはパーティにいないのか?」
紫杏「いろいろ、いそがしいのでね。...水木コーチに憎まれ口をたたかれる機会も、もうないのだな。」
水木「さびしいこと言うなよ...ん? なんだよこれ。」
紫杏「アメリカの大学への推薦状だ。
あっちでコーチの勉強をして来い。ま、行くかどうかはキミの自由だ。」
水木「ちぇっ、コーチとして未熟なのはオレだってよくわかってるよ。
最後までイヤミなプレゼントを渡していきやがって。おい、社長!
あんたきびしかったがそんなにキライじゃなかったぜ!」

パーティ会場

官取「あ、パワポケ! どこの球団に行くんだ?」
パワポケ「あ、来年からの所属チームか。ジャイアンツだ。」
官取「へえ、そこか。俺はナマーズだ。」
パワポケ「そうか...さみしくなるな。
だが、ライバルとしていられるから試合でいつでも会えるさ。」
官取「そ、そうだよな! あ、そうそう、ウワサでは
オオガミ ナマーズの来年の監督は古沢さんがなるらしいぜ。」
パワポケ「そうか。俺もナマーズに行きたかったな。...じゃあな。
来年のシーズンの試合でまた会おうな。」

続く

最終更新:2020年09月07日 22:33