目指せリーグ優勝! ~ ジャジメントの真実

あらすじ

甲斐に記憶を抹消され、朱里のことをすべて忘れたパワポケ。
監督の野々村が倒れてしまい、古沢が監督代理となった。今、三年目のシーズンが始まる。
パワポケはナマーズをリーグ優勝に導けるのであろうか? そして最後の結末はどうなる...

紫杏はハピネスXの生産を中止し、ハキムに対して「...苦しみのたうちながらさっさと一人残らず死んでしまえ」と言う。
そう...すべては父親のかたきを討つために...その後、甲斐にアジムの指導者の暗殺を指示した。
パワポケは魔人に電話するが、悪魔から魔人は留守だと言われる。悪魔からすべてを聞くと、魔人のしわざらしいのだ。
6月1週...ナマーズパークの改装工事。そして...

官取「こんな夜中になんです、社長。いきなりトレードだなんて言わないでくださいよ。」
紫杏「たいした用事じゃない。
もし高校時代の私のことを誰かがたずねてきたなら、伝えておいてほしいことがある。」
官取「......へ? オイオイ意味わかんねえよ、それ。」
紫杏「正しい相手になら、それで伝わる。」

(ピッ)

紫杏「(ナマーズタウン改装工事のため一般人はいない、警備は手薄。さあ来い、ルッカ。)」
「シアン本人の声と確認。標的は、本社ビル内です。」
ルッカ「よし、全隊突入。決して油断するな。」

ルッカの部隊はジャジメント本社ビルへ入った。

ルッカ「ジャジメント特殊部隊の総攻撃、ミス紫杏とも今夜かぎりです。」
「了解しました、突入します!」
「...この作戦、会長の承認を得てるんですかね?」
「知らんよ。ただ、この戦いの勝者が次のジャジメントのトップだろうな。」

(ガシャン、ガシャン)

「な、なんだこいつらは?!」

(うわあああああっ?!)

「あっ? 強力な妨害電波です! 各隊と連絡がとれません!」
ルッカ「あわてるな。通信方法をレーザーに変更。」
「了解...あ? B班から緊急連絡です!」

(...ザ...ロボッ...超能力が効かない...クモだ! クモが...ザッ...)

「...通信、切れました。」
ルッカ「いったい、どうなっているのです? 他の部隊との通信は!?」
「それが、まったく...あ、A班のテレパスから緊急連絡! ええと...」

(うわぁあああ!)
(ぎゃあああ!)

(ドス ザク バスッ)

ルッカ「何が起こっているのです!」

(ガシャン、ガシャン)

ルッカ「このロボットたちはいったい...どうやってセンサーをごまかした?」
「ほ、包囲されています!」
ルッカ「おのれっ! これはワナだ!」
甲斐「ESPジャマー(超能力妨害装置)が期待通りに効果を発揮しています。
3つの地区で制圧を完了。11番地区のみ、まだ抵抗中です。」
紫杏「ふん...ルッカはそこだな。予備のTXを20体さしむけろ。
残りの10体は私とともに来い。これよりジャジメント本拠へ急行...王の首をとる。」
甲斐「私へも命令を。」
紫杏「おや、言う必要があるのか? ...来い、私を守ってくれ。」
甲斐「ハッ!」

(そして...)

ジャジメント地下要塞

(ドガーン)
(バリバリバリ...)

「くそ、堅い守りを誇るこの要塞にどうやって侵入してきた? それと超能力者の部隊はどうした!」
「それが、ルッカ局長の命令でほとんど日本に移動していて!」
「あ、あのバカ女ぁ! どこまで勝手なことを...」

(ドガーン)

ゴルトマン「.........。」
「会長、ここはもうダメです! 今のうちにお逃げください!」
ゴルトマン「...ムダじゃよ。連中は脱出用の通路から侵入してきた。
あれはルッカと私しか知らないはずだが...まあとにかく、もう逃げ道はない。」

(ズガガーーン!)

(ガシャン、ガシャン)

「うわっ、もう来た!」
紫杏「失礼いたします。」
ゴルトマン「お前がこの場所にいる、ということはルッカが敗れたのだな?」
紫杏「少なくとも、今は。」
ゴルトマン「...そうか。あれは優秀な子だったが、
結局エゴを捨てられなかった。それがお前との差だろうな。」
紫杏「会長にひとつお聞きしたいことが。」
ゴルトマン「ふむ?」
紫杏「ジャジメントには世界を征服するだけの力があった。なぜ途中でやめてしまったのです?」
ゴルトマン「...老い、だろうな。若いうちは勢いだけで進めるが
歳ととると失うものやリスクにどうしても目が行ってしまうものだ。おそらく、お前は進むのだろう?」
紫杏「私の目的は、さらにその先にありますから。」
ゴルトマン「くくく...なるほど。お前を見出したワシの能力はまちがってはいなかったな。」
紫杏「ありがとうございます。そして、お世話になりました。」
ゴルトマン「ああ、そうそう。ところで、君は本当に誰なんだね?」
紫杏「私が思うに、それはあまり重要な問題ではないと思います。なさねばならぬことと比べて。」
ゴルトマン「すばらしい...ククク、ルッカではかなわぬはずだ。」
紫杏「では、これにて...」
ゴルトマン「お別れだな。」

(グシャッ!)

「ヒィ、会長!」
紫杏「降伏した者の命は助けてやれ。
それとここのデータはすべて回収しろ。戦いは、まだ終わりではないぞ。」

(スタスタ...)

TX「...リョウカイ...」

(翌日...)

パワポケ「あ、あれ、なんだこれ? このあたりの建物...あちこち壊れているじゃないか。」
官取「改装工事中に、警備の目を盗んで暴れまわった連中がいたらしいぜ。」
パワポケ「ひどいなぁ。きれいになるどころか、こんなんじゃお客さんも来ないよ。」
官取「早く修復してほしいよな。」
パワポケ「(でも、なんだかここで戦争でもしたような...いやいや、そんなまさか。)」

6月2週、ナマーズは試合に勝利。
その後、パワポケが「社長はどうなるんでしょう?」と野々村に言うと、
同じような人間ばかり集めて気に入らない人間を除いて行って...行きつくところまで行ってしまうらしいという。

大神「え? おい、どうしてお前がここにいる!」
紫杏「まあ、そうカッカするな。健康によくないぞ。」
大神「犬井! こいつを社長室からつまみ出せ!」
犬井「...会長。おかえりなさいませ。」
紫杏「博之の護衛、ごくろうだった。」
大神「え...どういうことなんだ?」
紫杏「博之。まだ、わからんか?」
大神「まさか...パパ?! いや、ボクのパパ 大神美智雄は死んだ。本人だったのはまちがいない。」
紫杏「そうだ、たしかに死んだ。だが、ワシは万が一に備えてこの女に人格と記憶を残しておいた。
いかにこの女が優秀だとしても、ワシの知識と経験がなければ海千山千のつわものどもと
わたりあうことはできなかったろう。」
大神「待ってくれ。つまりキミは、いやあんたは...」
紫杏「博之。時間がないのだ。オオガミとジャジメントの戦いによる世界の混乱を
終わらせなくてはならん。力を貸してくれ。」
大神「いったいどうやって!」
紫杏「オオガミが唯一絶対の力となる。それだけがすべての解決策だ。」

7月1週

パワポケはミルキー通りのアウトレットモールへ向かった。

パワポケ「あ、なんだこりゃ。えーと、説明が書いてあるぞ。
「魔人だけでなく、厄災を封印するためのツボです」
え...魔人と厄災を封印するツボ? どうしてこんなものが普通に売ってるんだ?
いんちきアイテムかもしれないけど万が一のために、買っておくか。
でも、使うのはいよいよ危ないって時だけにしよう。
もし効果がなかったら、まちがいなくひどい目にあうからな。」

紫杏「世界中のジャジメント支部長の諸君。
ゴルトマン会長の命によりジャジメントの全権はこの私にたくされた。
今後は、私からの指示にしたがっていただきたい。」

(小娘が!)
(なんの裏づけがあってのことだ?)
(私は認めんぞ!)

紫杏「...22番を消せ。」

(ぎゃああああ!)
(おい、どうした?)
(西ヨーロッパ支部からの映像が消えたぞ?)

紫杏「西ヨーロッパ支部長のところでなにかトラブルがあったようだ。
他の者も、注意したまえ。なにかあってからでは、遅いからな。」

(......。)
(......。)
(......。)

紫杏「さてと...諸君。今後は、私の指示に従っていただけるのかな?」

(わっ、わたしは、シアン会長代行を支持いたします!)
(そ、そうだ、ワシも!)
(シアン会長代行、バンザイ!)

紫杏「.........。では、会議は以上だ。」

(パッ)

紫杏「少しは気概を見せるかと思ったが...見苦しい連中だ。」
甲斐「はい、私もそう思います。」
紫杏「一年以内に全員のクビをすげかえる。後任のリストを作成しろ。」
甲斐「はい。」
紫杏「次は、他の資本グループだな。中国の九百龍、地中海のカエサリオン
そしてアジム...か。連中が、お互いに手を結ぶ前に完全に叩きつぶせ。」
甲斐「マスコミへの発表と同時に、世界中の敵対組織に攻撃をかけます。
ジャジメントの組織力とオオガミのテクノロジーの前に敵はいません。」
紫杏「では、世界をひっくり返すとするか。」

(翌日...)

パワポケ「ふあ~あ、みんなおはよう! さあ、今日も野球をがんばるぞ。」
官取「それどころじゃないぞ! ジャジメントとオオガミが一つになっちゃうんだ!」
パワポケ「はあ?」
古沢「朝からテレビは全部のチャンネルでこのニュースばかりだ。世界中が大騒ぎらしいぞ。」
パワポケ「ええと...ものすごく大きな会社になるってことなんですかね?」
古沢「とんでもないことになるらしい。...よくわからないんだけどな。」
パワポケ「じゃあ、とりあえず俺たちにはあまり関係がないじゃないですか。」
官取「そんなことないって! このテレビを見ろよ!」
「...つまり、球団を減らさくてはいけない?」
水木「ひとつの会社が2つのチームを持つことは禁じられてますから。」
「つまり、ナマーズかホッパーズかどちらかのチームがなくなると?」
水木「そういうことになりますね。」
パワポケ「え? うええええええええ!?!」
「ただいま入ったニュースによりますと、
家電トップメーカーの大帝国工業が、ジャジメントに買収されました!
これは、これまで防衛していたオオガミが急に買収に同意...」
パワポケ「そんな話題はどうでもいいからさっきの話題の続きは!?」
古沢「あの、よくわからないけど...ナマーズがなくなったら俺たちどうなるんだ?」

そして、その後ナマーズを今年限りで解散すると神条社長からの発表があった。

紫杏「...目下の状況は、以上です。」
「まずは、おめでとうと言うべきでしょうかネ。」
紫杏「まだ始まったばかりにすぎません。計画の立案者として、
あなたには今後ともご指導のほどをお願いします。人類のために。」
「人類のためニ。」

(ピッ)

「...そして、なによりもこのワタシのためニ。」
古沢「あれ、ここで何をしてたんだ?」
「いや、ちょっとその電話を。」
古沢「なんだ、そうなのか。(球団のこともあって、みんな不安なんだろうなぁ。)」

(...そのころ...)

黒野博士「あー、なんじゃこれは。」
立花「博士、どうしたでバッタ?」
黒野博士「うむ。たかゆきのメモリーをそろそろ増設しようかとチェックしておったら、
変なデータチップが見つかった。だれかがまちがえて、無意味なものをはめこんでおったようだな。」
立花「なるほど。たかゆきの口が悪いのはそのせいだったでバッタね。」
たかゆき「コラコラ、勝手なことぬかすんじゃねーよ!
それから、チップを間違えたのは唐沢博士だぜ、きっと。」
立花「ああ、あの博士でバッタか。なつかしい名前でバッタね。」
黒野博士「十数年前になくなった唐沢か...ふむ、チップの中身は研究データだな。
あいつが、こんな研究をしていたとは。」
立花「何の研究でバッタ?」
黒野博士「「時間流の変更可能性について」...タイムマシンだな、これは。
ばかばかしい、そんなものとっくの昔にムリと証明されとる。」

(ポイ)

立花「あ、捨てるなら、おいらがもらっとくでバッタ。」
黒野博士「勝手にせい。」

(スタスタ...)

立花「このチップ、マフラを止めるのにちょうどいい大きさなのでバッタ♪」
たかゆき「そんなことして、知らねえぞ~?
そのチップのせいで、お前世界中からねらわれたりしてな!」
立花「そんなことあるわけないでバッタ!」

このままではナマーズは解散となってしまう。
パワポケはナマーズを残すためにホッパーズに勝つしかないといい、気合を入れた。
一方、ホッパーズの選手たちも打倒ナマーズに向けて気合を入れる。
8月3週、ナマーズは試合に勝利し、ホッパーズも勝利。
9月3週、ペナントレース最終戦。ナマーズは勝利し、ついにリーグ優勝!
優勝した途端に古沢から重大な知らせが。なんと、クライマックスシリーズで勝たないとダメらしい。
パワポケはこれで3つの願いをかなえた。古沢はナマーズの存続の件に悩むが、
パワポケは「当たって砕けろ」と伝え、古沢は勇気を出して紫杏に解散の件を話にいくことにした。

そのころ...

「中国の九百龍が、無条件降伏を申し出てきました。」
紫杏「若手リーダーの首を差し出させろ。すでにリストはできている。」
甲斐「ギリシャからの連絡です。カエサリオンの一族の生き残りを発見しました。
彼らは組織を解散する代わりに助命を望んでいます。」
紫杏「...西ヨーロッパ支部長があそこの長女を欲しがっていたな?
まず、差し出させろ。その後で、適当な理由をつけてそれ以外の者はすべて殺せ。」
甲斐「.........。」
紫杏「どうした?」
甲斐「今日、ナマーズの試合があったそうです。」
紫杏「野球か! ...なんだか遠い世界の話のようだ。」
甲斐「無理に大神を演じる必要はありません。あなたのやり方でやるべきです。」
紫杏「だめだ、そんなことをすれば!」
甲斐「罪の意識に耐えられませんか?」
紫杏「! (たしかに、私は演じることで恐怖や迷い、罪の意識から自由だった。
だが、それは正しいことなのか?) ...わかった、さっきの件は変更する。
こちらの監視下にとどまる限り、命は保障すると伝えろ。」
甲斐「ありがとうございます。」

次の週...オオガミとジャジメントの合併した新会社は、ツナミ・グループという名前に決まった。
なお、混乱を避けるためグループ各社はオオガミおよびジャジメントの名前を
合併後も使用するとのことらしい。パワポケたちの所に紫杏と甲斐が来た。
パワポケは官取に「古沢監督を呼んできてくれ」と頼み、官取が古沢を呼んでくるまで
パワポケは紫杏との会話で時間を稼ぐが、話が続かず紫杏はビルに向かってしまう。
古沢が到着し、社長に話があるというが、黒服にお通しはできないととめられてしまう。

そしてクライマックスシリーズが近づいた...

続く

最終更新:2020年09月07日 22:29