太陽の冠と失踪事件-現代

『太陽の冠』

 太陽神バールが被っていたといわれる冠。太陽を象徴しており、すべて黄金で作られている。
金銭的な価値も高いが、その中に太陽神の精神が宿っていると信じられていたため、
バール教の信者には宝以上の価値をもつ物だった。

 ユピテル神殿で発見された太陽の冠の破片は、考古学者の間で大きな反響を呼んだ。
ユピテル神殿は本来、太陽神バールの聖殿であったため、発見された『太陽の冠の破片』は
バールの遺物だった。この発見により、バールの遺物に関する考古学者達の好奇心は
日増しに大きくなり、彼らの関心はユピテル神殿に集中されることになる。
ユピテル神殿は今まで訪問者が少なかったが、その事件で調査団と観光客が急増し、
ローマの皇帝は彼らの安全のため、神殿に兵士を配置させた。

 しかしその後、ユピテル神殿で奇妙な事件が起きた。
それはユピテル神殿を研究していた調査団、観光客、兵士達が突然失踪したことだった。
何の痕跡も残さず、彼らは忽然と姿を消した。失踪に気がついたのは、神殿勤務の交代のため、
訪ねてきた兵士達だった。彼らがいなかったら失踪に気づくのはもっと遅くなったのだろう。
失踪の報告を受けたバルテグル将軍は、すぐに調査部隊をユピテル神殿に向かわせたが、
その調査部隊さえ連絡がとれなくなってしまった。

 古代の神の遺物に手を出し、神の怒りを買ってしまったという噂が町全体に広がり始めた。
軍は事件を解決し、動揺する民を落ちつかせるため、バルテグル将軍に指示を出した。
しかし、噂のせいか志願する兵士はほとんどいなかった。ハンター組合の力を借りようと
もしたが、それも容易くなかった。孤立無援になったバルテグル将軍は、この事態を解決する
ため頭を悩ませた。

 その時、彼女はふとあなたのことを思い出した。

 今まで数々の事件を解決してきたあなたなら、今回の事件でも力になると思いついたのだ。
彼女は急いであなたのことを捜し始め、その噂を聞いたあなたはコンスタンティノーブルへと
向かった。平穏だった日常に終止符を打つ新しい冒険に期待しながら。
最終更新:2013年03月14日 23:13