グル・アブドゥッラー・サン

カラウルガンジュ・サン国の現君主。
アブール(アバルガ)第2王朝4代に当たり、先代メレク=フサイン・サンの第19子。
身長219センチ、体重143キロと歴代君主の中でもっとも巨漢。
屈強な印象を持たれがちであるが、武芸は苦手でありむしろ学問を得意とする。

モハル語を始めとした14の言語を操り、伝統主義を嫌う。
一方で歴史学と伝統文化に深く精通しており、特にモンゲル竜騎帝国時代の英雄叙事詩をこよなく愛する。

性酷薄にして苛烈、目的の為ならあらゆる手段を厭わぬ姿勢からクィズィル=サン(=赤い君主、転じて血塗れ君主の意)とも称されている。
大モンゲル血統を受け継ぐ君主ながら旧来の慣習に基づく伝統主義を大いに嫌悪し、保守派の牙城たる宗教勢力と地方有力者を堕落の象徴として激しく憎悪する。

継承順位の低さ故、不遇の少年時代を過ごした。
だが青年期には転じて優れた政治的な才覚を発揮、後継者争いを権謀術数で制する。
そして二十四歳で宰相に就任すると権威を掌握し、アマルクの改革派閥である『青年モハル』と野合。
隣国ロゼルスを手本とする急進的な近代化政策(俗に言う「ロゼルス化」)を実施した。

しかし父であるメレク=フサインが『行き過ぎた』改革に不満と抵抗を示めすと、アブドゥッラーは父王とその側室、兄弟までもを一人残らず処刑し『サン位(王位)』を簒奪。
即位に際してアブドゥッラーは『あらゆる脅威から漆黒の(あるいは強大な)オルドを守り、不朽の栄光を取り戻す』事を表明。
ここにカラウルガンジュ・サン国の歴史は新たな局面に達した。

国民の不満を抑える為にアマルク、地方治安維持の為に新設されたサン直属の親衛竜騎隊『アブドゥッラフカー』を利用して激しい弾圧を加える恐怖政治を敷いており、この事が隷属民や地方有力者の反感を招いている。


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最終更新:2023年12月05日 12:01