百年近く前、
ハーレン近海にある暗礁海域に突如として出現し座礁した一隻の大型艦。
船体全てが頑強な鋼鉄製である為に『鉄の城』とも称されているが、その大きさと重量から動かす事が出来ずに放置され、今ではすっかりと赤錆に覆われている。
出現時には既に浮いているのが不思議な程の大破状態であったらしい。
この世界の船とは全く異なった作りをしており、当時にこの“鉄城”から退去して
シードリアで保護された
数人の者達の話から異世界の軍属艦である事が判明したと言う。
ちなみにこの船が座礁した海域…。
奇しくもシードリアとハーレンが領海圏を巡って争っている微妙な場所であった。
(船体自体はハーレン側にギリギリ入っていたらしい)
そんな所に現れたのが未知なる技術が詰まった船に、それらの知識を有する乗員達。
つまりこれは強力な海軍を保有したい両国にとってまさに『湧いて出たお宝』であった訳である。
故に、これらの『所有権』を巡る争奪戦が勃発したのだ。
「乗員は此方で保護しているのだから船も我が方で管理する」と訴えるシードリア。
「船は此方の領海にあるのだから此方の物。船員も我々に引き渡せ」と反論するハーレン。
そうして長きに渡り激しい論争と駆け引きが続いたが、結局軍艦はハーレン側、乗員はシードリア側で管轄とする事となったようだ。
船体を調査したハーレン側はその大部分が現在の技術では到底再現出来ないながら、幾つかのアイデアをこれから作られる自国の戦闘艦に。
シードリア側も乗員への聞き取りから可能な範囲での技術を取り入れる事に成功し、現在の海上戦術や航海術に組み込まれたと言う。
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最終更新:2025年06月06日 10:38