グローリア・ザレスカ

ノウィストのとある古城に棲み付く、黒のゴシックドレスを纏った長い金髪に真紅の瞳を持つロイヤルヴァンパイアの娘。
戦闘力は高く、魔王候補の使いが彼女を配下に組み入れようと勧誘に来た際にはこれを鎧袖一触で消滅させたという話もある。

傲慢な性格をしているが人間と関わり合いにはならず、眷属達に囲まれながら読書に興じる日々を暮らしているようだ。
しかしその強さから警戒され、討伐依頼が頻繁に出されている模様。



ある雷雨の夜、古城にやって来た一人の冒険者に『またいつもの命知らずか』と襲い掛かるグローリア。
だがその戦闘の最中、冒険者の持つが突如形状を変え、太陽と同質の強烈な光を放ち始めたのである。

光に焼かれ、身体が灰になり崩れ始めるグローリア。
しかし今度は剣から漆黒の闇が溢れ、その身を包んだ事で寸前で崩壊を免れる。
その様子に冒険者は慌てた様に謝罪を繰り返し、彼女をベッドへと運んで介抱し始めたのである。

当然『なぜトドメを刺さない』と問うグローリア。
だが冒険者は『咄嗟に応戦はしたが、雨宿りに寄っただけで何もするつもりは無かった』と答え、短剣で自分の手を傷付けてその血を平然と差し出した。
やがて雨が上がると『討伐依頼、取り消せないか頼んでみる』とだけ言って冒険者は古城を去った。

以降、討伐に訪れる者は減少しそれなりに平穏になったようだ。
ついでに傲慢気味だった彼女の性格も幾分か大人しくなったらしい。

雨の日の夜には傘を差しながら古城のテラスに出て、またあの時の冒険者がフラリと来ないかと外を眺める姿が見られる事も。


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最終更新:2024年04月22日 09:58