第2話 覚醒、その力

「だから、見ててください。俺の、戦いを」
信じられない程、力が湧き出てくる。この力で…
「みんなを、守る。俺の、力で。」
負ける気が…しない。
まず、先頭のゴブリンたちを、
「くらえ!」
腕を振り、風を起こして吹き飛ばす。すると一斉に目線はこっちに向く。
「好都合だ。いくぞ!」
少しかじった程度の格闘技でゴブリンたちを次々と殴り飛ばしていく。
なんて力だ、信じられねぇ…!
「オラッ!まったく、死ぬほど多いぜ!」
だが、まったく疲れを感じない。なんだこの力…!
気付くと、ほとんどゴブリンたちはいなくなっていた。
「…どうだ?かかってこい。」
群れの長、キングゴブリンを挑発する。簡単に乗ってくれた。
大ぶりなこん棒をかわし、信じられない程の大ジャンプ。
「ほれ、顔蹴ってやるよ。」
そして、顔を空中回し蹴りで蹴る。そして着地。
「おい、痛いだろ?これ以上やったら二人とも痛いだけだぜ?な、和解しようや。」
説得をしてみる。どんな悪い奴もきっと仲良く…
「GUOOOOO!!!」
今はなれなさそうだ。普通に棍棒を振り下ろしてくる。まあ、かわすんだけど。
「やれやれ、そんなんで俺にあてようなんて、甘すぎるぜ。」
さて、そろそろ決めるか。
「ヒッサーツ!いくぜ、大ジャーンプ!からの…」
俺は飛び蹴りの体制を取り…
「キックブラストォォォ!」
適当に考えた技名を叫ぶ!
直撃!からの、爆発!そして俺は着地。
「………やっちまった。つい…」
はぁ…仲良くなるつもりだったのに爆殺してしまった…
「お前…何者だ!?」
「わあ!クルスって強いんだねー!」
…誉められた。悪い気はしないな。
「おい、アイツ何者だ?」「勇者候補?」「きっと神の使いに違いありません!」「バケモノだ!」「なんでこんな冒険者がいるのよ…」ガヤガヤ
なんか騒いでる…
「な、なぁクルス!俺たちと冒険者にならないか!」
「うん、クルスと一緒なら何でもできる気がするよ!」
「い、いや大丈夫です…偶然ですよ」
「偶然でキングゴブリンを倒せるわけがないだろ!それに、敬語はもういいぞ。本当のお前を戦いのとき見たからな。」
あ、そうか。つい荒々しく…
「じゃ、じゃあ遠慮なく…お、俺もなんであんな力出せたかわかんねぇんだ、それに冒険者なんて、登録とか…」
「じゃあ、登録しに行こうよ、にぃに!」
「ああ、俺たちに任せろ。」
うわああああ、冒険するルートになっちゃってるー!
「ああ、もういいよ!冒険してやんよ!!」
そう俺は、やけくそ気味に叫んだ。
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【冒険者ギルド】
おお、いろいろな冒険者がいるな。登録は二人に任せてるし、俺は仲間を探すか。
「今は三人だし、あと一人欲しいな。」
「ならそこのお兄さん。私を連れてきな。」
!?
「ウェッ!?誰なんだあんた一体!」
「私は魔導士のブレイズ。炎魔法が特に得意よ。」
後方攻撃型きた!これで勝つる!
「お、おお!じゃ、じゃあお願いします!」
「ふふ、あなたのパーティ構成は見たわよ。かわいい女の子の白魔導士にかっこいいお兄さんの魔剣士じゃない。私の好みよ、この構成。」
ああ、ってことはキングゴブリン戦見られてたのか。
「それに、あなたって武道家でしょ?装備も安く済むし、強いし、仲間にいるとうれしいわね。」
…あ、なんか勘違いされてる。
「…いえ、俺は無職です。」
「ええええ!?嘘でしょ!?無職であんなに戦えるはずないわ、無職と言ったら冒険者の加護を受けてない農民とかじゃない!」
「だから無職だっつってんだろ!!うるせぇよ無職無職!ぶるぁぁぁぁぁ!!!」
俺の魂の叫びがこだました。

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次回予告
「おお、魔導士さんだ~」
「うふふ、よろしくね。」
「ぐわあああああああああ!!」
「にぃに!ど、どうしよう!回復しなきゃ…!」
「オラァァ!って、ええ!?なんで手燃えてんの!?ま、まあいい!バーンナックルだ!」
「クルス!これを使え!」
「火炎斬り!」
「獄炎バーナースカウトフィニッシュ!」
次回「はじめてのどうくつ」
次回も、心を熱く燃やして!
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最終更新:2019年04月23日 01:37