よぉ。俺クルス。
まずいことになった、まずいことになったぞ!ヤバいなんてもんじゃない。
グリル帝国に突撃しないとブレを助けられなくなった。しかもたぶん牢屋の壁は頑丈だ。なら取る方法は1つ。
「お前ら…少し協力してくれ!」
…大作戦の決行だ!
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と言うことで今俺は超高速ヘリコプター(ブレが残してくれた)に乗っている。
そして、その作戦とは…
1.空中から鉄球的な物を吊るす
2.牢屋の建物にぶつける
3.壁破壊
4.突撃!救出!いずれもマッハ!ヤッター!success!
と言う形だ。4番目がアバウトすぎるって?知らんな。
「ねぇ、クルス。」
「どうしたんだ、ブレイズさん。もしかして鉄球と同じくらいの魔法球が作れないとか…」
「いや、作れるんだけどねぇ。ちょっと誰かが触れてないと質量が少なくなるのよ。」
「ゑ…それってもしかして…」
「直訳:生贄になれ…ってことよ」
「ひどい!」
こんな役回りを任されるとは…ブレイズさん、裏切ったんですか!?
「大丈夫、99%死なないわよ」
「残りの1%は死ぬってことですよねそれ!?」
「大丈夫!死にそうになっても回復してあげるから!」
「即死したら意味ないんだよ!」
「大丈夫だ、お前は俺たちの中で生き続ける」
「それ俺自身は死んでるよね!?」
「うるさい!これもブレを救うための犠牲だ!」
「俺の命はブレの命よりも価値が低いんですか!?命は平等なんじゃないんですか!?」
「うるさいわね、ちょっと黙ってなさい!」
「ひどすぎるよこんなの!…仕方ない…俺の命と引き換えに誰かが救えるのならやってやる!やってやる!」
「99%死なないって言ってるのにねぇ…」
「1%を舐めてはいけない」
うん。マジでこれ。…意を決しよう。
「…突撃いいいい!!!」
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【ブレ目線】
はぁ…いつになったらこの牢獄から出られるのでしょうか。
きっと死ぬまで、でしょうね。
「おい!見ろよ!あのブレがこのざまだぜ!」
「バカにしないでください」
しかし、今は抵抗できません。やはり、従うしか…
と思ったその時。
「あさま山荘じけーんアターック!」
…知っている声と共に、壁が壊され、一人の男と鉄球が室内に入ってきました。
「大丈夫か?立てるか?」
…その声の主は、僕の新しい仲間であり…僕の理想のヒーロー像をそのまま映したような人物…クルスさんでした。
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【クルス目線】
ああああ…死ぬかと思ったぁ……よし、じゃあ救出作戦開始だ!
「…さて、showtimeと行こうか。」
「…助けに来てくれたのですか?」
…聞く必要ねぇだろ
「…もちろんだぜ!」
確かに昔のお前は孤独だったかもしれねぇけどよ…今のお前には…今の…
「お前には…頼れる仲間がいる!」
…さ、来てくれ皆!
「待たせたなブレ!」
「今助けるからね!おねぇちゃん!」
「さあ、行きましょうか。」
…戦闘開始(ゲームスタート)!
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「何者だこいつ!」
「オラオラ!どきやがれ!ウィンドライフル!」
次々とかかってくる兵士たちを殴り飛ばしながら、ウィンドライフルを取り出す。
「行くぜ行くぜ!」
「「「ぐああああああああ!!」」」
からの連射!周辺の敵を一気に吹き飛ばす!
お、あっちもやってるな!
「行くぞ!紅蓮乱撃!」
「ぐおおおお!」
「消えなさい、氷結煉獄!」
「うわああ!凍りながら燃えるうううう!!」
すげぇな…
「…!あの人は…また来ましたか…」
…!あいつは…
「…あたしの部下が…」
「ふざけるな!あたしの邪魔を…するなあああああ!!」
うお、なんだこれ!風魔法!?な、なら!俺だって!
「ウィンドライフル!限界稼動!」
風と風のぶつかり合いだぜええ!!
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【ブレ目線】
…なんですかこれ。まるであっちの世界で読んでいたバトル漫画のようです。超次元的な戦いです。
「ブレお姉ちゃん、今この鎖切るからね!」
アクリちゃんが風魔法で僕を繋いでいた鎖を切ってくれました。有能ですね、アクリちゃん。
「ありがとうございます…早く、加勢しなければ…」
「だ、だめだよ!お、お姉ちゃん裸だし…武器もないし…」
あ、そういやそうでした。服剥がれて100本ほど持っていたナイフも全部持ってかれたんでした。
「だ、だから!ここは任せといて!」
悔しいですね、力になれないなんて…
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【クルス目線】
なんだこれ…風と風が相殺し合って膠着状態が続いてやがる…
「今だ!」
「うおっ…!?」
いきなり突いてきやがった…ていうかあの風を突っ切ったのか!?
ならこっちも接近戦で!
「くらえ!」
「ブレみたいな技もない単調なパンチなんか!」
確かに俺に技はない。だけど…自分の力を信じて最後までやってやる!
「ぐっ、ムカつく目つきね!」
「はて、それはどういうことかなぁ!」
いくぜ必殺…
「フルボッコにしてやんよ!」
うん、これが技名だ。ネーミングセンスねぇな、俺。
「…なんなのよ!このラッシュの速さは!」
「これが…信じる強さだ!」
「ここまできて…!邪魔をされて…られない!」
ぐっ…どっちもラストスパートってところか!
「くっ、お前も間違ってるだけなんだ!ブレみたいに!」
「あたしを…千歩と同じにするなああああああ!!!」
「このままやると死ぬぞ!戦うな!」
「黙れええええええええええええ!」
と、俺たちが火花を散らせていると、俺たちが入ってきた穴から何ものかが入ってくる。
「戦う気のない相手にワンサイドゲームなんて、卑怯だなぁ…」
その声に、俺も相手も戦闘をやめる。
「…どういうことよ。このケタ様の邪魔をするつもり?」
あ、名前ケタっていうんだ。把握
「お前は誰だ?」
俺も疑問を投げかける。
「俺は…ludus。ラテン語でゲームの意味だ。」
…ラテン語ねぇ。難しいとこ引っ張ってくるな。
「何か知らないけど…邪魔しないでくれる?」
え、え?
「そうか、そんなに遊びたいんだな。じゃあ…」
「俺が遊んでやるよ」
ええええええええ!?
「さ、行くか。」
俺が困惑しているうちに、ludusは回転し、周りの物を吹き飛ばす。
「な、うわぁぁぁ!!」
「え、え!?」
「…なんですか、これ?…風魔法とも…違う…!」
「うぇぇぇ!?が、瓦礫がこっちに飛んでくるぅ!」
「な、これはいったい!?」
なんなんだよこれええ!?
「さ、遊ぼうぜ!」
やばい、来る!
「舐めないでくれるかしら!?私はグリル帝国最高の剣士よ!」
「おお、じゃあ楽しめそうだな!」
「お、おい!こんなところで喧嘩するな!」
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【3分後】
「どうした、俺をもっと楽しませろよ。遊んでくれるんじゃなかったのか?」
「こんな…バカな…」
「あたしが歯が立たない…」
3分でやられた。この瓦礫だらけの牢屋だった部屋には俺とケタ、ウレア、ブレイズさんが倒れ、平然と一人のみludasが立っている。
なぜかアクリとブレは消えている。あいつらどこ行った。
「…まだまだ…これからだぜ!」
「ああ…そうよ!」
「おお!そうこなきゃ面白くない!さ、遊ぼうぜ!」
…バケモノめ。
「うおおお!」
炎の拳で殴りかかるが、回転で発生する衝撃波で再び弾かれる。なんなんだこの攻撃。
「くっ、ならこうよ!」
とケタが
レイピアを構えるが、
「おっと、潰させてもらうぜ。」
の一言で
レイピアの刀身が火に包まれ、どろどろに溶ける。やっぱりこいつの力は圧倒的だ…
「く、くそ!」
やけくそ気味に殴りかかるが、かわされ、体当たりを喰らう。
「ぐはぁ!」
チッ…なんなんだよ、この力…!
と、思っていると、轟音が鳴り響きludusに銃弾が直撃する。しかしあまり効いていないようだ。
その轟音が鳴り響いた元にいたのはやはり…
「僕は君たちを頼り過ぎました。だからこそ…」
「…あなたたちも、僕を…頼って下さい。」
服を現代風の戦闘服からこの世界にあう旅人風の服に着替えた、俺の新しい【仲間】だった。
「さ、一緒に行きましょう。」
…OK
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次回予告
「さあ!行くぜ!」
「…勝てませんよ…こんなの…」
「…!」
「楽しませてもらったぜ。また遊ぼうぜ。」
「もう、こんな争いはやめようぜ。な…どっちも血を流すだけだ…」
「…そうね」
「そうですね…」
「あんたが…
プレヤーか!」
「はい」
「また会いましたね、面白い人。」
次回
「不思議な国」
次回も、心を熱く燃やして!